職員室はタバコ臭く、生徒は教師に殴られまくり! 今だったら完全にアウトな前世紀の学校風景
現在、子供たちが通う学校には様々な問題がつきまとっている。先日も、大阪の学校で56歳の部活顧問による、女子生徒へのセクハラが発覚したばかりだ。教諭による暴力やセクハラなどは、今の時代は大いに問題として取り沙汰されるようになった。
しかし一昔前は、こういうことは全国的に当たり前という認識に近い空気があったことを、覚えているだろうか。あえて言い切るが、かつて学校は、頭のおかしな教師の巣窟だったのだ。(文:松本ミゾレ)
「オールバックの体育教師が竹刀振り回してた」
先日「ガールズちゃんねる」に「今ならアウトー!な学校の出来事」と題されたトピックが登場した。書き込みのほとんどが教師の言動にまつわるものとなっている。一体どういう声が寄せられているのか、ちょっと一部だけを紹介していきたい。
「職員室ってすっごいタバコの煙もくもくだったよね」
「中学生の時、集会のたびに女子生徒全員前屈させられて、色物の下着を着けてないか検査が行われてた」
「オールバックの体育教師が竹刀振り回してた。あれはあれで、先生の権力だと思っていたから時代は怖いね」
「高校の部活の顧問。 殴る蹴るは当たり前。50発往復ビンタに顔踏まれたり、棒で殴られ全身痣だらけ」
ざっとこのように、一部だけでもかなりインパクトの強い声が寄せられている。今では絶対にあり得ないような言動をする教師というのは、少なくとも僕が小学生、中学生ぐらいの頃まで(90年代中盤から2000年頃まで)はそこら中にいた。
「俺は機嫌が悪いと生徒を殴ってまして~」で親も納得していた時代
僕には忘れられない教師が何人かいる。その多くは、恩人として忘れがたい存在というわけではなく「こんな大人がいるなんて」という意味である。
小学校3年の頃に担任になった、当時27歳の男性教師。普段は温厚なんだけど、とにかく生徒の贔屓が激しい男だった。クラスで一番可愛い女の子にはチヤホヤしまくる一方で、ひょうきん者のター坊という生徒に関してはいちいち癪に障るのか、しばしば暴力を振るっていた。
あるときなどは授業中に教卓の中にター坊を押し込み、他の生徒が見ている前で(正確には教卓の内側にター坊がいるので見えない)思いっきり何度も蹴りを入れて、終いには木製の教卓が壊れてしまうということがあった。ター坊は徐々に性格が悪くなり、終いにはグレてしまった。この教諭のせいであることは間違いない。
また、僕が小学校5年か6年の頃には、休み時間になると踊り場で煙草をふかす男性教師もいた。煙草を持つその手には、確実にタトゥーを消したような痕跡もあった。子供ながらに「なんて男なんだ」と絶句したものだ。
この教師、卒業式の後のホームルームで、父兄もいる中で「俺は機嫌が悪いと生徒を殴ってまして~」と発言した、とんでもない男でもあった。しかし時代が時代。この発言も笑い話で父兄たちは流してしまった。
前項で紹介した声の中に、オールバックの教師が竹刀を振り回していたというものがあったが、中学時代に僕もそういう教師と出会ったことがある。気分次第で暴力を振るうタイプではなかったが、決まりごとを破った生徒に対しては、それがたとえ秀才で通っている生徒であっても思いっきりぶっ飛ばすような教諭だった。
一方で勉強がダメダメな生徒であっても、何か光るものがあったら全力で褒めて伸ばすタイプではあった。ある意味で公正なんだけど、やっぱりオールバックで竹刀持ちというのは威圧感が半端ないので、全生徒が萎縮していた記憶がある。
暴力を振るわないだけで聖人のように見えた
もちろん、このようなとんでもない暴力教師しかいなかったのかと言えば、そういうことはない。まさに聖職者としか言いようがない素晴らしい教諭もいた。
中には問題の多い教師から暴力を振るわれている生徒を、身を挺してかばっていた教師もいて、子供心に「ああいう立派な大人になろう」と思ったものだ。なれなかったけど。
教師の本分は生徒を教え導くことで、そこの暴力が介在することがそもそもおかしいわけで、そういう意味で暴力を振るってもさほど問題にならなかった時代に、あえてそれをしない教師というのは、それだけでものすごい人格者に見えた。
もちろん今も、報じられないだけで暴力やセクハラなどの問題を抱えるダメ教師というのはいるんだろう。一方で、生徒のことを思い、生徒を愛し、かつての教え子が成人してもなお「あの先生は素晴らしかった」と思われるような教師はどれだけいるんだろうか。
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