保育士の4人に1人が「週休二日未満」、有給休暇も取りづらい 人材不足解消には働き続けられる環境整備が不可欠だ
近年、東京を中心に待機児童が問題になっているが、その要因の一つが保育士不足だ。厚生労働省は2017年度には6.9万人の保育士が不足すると試算。一方で、保育士の資格を持ちながら保育士として働いていない潜在保育士は約76万人いるという。
現役の保育士や潜在保育士から業務に対する不満として最も多くあがるのは給与の安さだが、他にも問題は山積みのようだ。7月5日に保育士の求人・転職サイト「保育士バンク!」が保育士の「休暇」について行ったアンケートの結果によれば、4人に1人が「週休二日未満」だという。
自由に有休を取得できるのは3人に1人、上下関係も厳しいので取りづらい
調査は保育士475人(潜在保育士・パートタイム含)に対して実施。休みの取り方を聞いたところ、1位が「週休二日制(土日休み)」(32.0%)、2位が「週休二日制(4週8休)」(27.8%)だったものの、3位が「週休二日未満」(25.1%)となった。
週休二日未満で多く見られた雇用形態は「4週6休」だったという。また、運動会などの行事が入ると「週一休暇で代休なし」というケースも多いという。
また、有給休暇も取りにくい実態があるようだ。「自由に有休を取れるか」聞いたところ、「YES」が32.8%だったのに対し、「NO」が54.3%。取りにくい理由には勤務形態や職場の雰囲気が関係しているようだ。
「他の職員とのシフト制のために、自分の都合では自由に休暇が取得しづらい」(30代女性)
「人間関係の上下関係も厳しいから有給があっても取りずらい」(30代女性)
といった声があがっていた。「どんなときに有休を取りたいか」聞いたところ、「シーズン毎の長期休暇」(53.3%)を抑えて1位は「自分や家族の病気や行事など」(76.2%)。いかに普段から保育士が休みづらく、業務に追われているのかが分かる。
そもそも、保育士は休日であっても教室の飾りつけやプリント制作などの仕事を持ち帰って作業していることも多い。厚労省の調査によれば、潜在保育士の37%が保育士に就業しない理由に「休暇が少ない・休暇が取りにくい」をあげている。賃上げとともにワーク・ライフ・バランスも整えなければ人材不足の解消は難しいだろう。
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