「善人」が会社を滅ぼし、「悪人」が会社を伸ばす――会社に必要な人材を見極める重要ポイント

心理学に「社会的望ましさ」という言葉があります。これは人には社会的に望ましい自分を演じる傾向があることを指摘するときに使われます。たとえば社会調査において、回答者は調査員に対し、収入や学歴、友人の数を高めに答えたがり、年齢や飲酒の量、偏見の度合いを低めに答えたがる傾向にあります。

職場においても、上司として部下として、あるいは人間として、好かれたい、ほめられたい、慕われたい、尊敬されたいなどと考えながら動く人が多いことでしょう。こう見ると「社会的望ましさ」自体は悪いことではないようにも思えます。(文:人材研究所代表・曽和利光)

組織に悪い結果をもたらす利己的な「善人」

問題は、社会的望ましさの追求が目的化し、果たすべき役割よりも優先されてしまうことです。社会的望ましさ志向の強い人の行動は、一見すると「利他的」な態度に見えます。しかしその実態は自分の利益しか考えていない「利己的」な場合も少なくありません。

善人に越したことはないと思いがちだが…

善人に越したことはないと思いがちだが…