就活生が企業に質問をする「逆質問採用」実施 人事は電話で答えるだけ、学生の本気度が露わに
もはや対面式だけが、面接ではない。近年、企業の特徴を活かしたり、話題性のあるテーマを取り入れるなど「採用活動」の多様化が進んでいる。そんな中、保険流通事業を行うフィナンシャル・エージェンシーは4月5日、新卒採用で「逆質問採用」を行うと発表した。
顔が見えない人にどのようにコミュニケーションを取っていくか
「逆質問採用」は、1次選考を通過した学生の中から50人程度、希望制で行われる。対面形式ではなく、「電話」を使っての選考だ。その内容は、学生から人事担当者に電話をかけ、企業の事業内容や働き方などを「逆質問」するというもの。この間、人事から学生に質問することはない。就活生は、人事の顔が見えない状態で「質問」を通して自己PRをする必要がある。
同社のメイン事業は「コンタクトセンター業務」。電話の先にいる顧客とコミュニケーションを取り、顧客が抱えている保険に関する課題を解決していく業務だ。この選考では、コミュニケーションの起点となる「質問力」に注目しているという。同社の担当者は、
「顔が見えない中でどのようにコミュニケーションを取ってくるのか、電話でどのように会話していくか、臨機応変に対応できるかを見ています」
と話す。しかし重要視しているのは、技術面だけではないという。
「知りたいのは『どうして弊社に入りたいのか』です。質問内容を聞けば、弊社のどの点に興味を持ってくれたのか、どれだけ弊社に興味を持って調べてくれたかが分かりますよね」
確かに「どんな業務内容ですか?」「従業員は何名ですか?」など調べればわかることを聞いてくる人に、意気込みは感じられない。
同社は2013年から「ユニーク採用」と称して、独自の採用方式を実施している。この「電話面接」は、2013年に行われた「ジョブクリコール採用」でも行われている。この採用は、Facebookに掲示された課題について、同社からかかってきた電話で回答するというもの。同担当者は、
「今年も説明会に来た学生の中には『ジョブクリコール採用』を知って、興味を持ってくれた人もいる。通常とは違う選考方法で学生のいろんな面を見ていきたい」
と話す。「逆質問採用」の電話面接実施期間は、4月17日から5月31日。またこの採用方式を選択しなかった学生には、通常の2次面接が実施される。