働き方改革で「働き方が変わった」人は2割のみ 「業務量が多すぎる」「定時で帰る人の分まで仕事する」 | キャリコネニュース
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働き方改革で「働き方が変わった」人は2割のみ 「業務量が多すぎる」「定時で帰る人の分まで仕事する」

一億総活躍社会の実現のため、安倍内閣が掲げた「働き方改革」。長時間労働の是正などに取り組む企業は多いが、実際の労働現場ではどの程度「改革」された実感があるのだろう。

3月14日、エン・ジャパンは転職支援サービスサイト『エン転職』のユーザーを対象にした「働き方改革」についてのアンケート結果を発表した。

「働き方は変わった」と感じる人は22%に留まり、「変わらない」との回答は51%という結果となった。調査は2月1日~25日、インターネットで行ない、有効回答数は6,768名となっている。(文:okei)

「残業が出来なくなり、家での仕事が増えた」人も

働き方改革で自分の働き方は変わったか?

働き方改革で自分の働き方は変わったか?

まず、今いる会社が「働き方改革に取り組んでいる」と回答した人は43%。企業規模が大きくなるほど取り組み率は上がった。企業規模が100ninn 以下では27%、1001人以上では66%にのぼる。

「会社の働き方改革に対する取り組みで、あなたの働き方は変わりましたか?」と聞いたところ、「変わった」が22%、「変わらない」が51%という結果になった(その他は「どちらとも言えない」27%)。半数以上が「変わらない」という感想だ。企業規模による大きな差はなかった。

「変わった」とした人からは、「長時間労働の見直しにより、部署の雰囲気および自身の仕事に対する姿勢がより効率的になった。また、周りの残業状況を気にせずに退勤しやすくなり、プライベートの予定を立てやすくなった」(26歳女性、101~300名の企業)などと喜ぶ声がある。

一方で、こんな本末転倒状態の人もいる。

「会社の新たな政策にのっとって、まるで公務員のように必ず定時上がりをする社員の分まで仕事をしなければいけなくなった。残業時間もさらに増えている」(30歳男性、100名以下の企業)
「残業が出来なくなり、家での仕事が増えた」(38歳男性、1001名以上の企業)

言葉だけは冷静だが、かなり憤りを感じる。彼らは、ある意味で「変わった」が、決して良い方向には変わっていない。

変わらない理由「取り組みが実態に合っていない」「仕事量が多い」

では、どういった理由で「働き方改革」が良い方向に変わらないのか。会社の取組みの中で、働き方が「変わらない」「どちらとも言えない」とした人が挙げた理由は、次の通りだ。

第1位「制度や仕組みが、現場の実態に合っていないため」(48%)
第2位「担当している仕事の量が多いため」(39%)
第3位「できた制度や仕組みを実際に使う機会がないため」(31%)

やはり業務量に対して人手が足りず、上層部との温度差があるという印象だ。こんな声が上がっている。

「残業を無くすということだけを強調するだけで、業務分担の見直しや効率化のための仕組み作りなどを実施していない」(29歳男性、1001名以上の企業)
「本社は取り組まれているが、現場では人員不足や業務負担が大きいのが実状で、浸透するには時間を要すると感じるし難しいと思う」(30歳女性、301~500名の企業)

あまり水を差したくはないが、理想と現実がかけ離れていて、しわ寄せを被る人が少なからずいるようだ。

その他、「働き方改革で個人ができること」という質問で1番多かったのが「仕事の進め方や取り組み方を工夫していく」(56%)という回答だった。もちろん個人の努力も大切だが、まずは上層部が組織的に業務量と人員配置を見直して、無理のないやり方で改革を進めてもらいたいものだ。

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