「夫の年収、いくらなら専業主婦でも大丈夫?」妊婦の問いかけに「都内で子ども2人だったら1000万でもキツい」と甘くない声
いつからでしょう、専業主婦に対する世間の風当たりが厳しくなったのは。厚労省の「国民生活基礎調査の概況」(2018年)を見ると、子どものいる母親が仕事をしている割合は 70.8%。じつに7割の人が働いており、数値は上昇傾向にあります。
2月26日、ガールズちゃんねるで、もうすぐ子どもが生まれるという女性が「夫の年収、いくらあれば専業主婦でも大丈夫だと思えますか?」と問いかけました。都内に暮らし子どもは2人欲しいと希望するトピ主でしたが、スレッドの回答は「都内で子ども2人だったら1000万でもキツいんじゃない?」といった、厳しめのコメントが飛び交いました。(文:篠原みつき)
「共働きしないと教育費や老後資金が危うい」将来に対する不安
コメントは1800を超え、関心の高さがうかがえます。トピ主に対する答えは、「都会、田舎とか持ち家とか子供にいくらかけるかでも全く違うよね」を始め、希望や金銭感覚の違いでなんとも言えないといった指摘が大多数です。それでも、大まかな共通認識を求めるトピ主への回答は、次のようなものでした。
「800万あればなんとか…でも余裕はないですよね?」
「子供2人なら700~800かな ただし、安定職で定年まできちっと働けて退職金がある場合ね」
「都会なら1千万以上 田舎なら600万以上」
「都内で子ども2人だったら1000万でもキツいんじゃない?」
あくまで希望・感覚的なもので、「都内ならギリギリで800万円以上、1000万円でも中学受験や私立大を考えるなら厳しい」という意見や、「共働きしないと教育費や老後資金が危うい」と将来に対する不安を掻き立てる言葉が並びます。「1600 万くらい」と倍の数字をさらっと書く人もおり、600~700万円という意見は多くの否定を食らっていました。
ちなみに、前述の厚労省資料によれば、年間の世帯所得の「分布状況」は300~400万円未満が13.8%で最も多く、中央値は442万円。「児童のいる世帯の年間所得」は739.8万円で7割ほどが仕事を持つ母親なので、多くの夫婦が共働きで740万円ほどを稼ぎ出しているという見方ができます。800万円を挙げた人が多かったのは、共働きの現状よりも少し多い額が浮かぶからでしょう。
400万でも専業できるという声もあるが…… 妊婦にさえ「働くしかない」という圧がすごい日本
一方で、そんなになくても大丈夫という声もあります。
「400でも専業できるよ、貧乏で節約しながら。逆に800でも生活水準あがるからカツカツなお宅もあるのでは」
「お金あれば越したことはないけど、400、500でやりくりやってる人たくさんいるよ。家計運営うまい人いる」
無駄遣いや贅沢をしなければ、専業主婦で暮らしていけないことはないという意見です。仕事と家事の負担を考えれば、扶養を抜けてまで無理に働くメリットを感じない人や、働きたいのに子どもを保育園に入れられず働けない人もいます。
結局、「専業主婦で大丈夫な額」は、価値観やそれぞれの事情によって違います。トピ主の世帯年収がわからないため何とも言えませんが、正しく知りたいならファイナンシャルプランナー等に助言を求めてもいいでしょう。
筆者はその道のプロではないため、多くの既婚者たちの「将来的な不安」のほうが気になります。出産間近の女性が、おそらく子どもが小さいうちは家に居て子育てしたいと考えたときに、「働かないと将来が厳しい」といった圧がかかるのです。景気は回復傾向といいながら、増え続ける税金の負担におびえ、実質所得が伸び悩む日本の姿を感じます。