キツイ仕事をしたくないなら、外国人に働きに来てもらった方がいいと思う理由
いま、外食産業の人材不足は非常に厳しい状況になっています。その背景には「若年層の人口減少」と「若者がキツイ仕事をしたがらない」という2つの要因があるように思えます。これは将来、解決するどころか一層進んでいくことでしょう。
一方で、外食産業にはすでに外国人労働者が数多く関わり始めています。彼らは「面倒臭かったらバックレればいいんだ」という責任感のない日本人アルバイトよりも、ずっと真面目に働いてくれています。(文:ナイン)
仕事のない国の人は真面目に働いてくれる
以前、ネパールから来ている20代前半の留学生の男性に、彼の国の仕事の話を聞いたことがあります。彼はこう話していました。
「ネパールでは、ただの皿洗いの仕事で、募集1人に対して50人くらい応募あります。だから、ネパールでは仕事探しが簡単ではないです。それに比べたら日本では選ばなければ仕事はいくらでもありますし、ネパールよりずっと環境も給料もいいです」
ただの皿洗いに50人来るなんて、今の日本の飲食業界が知ったら、さぞ羨ましい状況でしょう。このような背景がある国から来ているので、私が知る限り、彼らはみんな本当に真面目で仕事に手を抜きません。
一方、日本人は「アルバイトは所詮アルバイト」という変な割り切り観念があり、何かミスをしても「どうせバイトだし」という気持ちが見え隠れしているな、と思う事がありました。以前の私の記事でも、お茶をお客にこぼし、注意されても笑って流すという反省の色がない学生の例を紹介しました。
ワタミでも、シフトに入っているにもかかわらず連絡もなく、いきなり職場に来なくなり辞める社員やアルバイトがいました。これをワタミでは「バックレる」と呼んでいました。しかし外国人のバックレは、見たことも聞いたこともありませんでした。
日本人は「アルバイトでも仕事は仕事。しっかり働かないと」という気持ちは薄い様に感じます。だから「最近の若いもんは」などと言われてしまうのかもしれません。
日本人アルバイトに「バックレるな」と要求してもムリ
とはいえ、これだけ社会が豊かな状況で、安い賃金でも責任感を持って働くべきだ、というモラールを回復させようとしても難しいとしか思えません。日本人アルバイトに「バックレるな」と要求してもムリなのです。であればいっそのこと、真面目な外国人労働者にどんどん来てもらった方がいいのではないでしょうか。
日本には、まだまだ外国人に対し、偏見があるように思えます。例えばモデルの梅宮アンナさんやタレントのざわちんさんも、ハーフという理由で子供のころにいじめられた経験がある、とテレビで話していました。
私自身「日本人だから、外国人だから」と一括りにするのは好きではないですが、日本人には外国人に対する偏見の目がまだまだあるので、これはなくなって欲しいと思っています。キツイ仕事はしたくない、でも外国人には来て欲しくない――。こんな考えはおかしくないでしょうか。
少子高齢化問題から、国会で「日本で移民を受け入れるべきか」という議論が出始め、これから外国人が珍しくない時代になるでしょう。おそらく政策的に移民受け入れを推進するまでもなく、生産人口の減少をカバーするために外国人労働者は自然に増えていくことと思います。
これを聞いて快く思わない人もいるかもしれませんが、偏見のある人ほど外国の方と一緒に働いてみてほしいと思います。今まであなたが知らなかった外国人の一面を見て、考え方が変わるかもしれませんよ。
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