ブラック校則より「守ることにこだわらない校則を作ろう」若新雄純氏が提言「守る・破る理由を子どもに考えさせることが大事」
「下着の色は白」「ポーニーテールは男子を欲情させるから禁止」「日焼け止めは禁止」などの「ブラック校則」は、かねてから存在する。ツイッターでは現在、こうした校則の事例をハッシュタグ「先生に届け」と共に呟く人が多く見られる。
8月30日に放送された『モーニングCROSS』(MX系)では、この「ブラック校則」問題について取り上げた。出演していた慶應大学特任准教授の若新雄純氏は、「守ることにこだわらない校則を作ろう」と持論を展開した。(文:石川祐介)
「今の校則は守ることにこだわり過ぎ、柔軟さを失っている」
若新氏は、「色んなブラックなニュース見てると、守らせることにこだわり過ぎている」と指摘する。
「先生の『守らなければならない』という過剰な正義感で柔軟さを失っている。校則はガイドラインっていうか、法律や条例にはならないけど、こういう基準で考えてみましょうみたいな。問題や対立が起きた時に尊重しようというのがいい」
と、校則の位置付けを変えるべきだと提案した。
ガイドラインのような緩い校則を設ければ、守る派と破る派が出てくる。その時、先生がチェックして罰則を与える形でないなら、両者が「そもそもこの決まりはなぜあるんだろう、なぜ破るんだろう、と考えるきっかけになる」と指摘した。
現在の校則制度では、破る側はレッテルが貼られ、「それ以上『なぜ破っているのか?』とか『なぜ守ろうとしないのか?』とかの議論にならず終わってしまう」とも指摘。ガイドライン的校則の良さは、そこから一歩踏み込み、守るか守らないかを本人が考える余地を生み出すところにあるようだ。
「ルールを守る破るの対立ではなく、ルールを考え続けられる人を育てるべき」
「なぜ規則を破る人がいるのか」「なぜ守る人がいるのか」などを考えることは、主体的に物事を考えるきっかけになる。若新氏は、こうした思考は今後の社会でとても大切になるとも話す。
「これからの社会は、いかにルールを守るかではなくて、どうルールを作り変えていくかが求められる。守る破るの対立というよりは、相互作用ができるガイドラインとして設けて、先生が守らせることを止めると。ルールを考え続けられる人を育てていくべき」
「この校則はなぜあるのか?」「こういった校則があれば生活しやすくなるかも」といった議論のきっかけを作るのが、理想的な校則と言えるのかもしれない。