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自分が変われば、周りが変わる。内省型の彼女が自ら選んで歩んだ道をたどって

営業職として社会人スタートを切り、現在はチームマネージャーとして業務に励む丹沢宏美

営業職として社会人スタートを切り、現在はチームマネージャーとして業務に励む丹沢宏美

新人5名のマネジメントを行ないながらも、コンペに出れば勝率7割。スマートデバイスセールス部の丹沢宏美(2013年新卒)は、周りからも一目置かれるセールスパーソン。そんな丹沢が成績のみならず、人柄までも評価される人材に成長できたプロセスをご紹介します。【talentbookで読む】

「調子に乗っていた」新卒2年目 好成績にも関わらず厳しい指導を受け反発したことも

大学の講義を通じて広告に興味をもったという丹沢は、内定者アルバイトを経て、オプトに入社。営業職として社会人のスタートを切りました。

「石の上にも三年」のことわざのとおり、まずは与えられた仕事にしっかり向き合うと決めていた丹沢は、とにかくがむしゃらに業務に打ち込んだと話します。

丹沢 「自分の考えや希望を語るのは、仕事ができるようになってから。社内に自分の席が常に用意されているほど社会人は甘くはないと考えていたので、先輩の背中を見て必死に仕事を覚えました。

幸い、目標にたどり着くためのプロセスを考えるのは、子どものころから得意なほう。『D評価をCに上げる。このCを、今度はBにする』という過程も大好きなんです。

なので、目標さえ定まれば、あとは行動あるのみ。自ら決断して実行できる自分の性分が営業という仕事にピタリとはまりました」

その姿勢と努力は、入社2年目にして早くも報われます。2015年当時、月間の売上でこれくらい達成すれば大したものという社内認識がある数字を、丹沢はぐんぐんと売上を伸ばし、その2倍の数字を超える月も出てくるほどコンスタンスに成績を収められるようになったのです。

丹沢 「このころは、調子に乗っていましたね。『自分ってできるじゃん』くらいに思っていました」

しかし、そんな丹沢の鼻っ柱をへし折る人物が現れます。直属の上司にあたるマネージャーです。

丹沢 「それはそれは、厳しくご指導いただきました(笑)。マネージャーは仕事に150%打ち込む人間で、同じ姿勢をわたしも求められました。でも、わたしの心中は、『結果も出しているし、100%やるのでさえも大変なのに、なぜそこまで』っていう不満でいっぱい。

とうとう我慢しきれず、マネージャーの上司である部長に『マネージャーは、厳しさが過ぎます。これ以上は無理なので、上司を代えてください』と、直談判するほどでした。

でも、ふたりの間の緩衝材になってくれるはずというわたしの期待とは裏腹に、部長から返ってきたのは、さらなる厳しい言葉でした」

「足りないものを埋めたい」 チーム内で自分を評価してもらうためのアンケートを実施

丹沢が担当するクライアントチームでは週次ミーティングを行い目指すゴールのすり合わせを行っている

丹沢が担当するクライアントチームでは週次ミーティングを行い目指すゴールのすり合わせを行っている

「マネージャーの方針どおりにやるのか、やらないのかは、マネージャーの要望に100%応えられるようになってから選べ」

思いもかけない部長からの強い言葉。しかし、丹沢は反発心をより強くすることはなく、冷静に受け止められたと振り返ります。

丹沢 「部長からの言葉が自分を省みるきっかけになりました。今までの成績は、すべて自分の力だけによるものかといったら、決してそうではない。マネージャーや部長に支えられて獲得できたコンペもあれば、たまたま引き継いだお客様の予算が増えたという偶発的なものもありました。

マネージャーも部長もそれを織り込んでいたんですよね。そのうえで、わたしが『100%の実力だ』とあぐらをかいているのなら、まだ伸びしろはあるだろうと。

だからこそ、150%を目指せって言っているのかなと考えはじめたら、それまでの反発心がすうっと消えて、今度はわたしに足りていない50%を埋める努力をしよう、マネージャーと部長に認めてもらおうという思いが湧いてきました」

「自分に足りないものを埋めたい」。そう願った丹沢がまず着手したのは、自分を評価してもらうためのアンケートを作成することでした。

丹沢 「目標は、マネージャーの100%を目指すことに設定しました。それに対して、いまの自分に足りないことを課題として洗い出すと同時に、マネージャーにもヒアリングさせてもらいました。

次に、それらを達成するための具体的なアクションをシートに落とし込み、マネージャーやチームメンバーに5段階で自分を評価してもらうようお願いして回りました」

丹沢がアンケートという手法を使ったのには、ふたつの理由があると話します。

丹沢 「ひとつは、定性的なことを定量的に測るため。営業の定量は売上なので分かりやすいのですが、定性は『できたか、できていないか』と曖昧で。Aのクライアントでは『できた』けれども、Bでは『できていない』場合、どう測定しようかと悩みたくなかったので、定量的にしようと考えました。

もうひとつは、自分で自分を評価することは難しいこと。いろいろな人から評価を受け、それらを点数化するほうが自分も納得できると思ったんです」

「抱え込まず人を頼る」「何をするにも綿密な準備」 意識や行動の変化で好循環に

2017年上期、準MVP受賞の様子

2017年上期、準MVP受賞の様子

こうして、リスタートを切った丹沢。その瞬間はとても清々しかったと回想します。

丹沢 「吹っ切れた感じがありました。それまでは周囲からの期待のすべてに応えようとしていましたが、以降は、目標であるマネージャーの100%を目指すことだけに専念しました」

目の前の目標を達成することだけに集中する。丹沢の意識が変わった瞬間です。

意識が変わると、次は行動が変わります。

丹沢 「何をやるにしても準備をしっかりするようになりました。たとえばミーティングも、目的を明確にするために資料をつくり、『この流れでやろう』『これは相談しよう』というシミュレーションをするように。これは、マネージャーが行なっていることのひとつです。

それから、ミーティング前のアイスブレイクも意識して行なうことで、コミュニケーションの濃度が一気に上がり、仕事が進みやすくなりました」

一番大きく変わったのは、人に仕事を任せられるようになったことだと話します。

丹沢 「それまでは、すべての責任は自分にあるくらいに気負っていたんです。しかし、メディア運用やクリエイティブなどに関してはプロである担当者がいるので、自分で抱え込まず、周りをどんどん頼っていくようにしたらリスタートを切る前よりも、自分に余裕が生まれました。

マネージャーへの報連相を綿密に行なうようにもなり、仕事の方向性も明確になりました」

こうしたひとつずつの変化は、仕事の成果につながります。半年が経つころには、今まで以上に受注獲得が増え、いいスパイラルが生まれはじめたのです。

丹沢 「手応えは充分でした。上司のサポートを受けたプロジェクトのみならず、自分が企画・ディレクションを担当した案件でも勝てるようになったんです。

受注できたことで、チームメンバーもわたしをより信頼してくれるようになりましたし、わたし自身もチームで成し遂げたほうが大きな成果を得られるという実感が強くなりました。結果、『何でも自分で』という考えと決別できたんです」

変化がもたらしたのは、仕事の成果だけではありません。丹沢への周りの評価も大きく変わりました。

丹沢 「いままでの多面評価では、課題を指摘されることが多かったのですが、それらが『根性がある』『責任感がある』『最後までやり遂げる』という言葉に置き換わっていました。『常に頑張っている』というコメントを見たときは、特別にうれしかったです」

成長を止めずに「即実行」 人を変えるのではなく”自分”を変える

どんなときでも前に進みたいと願う気持ちは、ずっと大切にしてきた。

どんなときでも前に進みたいと願う気持ちは、ずっと大切にしてきた。

丹沢が行動に起こした、評価のギャップを埋めるための一連のプロセスとその成果は、2017年度上半期の準MVPを獲得。2018年3月にはチームマネージャーへと昇進を果たし、メンバーと共に日々業務に励んでいます。

丹沢 「マネジメントは、まだまだ試行錯誤の段階ですが、自分の物差しによる決めつけはしないと決めています。強みは伸ばし、不得手なところは協力し合うことを前提に、スタッフと向き合っています」

人を変えようとするのではなく、あくまでも自分が変わる。丹沢が実践してきたことが、マネジメントでも生かされていることがうかがえます。

そんな丹沢ですが、今後は営業としてグローバルビジネスに携われるようになりたいと目標を語ります。

丹沢 「いろいろな業種のお客様が抱えるさまざまな課題と向き合い、どうすれば解決できるのかを考える営業の仕事はとても奥深く、わたしの探求心は尽きません。

海外のクライアントからの引き合いも増えつつあるので、これからは営業スキルの幅を広げるという視点からも英語のみならず、グローバルな知見を養いたい。将来は海外を飛び回れるようなビジネスパーソンになりたいです」

内面の成長によって、一回り大きくなった丹沢。その原動力は、丹沢の内省から派生する「成長意欲」にあるのかもしれません。

丹沢 「成長とは、それまでできなかったことが、できるようになることだと思っています。そんな気持ちを抱きながらも、コンペで負け続けたり、努力が報われないと感じたりする時代もありました。

ただ、わたしはそこで立ち止まって悩んでいたくはありません。『成長が止まっている』と自覚した瞬間から、どう動けばよいのかを考え、即座に実行に移す。どんなときでも前に進みたいと願う気持ちは、ずっと大切にしてきましたし、これからもそうあり続けたいと思っています」

そのためには、目指したい人物像をしっかり描くことが大事と続ける丹沢。そんな丹沢にとって、現状に甘える自分を叱咤し、常に成長を促してくれたマネージャーは、やはり誰よりも影響を受けた大きな存在のようです。

そのマネージャーをはじめとする多くの社員からは、「次は丹沢自身が、”目指したい人物” 側になるべく、さらなる成長を遂げてほしい」との期待の声が。丹沢の成長ストーリーは、ようやく二幕に入ったところのようです。

<プロフィール>
丹沢宏美(Hiromi Tanzawa)
2013年オプト新卒入社。
営業部に配属後、2016年よりスマートデバイスセールス部に異動。
2017年上期には準MVP受賞。2018年3月にはチームマネージャーに昇格。

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