行動なき自問自答は不毛。僕たちは「教育×IT×エンタメ×スポーツ」で世界を変える | キャリコネニュース
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行動なき自問自答は不毛。僕たちは「教育×IT×エンタメ×スポーツ」で世界を変える

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教育、IT、エンタメ、そしてスポーツ。あらゆる分野に携わってきた経歴を持つ、Co-Stepの創業者の林諒。会社を設立した背景には、自身の経験を踏まえて他者をサポートしたいという強い想いがありました。バラエティに富んだ経歴とサービスに込めた願いをお伝えします。【talentbookで読む】

最初の一歩を踏み出す勇気を与えるビジネスを

高校を卒業後、現役合格した青山学院大学の夜間部に通いつつ、昼間はベンチャー企業でフルタイム勤務。

卒業後に新卒で株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)に入社したあと、映画・CMなどのエンターテインメント制作を手掛ける株式会社ROBOTで働き、2014年に株式会社Co-Step(コーステップ)の立ち上げーー。

Co-Step代表取締役CEOの林諒の経歴を振り返ると、一見、まとまりや専門とする領域の一貫性がないようにも見えます。しかし、彼のなかでこの経歴は、すべて一本の線でつながっていました。

かつて大学生と会社員という二足のわらじを履いていた林。起業に対する想いは、学生時代に3年ほど働いたベンチャー企業・株式会社ガイアックスで培われました。

林 「ガイアックスは起業家を数多く創出しています。その環境にいるなかで、あくまでも起業は手段であって、ゴールではないということを感じるようになりました。

実現したい理想の姿に向かって全力で走り出そうとしたとき、その選択肢のひとつに “起業 ”というものがあるものだと思っていました」

2014年7月に、林はCo-Stepを立ち上げました。社名は英語のCourse(進路)とStep(一歩)を組み合わせ、“進路をともに+一歩踏み出すきっかけを” という意味が込められています。

そんな意味を持つ会社をつくろうと思ったきっかけは、興味を持っていた教育に携わろうと新卒入社したベネッセでの仕事でした。

林はベネッセで、高校生向けの模試や進路教材の営業・開発を通して、学校経営に不可欠な進学実績に直結する進路教育に携わってきました。

教育現場を回るなかで生徒や保護者、教師、校長と触れ合い、第三者目線で彼らが抱えている問題と向き合いつづけました。そして、ある結論に至ったのです。

林 「人生を楽しく豊かに過ごしている人は、進路(キャリア)について悩んだとき、どちらが正しいか?で選択するのではなく、どちらが楽しいか?を考えていることに気づかされました。

頭で分かっていてもなかなか踏み出せないことが多いけど、そこを勇気を出して一歩を踏み出せるかが大切だと感じたんです。

学費や一人暮らしについて、保護者の意見に左右されたり、やりたいことよりも受かる大学を選んだり、受験勉強を避けて安易に推薦AO入試を選んだり。

たとえ偏差値の高い大学に入学できたとしても、努力を怠り、先生や周囲の大人に言われた通りに、手取り足取り教わった進路選択(キャリア選択)では、人生が豊かになっていかないと感じました。

何より大切なのは、『自分で考えて自分の足で一歩ずつ踏み出していく勇気』なのではないかと。

とはいえ、一歩踏み出すのは不安で勇気がいるもの。そこで、はじめの一歩を踏み出す勇気が出せるよう、背中を押してあげられるようなサポートが必要だと感じました。

そういった体験・学びから、“進路をともに、一歩踏み出すきっかけ ”を提供できるような会社にしたいと思ったんです」

教育は教育的文脈では伝わらない。いかに魅せるか?のエンタメ性が重要

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林はベネッセで、自分の人生について考える力を身につけさせるキャリア教育の難しさも痛感しました。

林 「進路教材を使って『志望進路実現のために勉強を頑張ろう!』と真面目に教えても、生徒や保護者には伝わりません。人生はこうだとか、こういう選択をしなさいとか、教科書ってどうしても体系的になってしまうので……。

英語が好きなら翻訳家がオススメ。そんなことを教える進路教材が割と普通にあるんですが、実際は誰でもなれるような職業じゃないし、別に翻訳家でなくても英語に携われる仕事なんていくらでもありますよね。

キャリア教育は、学校現場で教えて、メッセージを伝えるのがすごく難しいと感じたんです」

そこで林が考えたのは、教育とエンタメを掛け合わせることでした。

林 「たとえば、学校を舞台にしたドラマから伝わってくるメッセージは、実際の教育現場にも通ずることばかりです。

教科書で授業をするのでは生徒の頭に入ることはありませんがそれを映像にして、俳優をキャスティングし、演出を加え、エンターテインメント化すると、真面目な教育コンテンツも社会現象を生むような人気ドラマに変わります。

真面目なメッセージでもそれをどう魅せるか?そして“心が動く”かどうかが教育には必要で、それができるのが“エンタメ”だと感じたのです」

キャリア教育のメッセージを効果的に届けて、学校教育を良くしたい。悩んでいる生徒や保護者、先生の役に立ちたい。目指す方向は、林もベネッセも一緒でした。

そのため林は、キャリア教育をITサービス化して提供する事業を考案。社内の新規事業コンテストで準優勝を獲得しました。

しかし、結局事業化には至りませんでしたーー。

林 「当たり前のことですが、新規事業を行うためにはマネタイズを考える必要があります。

事業化に向けた会議をするなかで月額課金モデルにしようという結論になったんです。ただ、マネタイズは結果論という自負があり、教育コンテンツそのものにお金を出してもらうのではなく、登録は無料で、”キャリア教育を受けたい!”とお金を払うのではなく、別の価値にお金を払った結果、その人のキャリア教育にもつながる。そんなビジネスモデルにしたかったんですよね…

それをどう説得できるかが会社員としての責任だし、説得できなかったのは完全に自分の力不足でしかないのですが……。」

目指す方向は一緒でしたが、自分の目指すキャリア教育、ビジョンを事業化するため、ベネッセを退社する決断をしました。

そして、教育にエンタメ性が必要だと実感していたことから、これまで携わる機会のなかった “モノづくり” を学ぼうと決意。

ご縁もあり、映画・CMなどのエンタメ領域の制作を手掛けるROBOTの門を叩くことができました。

また、起業ではなくフリーランスという形態でWebや映像の制作に携わることになります。

そうして、ROBOTで2~3年修行させてもらい、エンターテインメントのモノづくりを学んだのです。

華々しいアスリートの舞台裏で見えた “教育×IT×スポーツ” の可能性

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売上増加、取引相手としての信頼を高めるため、フリーランスとしての個人事業を法人化してCo-Stepの代表となった林。ベネッセで教育に携わった経験から、大人のキャリア教育に関する事業を展開しようとしていました。

当時から、教育にIT活用のエンターテインメントを掛け合わせたサービスを提供することは決まっていたものの、他にもうひとつ組み合わせたいと考えていました。そして新サービスに思考を巡らせていた頃、高校の陸上部の友人からある相談を受けたのです。

林 「相談に来たのは現在ボブスレーの日本代表選手なんですが、ボブスレー日本代表はオリンピックでメダルを獲得したことがなくて、プロはもちろん、実業団チームもなく、スポンサーがつかないので、競技だけで食べていくことが難しいんです。

だから働き口を探すんですが、1年のうち半年間はヨーロッパ遠征に行くので、半年間しか働けない。そんな条件だと、雇ってくれる会社は少ないですよね。

そこで僕が会社をやっていると知って相談に来てくれたんですが、そのときアスリートが直面している現状を実感し、危機感を覚えたんです」

たとえば林自身が学生時代に10年ほど続けていた陸上競技でも、元日本チャンピオンやオリンピック出場といった輝かしい成績を残した選手でさえ、競技を続けながら生活費を稼ぐことは難しく泣く泣く、ごく普通の会社員となっているケースがほとんどです。

学生時代のすべてである約10年、周りが遊ぶなか、ストイックに努力しつづけたにもかかわらず、その努力で得たスキルを社会ではまったく生かせない。

そのスキルが生かされることもなく普通の会社員として生活しなければいけない社会システムに対し、林は疑問を覚えました。

林 「たとえば学生時代の 10年間をストイックにデザインとコーディングの勉強を続けたら、社会ではかなり市場価値の高い人間になるはずです。それがスポーツになった瞬間にゼロになってしまうのが現状なんですよね。

これまでアスリートが積み重ねてきた努力で得たそのスキル自体を上手に生かすことで、お金に変わる仕組みをつくりたいと思いました」

そこで林は教育×IT×エンタメ×スポーツの4つを掛け合わせたサービス「spoit」を開発しました。spoitは、スポーツをより身近に感じてもらうためのスポーツ初心者向けメディアサービスと、プロはもちろん、実業団にも所属できない現役アスリートや元アスリートと、スポーツを体験したい人とをつなぐCtoCマッチングサービス(現在開発中)の2本柱。

CtoCマッチングサービスは、教える側のホスト(現役/元アスリート)は空いた時間、好きなときに、自分の得意なスポーツのスキルを生かせる “クラス” を通じて “スポーツを教える” ことでお金を得ることができ、ゲスト(受講する一般ユーザー)は月額課金制のフィットネスクラブではなく、スポーツを体験したいと思ったときに好きなだけスポットでクラスを受講する。

スマホひとつで移動中・寝る前にスポーツを知ることができ、好きなときに好きなだけスポーツを教え、学べるwin-winなサービスです。

spoitは、ただスポーツを教える・教わるというマッチング体験ではありません。

アスリートにとってはクラスを通じて、競技生活では絶対に出会えないさまざまな人(社会)と接点が持て、サポーターになるきっかけにつながるクラウドファンディングのような要素があります。

元アスリートのサラリーマンにとっては会社でまったく評価されないスキルがspoitのコミュニティでは評価されることで、会社では得られない自分らしい生きがい・喜びを発見できるかもしれません。

教える側も教わる側もスポーツを通して心身の健康につながるのです。また、家庭・会社以外のコミュニティができ、スポーツを通じてさまざまなロールモデルに触れられるきっかけが生まれ、新しいキャリア教育につなげられるという特徴があります。

林 「スポーツを通して、お互いに知りえなかったアスリートの人生や参加者(社会人)の人生に触れられます。そこで新しい発見があるし、学んだことを人生の糧にすることで人間としても成長できる。

spoitというスポーツ体験のプラットフォームを提供することで一歩踏み出すきっかけをつくり、自分のキャリア教育につなげてほしいですね」

自問自答だけでは正解は導けないーー答えはいつでも踏み出した先にある

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ガイアックスで起業に対する考えを育み、ベネッセでキャリア教育の現状を学び、そしてロボットでエンターテインメントの技術を習得。一貫性なくみえた林の経歴は、すべてCo-Stepの事業に生かされています。

林 「自分が全くやったことのないようなことにも勇気を出して、全力で取り組みつづけた結果が今なので、これまでの行動はすべてつながっています。

行動せずに後悔するより、行動した結果を反映するということをずっと心掛けていたので、事業を通じて多くの方に行動することの大切さを伝えられたらと思います」

行動によって自分の道を切り開いてきたからこそ、誰かが一歩踏み出すサポートをしてあげたい。そう考えている林ですが、実はもともと勇気を出して行動することが苦手な性格でした。

林 「平日の自宅学習時間は200分。予習・復習をして授業に臨み、終わったら部活漬け。彼女もつくらず生活のすべてを陸上にかけた高校生でした。

でも大学に入って親元から離れ、働く意味や生きる意味について自問自答しつづけた時期があったんです。毎晩目を閉じるとずーっと考えてしまって、朝まで自問自答しつづけるんです。

そんな生活を 1年間過ごして出た答えが “自問自答だけでは答えは出ない ”ということだったんです。

だから勇気を出して行動しようと思い、ベンチャー企業で働きはじめたら、一気に世界が変わったんです。“今 ”につながる第一歩ですね。

『行動なき自問自答は不毛』と社内でよく表現しますが、答えは常に踏み出した先にあるので、ある程度、勉強し、考えたあとは自分で歩いて確かめる必要があるんです」

行動しつづけた結果、すべての経験を自身の糧として仕事に生かしている林。

そんな代表が率いるCo-Stepは、これからもみなさまが一歩踏み出す勇気ときっかけを提供できるようサポートをしていきます。

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