若い女性に多い「SNS見る専クラスタ」 ツイッターで5割、「発信する情報はない」という声も
トレンダーズは6月13日、SNSで発信せず情報収集をメインに活用する「SNS”見る専”クラスタ」の実態調査の結果を発表した。
調査は4月21~26日、ツイッター・インスタグラム・フェイスブックいずれかのSNSを利用しており、閲覧頻度が週1回以上かつ発信頻度が月に1回以下の20~30代女性1000人を対象に行った。
発信しない理由1位「プライベートな情報発信に抵抗」
事前調査で各SNSを週に1回以上閲覧している女性を対象に「見る専(見る専門)クラスタ」の比率を調査したところ、ツイッターで46%、フェイスブックで77%、インスタグラムで52%存在することが分かった。SNSユーザー全体に「見る専クラスタ」は多いようだ。
見る専クラスタに発信を控える理由を聞くと、最も多かったのが「不特定多数が見るかもしれないSNS でプライベートな情報を発信することに抵抗があるから」(44%)。次いで「発信する情報が特にないから」(40%)、「情報発信をするのが面倒だから」(29%)と続く。具体的な意見としては次のようなものが出ていた。
「知られたくない相手にまで自分のプライベートをさらけ出すのに抵抗がある」(26歳)
「見るのは楽しいが、自分が自ら発信するほどの情報がない」(28歳)
SNSで発信することへの抵抗感や低い関心が「見る専クラスタ」の特徴だと考えられる。
ツイッターはニュース、フェイスブックは料理、インスタは美容で使い分け
実際、見る専クラスタはSNSでどのような情報を収集しているのだろうか。調査によるといずれも「知人」「芸能人」の近況といった個人情報が目立っている。しかしそれらに次いでツイッターでは「ニュース」(31%)、フェイスブックでは「料理のための情報」(28%)、インスタグラムでは「美しくなるための情報」(44%)が収集されていた。
また「情報収集」から「商品購入」にいたるSNS活用経路を調べると、SNS をきっかけに「物を買ったり、イベントに参加したりした経験がある」と答えた人は65%にのぼる。
新商品や新サービスを購入するきっかけになると思うのは「友人や知人のオススメ投稿」(49%)、「芸能人・著名人のオススメ投稿」(34%)が大きく力を持つようだ。一方で、「企業公式アカウントの投稿」(24%)や、「ニュースメディアアカウントの記事投稿」(14%)の影響力も無視できないだろう。
見る専クラスタの購買意欲がわく投稿は「おしゃれ・かわいい・面白い『画像』」(54%)に次いで、「コスパのよさや時短術など『生活に役立つこと』」(50%)、「使い方などを紹介する『動画』」(33%)が続く。目をひきやすいビジュアルが心に刺さるというのももっともだが、「お得な情報」を強く求める生活者としての堅実さもうかがえる。
同社は「情報過多時代のSNS マーケティングにおいては、姿の見えにくい『見る専クラスタ』たちの心に的確に響く情報設計を行うことが重要」としている。