部長・課長の約4割「特定の人に仕事が偏ってしまう」ことが悩み 風通しが良いと思う企業は「グーグル」「サントリー」「Apple」
日本能率協会は12月6日、「組織の活力向上に向けた取組み意識」に関する調査結果を発表した。調査は今年10月にインターネットで実施し、日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち、全国の20歳~69歳までの企業・団体に勤務する部長・次長・課長層400人から回答を得た。
「自身がマネジメントしている部や課が、現在活気があるか」を聞くと、全体では、71.8%が「活気がある」(「とても活気がある」「活気がある」「少し活気がある」の計)と回答。
役職別で比較すると、部長・次長より課長の方が、「活気がある」との回答が10.5ポイント低くなっており、職場の活気度合いをシビアに見ているのは、より現場に近い課長の方であることがわかった。
活気がない理由「失敗が許されない雰囲気がある」「学び合いができていない」
「活気がある」と答えた人に理由を聞くと、1位「困ったときに互いに助け合うから」(49.5%)、2位「互いに情報を共有したり学びあったりしているから」(39.7%)、3位「それぞれが創意工夫をしているから」(32.1%)という結果だった。
「活気がない」と答えた人に理由を聞くと、1位は同率で「他部署・外部組織との連携をせず、内向きであるから」、「失敗が許されない雰囲気があるから」(23.9%)だった。以降、「情報共有や学びあいができていないから」(22.1%)と続く。
「日頃のマネジメントの悩み」を聞くと、全体で、40.5%が「特定の人に仕事が偏ってしまう」と答え、最多だった。以降、「新しい発想・チャレンジができていない」(22.0%)、「部下が育っておらず、仕事を任せられない」(20.3%)と続く。
部下への育成指導やコミュニケーションに関すること以上に、業務をいかに偏りなく配分していくかに苦悩している様子がうかがえる。
「活気がある郡」と「活気がない郡」を比べると、「食事や飲み会など、時間外の懇親ができない」の項目では、「活気がある群」がの方がポイントが高く、「活気がある群」の部課長は、部下とのコミュニケーションについて苦慮していることがわかった。
「活気がない」と答えた部課長は「部下と雑談すること」を重視
「日頃、マネジメントをするうえで心がけていること」については、全体で、1位「責任は自分でもつこと」(32.0%)、2位「部下育成をすること」(28.5%)、3位「部下の仕事ぶりをよく見ること」(25.8%)という結果だった。
「活気がない郡」の部課長は、「活気がある郡」の部課長よりも、5ポイント以上「部下と雑談をすること」を上げていた。雑談はチームの活気にあまり貢献しないようだ。
「よりよいマネジメントをするために、自身が身に付けたい能力・資質」を聞くと、全体で、最多だったのが「コミュニケーション力」(31%)で、次いで、「統率力」「コーチングスキル」(いずれも26.5%)という結果だった。
「よりよいマネジメントをするために、部下に身に付けてほしい能力・資質」を聞くと、全体で、「チャレンジ精神」(40.3%)が最も多く、以降「積極性・主体性」(37.8%)、「コミュニケーション力」(26%)、「創造力」(24.3%)、「協調性」(24.0%)が続く。
「風通しがよいと思う企業」を聞くと、1位はAlphabet(Google)、2位ソニー、サントリー、Apple、5位ZOZO、Amazonという結果だった。