老犬を容赦なく蹴り上げる虐待動画に震撼 動物愛護法を見直して厳罰化した方がいいのでは
世の中には、悲しい事件が山のように存在している。ここ最近は我が子を虐待の末に殺した父親と、それを見過ごした母親が逮捕されるニュースが大々的に報じられたばかりである。自分よりもか弱い存在に暴力を振るうのは、最低の人間のやることだ。
被害は子供たちだけが受けているわけではない。ペットたちもまた、心無い人間によって虐待の標的となっている。(文:松本ミゾレ)
自分の愛犬は家族ではないのか? 非道な仕打ちを躾と話す飼い主に失望
2月8日ごろ、ツイッターで信じられない動画が拡散されていた。女性が飼い犬との散歩中、何度も犬を強く蹴り上げているという動画。思い出したくもないが、目にした瞬間から憤りを隠せなくなり、強い不快感に見舞われた。
僕は犬が2度蹴られ、アスファルトにへたり込んで飼い主を見上げるところまでしか見ることができなかったが、とにかくこの動画は瞬く間に多くの人々の目に留まった。
不幸中の幸いか、これが奏功して件の犬は、愛護団体の方と警察の介入によって助けられ、現在は安心できる環境に移された。
動画の反響は大きかったようで、11日の「スッキリ!」(日本テレビ)取り上げられていた。問題の元飼い主は、虐待疑惑について「躾です」と話しているというが、ペットとは家族である。家族を思いっきり何度も蹴り上げるような躾なんて、僕は恐ろしくてとても認められるものではない。
暴行に至ったきっかけは、犬が家の中でおしっこをしたことだと話していたが、虐待を受けていたラブラドールは16歳。もう年寄りで老い先も短い。この年齢になれば粗相もする。人間と同じなのだ。それを蹴り上げて、躾だなんて到底許される話ではない。
虐待しても罰則は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」
それにしても、か弱い命に、なぜ虐待行為を振るうことができるのだろうか。先日も用水路に猫を投げ込む動画を撮影していた福島県在住の31歳派遣社員が逮捕されたばかりだ。
昨年は捕獲したアライグマを赤いスプレーで塗装し、逆さ吊りにして虐待していた枚方市の大工も書類送検されている。他にも、言語に絶する虐待の事例は枚挙に暇もない。他にも、逮捕には至らないものの、残酷な仕打ちを動物に行っている動画がしばしばSNSで拡散されてくる。
こういった状況を改善するには、法の整備も必要ではないだろうか。動物愛護法というものはあるにはあるが、ほとんどまともに機能していないのが実情だ。愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりしても、罰則は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」しかない。刑が軽ければ、虐待をする人間の心に枷は出来ないのではないだろうか。動物愛護法については、見直すべき時代に差し掛かっているのではないかと強く訴えたい。
とにかく例の動画は、実に多くの人々の心にトラウマを残すものとなった。あの光景は当分目に焼きついて離れそうもない。