【7月10日参院選】若年層が関心寄せる「雇用」政策 各政党が「同一賃金同一労働」「インターバル規制」を掲げる
参議院選挙の投開票が7月10日に実施される。今回から選挙権が18歳に引き下げられたが、若年層にとって特に気になるのが、景気や雇用に関する政策だろう。
では、各政党はどのような政策を掲げているのだろうか。キャリコネニュースでは特に「雇用」の面に着目し、候補者数の多い上位5政党(自民・公明・民進・共産・おおさか維新)のマニフェストを比較することにした。
自民・公明「勤務インターバル規制について企業は自主的な取り組みを」
各党の雇用政策を見てみると、「最低賃金引き上げ」「同一賃金同一労働」「終業から始業まで一定の時間を空けるインターバル規制」「ブラック企業対策」を掲げる党が多い。
与党の自民党と公明党は、両党ともに「最低賃金1000円」と「同一労働同一賃金の実現」を掲げている。特に、公明党は数値目標を盛り込み、「正社員の6割程度である非正規労働者の時間当たり賃金を、8割程度(欧州並み)に引き上げる」としている。
また、「勤務時間インターバル規制」についても自公ともに言及しているが、「企業の取り組みを推進」(自民)、「企業に自主的な取り組みを推進する」(公明)とあくまでも企業ありきのようだ。ブラック企業対策については、自民は「監督指導強化」と記載するにとどめた。一方、公明は「『ブラック企業』と『ブラックバイト』について、法改正を含めて対策を強化」と法改正も行う考えのようだ。
また、自民党は「若者の採用・育成に積極的な企業を増やす」というが、一方で「定年延長などの企業の取組みを促進」も掲げているため、引き続き高齢者の雇用を増やす考えのようだ。他に公明党は36協定における時間外労働の在り方について、「上限規制の導入を含め検討を進める」としている。
共産党は「サービス残が発覚したら残業代を2倍にして払わせる」と主張
では、野党はどうなっているのだろうか。民進党、共産党、おおさか維新の会を見てみる。最低賃金については、民進党が「1000円以上」、共産党が「1000円に引き上げ、さらに1500円に」と明記。おおさか維新は言及しなかった。
「同一労働同一賃金」については各党が記載。民進は賃金・待遇に差をつけた場合、「合理的理由があるかどうか、企業に立証責任を負わせる」とした。また、共産は「労基法、男女雇用機会均等法等に明記」するとした。おおさか維新は同一賃金同一労働を踏まえたうえで、「年功序列型の職能給から職務給へ転換する」としている。
「インターバル規制」については、民進と共産が終業から始業までに「11時間の間隔」をあけると明記。法整備を前提としている。おおさか維新もインターバル規制は記載しているが、具体例の提示はなかった。
「ブラック企業対策」については、民進は「残業時間の上限を規制」するとした。共産は一方踏み込み、「違法な『サービス残業』が発覚したら残業代を 2 倍にして払わせる」「離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開」と強気な姿勢を見せている。おおさか維新は特に触れていない。
その他特記すべき政策としては、民進・共産が「労働者派遣法」を見直すべきとしている。また、民進は「会社で働いている場合、原則、厚生年金・健康保険に加入できることをめざす」と記載。共産は「残業代ゼロ法案」の廃案を目指すとしている。
また、おおさか維新は雇用の流動化を意識。「労働市場の流動化と労働移動時のセーフティネットの充実を同時に推進」「解雇ルールの明確化、解雇紛争の金銭解決を可能に」と記載した。
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