8億人が失業するAI時代の「安全な職種」「危険な職種」 勝間和代が「テクノロジー失業」を解説
経済評論家の勝間和代さんが2月27日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演し、「テクノロジー失業」を解説。危険が高い職種をランキング形式で発表した。
テクノロジー失業とは、ロボットやAIなどテクノロジーの発展により、人間の労働が機械に奪われること。米コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーの報告書は、
「ロボットや自動化の波は今後13年間で経済に大規模な変革をもたらし、2030年までに最大で8億人の雇用が失われるだろう」
と予測している。(文:okei)
パイロットがタクシードライバー並みの給料に?
気になるのが、どんな職種が無くなっていくかということだ。勝間さんは人気の高い職業を「危険度レベル」5段階で評価、独自の見方を説明した。危険度が高い順から、次の通りとなる。
危険度5:パイロット、税理士、タクシー運転手、秘書
危険度4:医者、教師、コック
危険度3:弁護士、花屋さん
危険度2:スポーツ選手、美容師
危険度1:キャバ嬢、グルメレポーター
一番危険度が高いのは「パイロット」。勝間さんは「パイロットという仕事は無くならないですけれど」としつつ、
「恐らくトラックやタクシーの運転手と同じくらい簡単な仕事になってしまう可能性が高いです。(中略)年収もその方たちが貰っている程度に落ちる可能性があります」
と明言。やはり自動運転の台頭を指しているのだろう。
「タクシーの運転手はもっとすごくて、ボタンを押すと行っちゃうので、それこそアルバイトでじゅうぶん、下手したら無人になってくる」
税理士も、定型的な仕事は伝票を入れると帳簿まで出来て、チェックする人しか残らないという。「節税プログラムも作られると思います」と冷静に付け加えた。
危険度4の「医者、教師、コック」は、「今まで経験が生きる仕事だったが、経験分もAIが代替する」と酷なことを言う。診断や料理はAI・機械のほうが正確で上手くできる可能性があるといい、
「教師も、優秀な教師のビデオを配っちゃえば終わりなので。そうやってどんどん代替が始まってきます」
と持論を語った。
立花胡桃さんが「寂しい」「AIじゃ不良は抑えられないのでは?」と問うと、「一部だけしか残らない。一般的な大人しい生徒だったらいいじゃないってことになっちゃいますよね」と答えていた。
キャバ嬢は安泰?オススメは「精神の健康をケアする仕事」
危険度2は「スポーツ選手、美容師」だが、その理由は、AIはまだまだ「動作」が苦手だから。「スポーツはAIにやらせたら全然面白くない」「美容師も色々気を使わなくてはならない」とのことだ。
そして、危険度が一番低いのが「キャバ嬢、グルメレポーター」だ。これらの仕事は「性欲・食欲のエキスパート」だといい、「AIは性欲も食欲もない」ので代替が難しい。ただ、キャバ嬢に関しては「2次元との争いは厳しくなる」「アニメのほうが優しくて安いので、そっちのほうがいいとなる可能性は高い」と指摘していた。
今後「生き残る職業」に関しては、「AI、WEB技術者」と挙げた。ただ、「100人に1人くらいでいい」としている。次が「清掃員」だといい、掃除してくれるAIに溜まったホコリを取る人間が必要だという。
また、「不妊治療医、抗加齢治療医」といった「お金持ちの、より高度な欲」をかなえる仕事も生き残るという。
いかにAIと仲良くして、仕事にしがみつくか
ただ、一般的に子どもに勧めるのなら、「精神科医」がいいそうだ。今後は経済的な困難を抱える人が増え、とにかく精神が一番問題になってくる。勝間さんは
「精神的な健康をケアしなければならない職業のニーズというのが、この先残念ながら爆発的に増えてきます」
と結んだ。都市伝説みたいな話だが、確かにその通りかもしれない。
まとめとして、「テクノロジー失業をなめるな・危険」とフリップを掲げ、「2030年よりもっと手前に来ます」と大失業時代を予測。
「5年後10年後に、気付いたら自分の仕事が無いということになりますので、いかにAIやテクノロジーと仲良くして、自分の仕事にしがみつくかというのが大事です」
とアドバイスしていた。