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米国で「おうちにいるパパ」増加中 背景に「専業主夫志向」の高まり?

米国では外で仕事をせず「おうちにいるパパ」(Stay-at-Home Dads)の数が増えているそうです。米シンクタンクのピューリサーチセンターの調査によると、1989年には110万人だったのが、2012年は200万人と倍近くになっています。

その背景には、もちろん不況で仕事がみつからなかったり、病気で働けなかったりする父親もいますが、意外なことに「子どもの面倒を見るために」仕事をしていない父親の方が大幅に増えているというのです。(文:沢水 蛍)

「家族の世話」を理由に外で働かない父親が7.6倍に

出典:ピューリサーチセンター

出典:ピューリサーチセンター

調査は米国の18歳から69歳の男性のうち、18歳以下の子どもを持ち、外で仕事をしていない父親を対象に実施しました。

調査結果のグラフを比較すると、家にいる父親の理由では「病気や障害」が2012年で35%と最も多いものの、1989年の56%から21ポイントも減っています。また「仕事がみつからない」という人は、15%から23%と微増しています。

一方で、1989年には5%しかいなかった「家族の世話」を理由にする人は、2012年には21%に増え、単純計算で5.5万人から42万人まで7.6倍に増加しています。

専業主夫が増えた理由は、調査結果にはっきりとは書かれていません。米国世帯の4分の1が「妻の方が高収入」になっていることから、母親が外で働いた方がいいと判断している可能性もあります。

ただし、ピューリサーチセンターの2012年の調査では、働く親の約半数(母親の52%、父親の48%)が「収入を気にしなくていいのなら家で子供の面倒を見たい」と答えており、家族で過ごす時間を第一に考える父親が増えたことも背景にありそうです。

なお同じ調査では、18歳以下の子どもがいる家庭の働いている母親で「家事と仕事の両立は難しい」と考えている人が56%おり、父親でも50%を占めています。

一方で日本では、総務省の調査によると「共働き夫婦の世帯」(非農林業)は2013年で36.3%を占め、2003年からの10年間で3.9ポイント上昇しています。生産人口の減少を食い止めるために女性の社会進出をさらに進める動きがありますが、育児を含めた「家事と仕事の両立」をいかに可能にするかという課題は残るのではないでしょうか。

(参考)Growing Number of Dads Home with the Kids (Pew Reseach Center)

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