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坂上忍がキレた「自分の仕事以外やらない米国人」 その裏にある労働観の違いとは?

朝日新聞デジタルが2月2日、「突然の降板で崖っぷちに 坂上忍さん」という記事を掲載している。まるで坂上さんが番組を降板させられたような見出しだが、内容は15年ほど前に坂上さんが監督として米国で映画制作をしていたときの話だ。

撮影1週間前、坂上さんは主演の男女2人に突然降りられてしまった。原因は分からないが、その経験を通じて「気持ちよく人に動いてもらわないとだめ」と学んだという。彼が戸惑った「ルールや文化の違い」のひとつが、現地スタッフの分業体制だ。

「同じ制作スタッフ同士なのに、(米国人は)自分の仕事の範囲ではないことはまったく手伝おうとしない。そういうことに最初はキレていたんですが、『いやいや、アメリカではそういうルールなんだ』となだめられました」

日本的な働き方では「真の能力主義」は育たない

日米の労働観はこんなに違う

日米の労働観はこんなに違う

自分の仕事ではないことは、手伝おうとしない米国人――。その背景には、どんな労働観やシステムがあるのか。海外ホテル予約サイトの「アップルワールド」には、日米の違いを分かりやすく整理したコラムが掲載されている。

筆者の奥谷啓介氏はホテルコンサルタントで、米国の一流ホテルで日本人マネージャーとして10年間勤務した経験を持つ。奥谷氏によると米国の労働システムは「分業制」を採用しており、「複数で相談しながら前に進むという状況をつくらない」という。

その理由は、複数の人間と相談しながら動く方法は「効率が悪い」から。そして、一人で自分の思うように仕事を進めた方が、時間の節約になる上に「人件費も一人分で済む」と米国流の特徴を説明する。

もうひとつの理由は、仕事を複数の人間で行えば「個人の能力を正確に測ることができない」からだ。「自分の能力に見合った給与と昇進」を得るためには、個人の能力が明確に現れるシステムにする必要がある。

それができて初めて「真の能力主義」が可能となるが、米国では管理職レベルで働く人は、このようなシステムがないと働かないという。

他人の仕事に手を出すことは「チップを奪う行為」

ただし、ホテルのウエイター・ウエイトレスやベルマン、ドアマンなど「能力の差が顕著にでない仕事」は、個人がもらったチップを集めて「勤続年数の長い者順」に分配することもあり、個人主義が徹底されていない仕事もある。

しかしそんな仕事でも「分業制」は厳格に分けられていて、例えばベルマン以外がホスピタリティーを見せてゲストの荷物を持つことは禁止されている。

「それは、ベルマンが稼ぐチップを奪う行為になるからだ」

日本であれば、分業よりも「おもてなしの心」が優先されることだろう。自分の仕事には「部外者」が手を出すことを許されず、他人の仕事は手伝おうとしない米国人は、「全社一丸」の日本企業とは対照的な労働観だ。そんな別世界での苦労を経てバラエティで再ブレイクした坂上さんのインタビューに対し、ネットには、

「裏方の苦労を知ってる人には人が付いてくるよね」
「毒舌ばかりイメージが先行するけど、根が真面目だから嫌味に聞こえないんですよね」「有吉といい、辛酸なめている人は違いますな」

などと好感をもって受け止めたというコメントがあがっている。

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