会社の「悪貨」に「良貨」を駆逐されない方法 「真実の光」で職場を照らすしかない

「悪貨は良貨を駆逐する(Bad money drives out good.)」とは経済学の法則の一つで、名目上の価値が等しく、実質上の価値が異なる貨幣が同時に流通すると、良貨はしまい込まれて市場から姿を消し、悪貨だけが流通することを意味する言葉です。

これが転じて、現在では「悪がはびこると善が滅びる」とか、「一部に悪いものがあれば全体が悪いものとみなされてしまう」という意味で使われることが多いようです。これは職場においても起こる現象です。

職場にネガティブな考え方や捉え方が発生すると、どんどんそれに感染してネガティブになる人が増えていくことがよくあります。今回は、組織や職場に発生した「悪貨」を放置すると、「良貨」まで駆逐されて組織が腐敗するメカニズムについて考えてみます。(文:人材研究所代表・曽和利光)

目に見えない組織は「心理的な存在」である

組織とは目に見えないものです。会社において営んでいる事業や商品・サービス、そこにいる社員、人間は客観的な存在ですが、組織はそうではありません。

組織図という骨組みぐらいは書けたとしても、その本質である文化や風土などは、経営者から一般社員までそれぞれの頭や心の中にあるものです。組織には、そこに関係する人の数だけの「心理的な真実」があるというわけです。