子どもの自己肯定感、親が「努力すればたいていのことはできる」と思っているほど高いことが判明
ベネッセホールディングスは5月31日、「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」の結果を発表した。調査は2015年から2017年にかけて実施。小学1年生~高校3年生の子どもと保護者(小1~3年生は保護者のみ回答)から得た回答を東京大学社会科学研究所とベネッセコーポレーションが分析した。
小4~高3生に「自分のいいところが何かを言うことができるか」と聞くと、「言うことができる」が55.3%で、「できない」が43.4%となった。
現在「成績が上位」「勉強が好き」な子どもは自己肯定感が高い傾向
過去2年間の自己肯定感の変化について、「ずっと肯定」だと回答した人は、小6(小4→小6の変化)が34.6%、中3生(中1~3の変化)が29%、高3生(高1~3の変化)が29.4%となった。また「否定→肯定」「肯定→否定」など自己肯定感が変化した人は小中高、どの段階でも5割程度いた。
現在自己肯定感の高い人(「ずっと肯定的」と「否定→肯定」の合計)の割合を過去2年間の成績の変化別に見ていくと、成績が「ずっと上位」の人では60.4%。「下位→上位・中位に上昇」51.2%となった。
一方、「上位→中位・下位に低下」だと45.2%、「ずっと下位」は合計38.4%と低くなっている。現在の成績が自己肯定感に影響しているようだ。
勉強の好き嫌い別に見ると、現在勉強が好きな人では自己肯定感の高い人が5割以上になのに対し、嫌いな人では4割程度。将来の目標も、明確となっている人では6割程度が現在自己肯定感が高いと回答しているが、不明瞭な人では3~4割となっている。
肯定感を高めるには「子どもが意識を変えていけるような動機づけ」を作ること
クラスへの愛着と自己肯定感を見ると、「ずっと好き」と回答した人では現在自己肯定感が高い人が54.2%。「嫌い→好き」も43.5%と高い一方、「好き→嫌い」(35.1%)、「ずっと嫌い」(24.5%)は自己肯定感が低い傾向がある。
また保護者が「努力すればたいていのことはできる」と思っているほど子どもの自己肯定感が高く、「肯定」の比率は「とてもそう思う」では60.5%、「まったくそう思わない」では44.7%となっていた。
調査元は、自己肯定感が2年間で変化している子どもが約半数いることを挙げ、「子どもたちが『自己肯定感』を持ち続けることの難しさとともに、子どもたちは、何かの理由で自己肯定感を持ち、高めることができる可能性を示しています」と説明。
子どもの自己肯定感を高めるためには「子どもが意識を変えていけるような動機づけ」「将来について考えるきっかけや経験の場などを作ること」などの機会を作ることが重要だという。
またクラスや友だち関係、保護者の意識も子どもに影響するため「子どもが自分を肯定的に受け入れるためには、周囲の人間関係が重要であると考えられます」と説明している。