受付嬢ロボットがいる「変なホテル東京 銀座」で接客されてみた スタッフは「夜にロビーで出会うとリアルすぎて驚く」 | キャリコネニュース
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受付嬢ロボットがいる「変なホテル東京 銀座」で接客されてみた スタッフは「夜にロビーで出会うとリアルすぎて驚く」

「人間とロボットの共存」。SFの世界に思えるが、そんな未来はすぐそこのようだ。2月、東京都中央区に「変なホテル東京 銀座」がオープンした。東日本で初めて受付に人型ロボットを採用したホテルだという。

日本能率協会の調査によると、「人工知能・ロボット技術が進むことを不安に思う」と回答した人は53.1%。うち3割は「自分の仕事を奪われる」と感じている。そんな中、”ロボット従業員”はどのように働いているのだろうか。キャリコネニュースは実際に確かめてみた。

ハーフタレント風の顔立ちをした女性ロボットが深々とお辞儀

外観はシンプルでオシャレだが……

外観はシンプルでオシャレだが……

「変なホテル」は最新設備を導入し、生産性の向上性を目指したホテルで2015年に長崎のハウステンボスで1号棟が開業。銀座店は全国で5棟目となる。東京メトロ有楽町線・新富町駅から徒歩2分で、築地や銀座なども徒歩圏内だ。

外見はシンプルかつシックな建物だ。しかし一歩中へ入るとBGMに混じって「キュイ、キュキュイ……」と機械が動く音がする。記者が訪れた平日14時頃は、フロントで1人のホテルスタッフと、2体の人型ロボットが対応にあたっていた。

対応してくれたロボット。身長167センチの記者で少し見上げる程度だった。

対応してくれたロボット。身長167センチの記者で少し見上げる程度だった。

カードに個人情報を記入し(タブレット入力の店舗もあり)、登録を済ませてロボット従業員の前に立つと、

「いらっしゃいませ、変なホテルへようこそ。精算機で手続きをしてください」

と声をかけてくれた。彼女たちは日本語の他、英語・中国語・韓国語も話せるという。顔立ちは少しハーフタレントのようにも見える。瞬きやこちらを見るなど普通の人間の仕草をしているが、違和感があるのは否めない。

事前に料金等が確認できる。

事前に料金等が確認できる。

タッチパネルの「チェックイン」に触れると、宿泊料金が確認でき、カード式のルームキーと領収書が発行される。

カードキーと領収書がすぐに発行される。

カードキーと領収書がすぐに発行される。

そして、ロボットが

「以上でチェックインは完了です。快適なホテルライフをお楽しみください」

といい、お辞儀をした。

お辞儀するとき、目を瞑るのが可愛い。

お辞儀するとき、目を瞑るのが可愛い。

ロボットとの触れ合いはこれだけだったが、これならスッピンでチェックインしても大丈夫だろう。人が少ないとセキュリティ面が不安だが、エレベーター利用時にはルームキーが必要なので心配は要らないようだ。

ロボット導入で約100室のホテルを2~3人で回すことが可能に

名前はまだついておらず、今後SNS等で募集する予定だ。

名前はまだついておらず、今後SNS等で募集する予定だ。

しかしなぜ、受付にロボットを採用したのだろう。同ホテルのマネージャー・中村考宏さんは

「『変なホテル』は楽しくて快適なホテルライフを過ごしてもらおうという所から始まっています。その中で、ロボットに任せられるところは任せて生産性を高めていこうとなりました」

と話す。ちなみに同ホテルでは受付の他、空気清浄、床掃除、窓拭きロボットもおり、常時計14体が働いている。一方、ホテルスタッフの業務は宿泊客の予約管理をはじめ、安全管理、チェックインのフォロー、メールの確認、電話対応などだ。

「この規模だとレセプションがあったり人事がいたりと通常20~30人程度は必要です。当ホテルはロボットの他、備品も扱いやすく軽いものを導入しているので、7人のスタッフで構成しており、常時2~3人で運営しています。人・ロボット両方のサービスを楽しんでいただければと思っています」

ただ、このロボットの”同僚”について中村さんは「夜にロビーを歩いていると、分かってはいるものの、リアルすぎて驚いてしまうことがありますね」といい、宿泊客やロボットを見に来た人からも同じ声が上がっているという。

「でも同僚としては、休みが必要ないし病気もしない。初期費用は掛かりますが、人件費と比べたら安いです。相当な削減になっていると思います。ロボットにモデルはいないんですが、純日本人風ではなく、訪日旅行者の利用も見込んで多国籍な顔立ちに、とお願いしました」

立地上ビジネスでの利用を見込み、98室中61室がシングルだ。また利用客の3~4割が訪日旅行者で、他店と比べ割合が高いという。2月の稼働率は8.5~9割で、中村さんは「日によりますが直近の予約は難しい状況です」と話す。

室内にもロボット!? 全室にエアコンがつけられるスマホ、クリーニング機設置

広々としたツインの部屋は9000円から。

広々としたツインの部屋は9000円から。

同ホテルは室内にも、宿泊客の生産性を上げる工夫がされていた。記者が案内されたのはツインの部屋で広々としており、中央には4Kテレビが置かれている。他ホテルにはない特徴としては、全室に最新家電が付帯していることだろう。

アメニティのスマホでリモコン操作も可能。

アメニティのスマホでリモコン操作も可能。

アメニティとして置かれているスマートフォン「handy」は、通話料無料で国内外問わず自由に電話でき、宿泊中は持ち出し可能。また、テレビ・エアコン・ライトのリモコンとしても機能する。部屋には普通にそれぞれのリモコンもあるが、中村さんは、

「あくまで一つの理由なのですが、ビジネスのお客様の中には寝転がって仕事をする人もいます。そのときに何個も脇にリモコンがあると邪魔ですよね」

と説明していた。handyにはグーグルの「Chromecast」が入っており、スマホの動画や写真を4K・49型のテレビで観ることもできる。

扉の内側にはズボンプレッサーも。

扉の内側にはズボンプレッサーも。

また衣服のシワやニオイ、花粉やダニまで除去するクローゼット型クリーニング機「LGスタイラー」も各部屋にあり、クリーニングに出す手間も省けると人気だ。

気軽に楽しめるレストラン&バーも(公式サイトより)

気軽に楽しめるレストラン&バーも(公式サイトより)

またレストラン「PAYTO」では朝食・夕食で利用できる他、夜は300種類以上のお酒がワンコインから楽しめるバーにもなる。こちらのスタッフは人間だが、同ホテルではロボットが共存する近未来を垣間見た気がした。デラックスシングルルームは1泊7000円から。

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