近年、ASEAN諸国の中でも特に経済的な影響力を強めているベトナム社会主義共和国。国民の平均年齢は日本が46歳なのに対し、ベトナムは29歳と若く、経済成長率は6%以上と年々盛り上がりを見せています。
中部のあるDa nang(ダ・ナン)などはリゾート地としての人気も高く、ベトナムは観光地としてもますます注目を浴びています。そんなベトナム国内の若者たちは、一体どんなことを考えて、暮らしているのでしょう。彼らの日常を少しだけ探ってみました。(文:MAMI)
カフェには女子会、セルフィー撮影会、PC作業、ひたすら無言で過ごすグループが
ベトナムは歩けば1分でカフェに当たると言っても過言ではないほど、アジア随一のカフェ天国。カフェがいたる所にあるのをご存知でしょうか。カフェが密集した”カフェビル”と呼ばれる建物もあるんですよ。
街には路上にプラスチックでできた小さな椅子を置いた簡易式の屋台カフェから、アンティークなお洒落なカフェ、ベトナムチェーンのカフェ、ハンモックカフェなどなど、様々なカフェが溢れています。
とはいえ、発展途上のベトナム。娯楽が日本ほど多くなく、カフェで友人たちと何時間も居座ることが楽しみの一つでもあります。ほとんどのカフェはFree WIFIを完備していることが多く、電源は使い放題です。お店の人ものんびり営業しており、長居をしても嫌な顔をされません。
女子会、セルフィー撮影会、スマホゲーム大会、パソコンでの作業、ひたすらに無言で一緒にその場を過ごすだけ、というようなグループまで、各々が思い思いに過ごしています。カフェは彼らの大切な憩いの場であり、社交の場となっています。
ベトナムもタピオカブーム!バイクのハンドルにドリンクホルダーを吊るして走る姿も
カフェの中でも特に人気があるのが、タピオカティー。ベトナムではBubble tea(バブルティー)と呼び、男女問わず、若者たちに大人気です。
近年では日本でも大人気ですが、有名な台湾企業のTeaブランド「Share Tea」「KOI cha」「Gong cha」「The Alley」等のベトナム進出が早かったこともあって、少し前からこのタピオカブームが起きていました。
大きな電子モニターで無人注文し、携帯支払も可能です。モバイル決済サービスアプリ「momo」等の若者世代を中心にキャッシュレスが受け入れられているようでした。
オーダーしたドリンクはテイクアウトがほとんど。フードデリバリーアプリでオーダーすることもあります。バイクドライバーが多いため、バイクのハンドルにビニールや袋を引っ掛けて、ドリンクケースのようにして運転する人が非常に多く目につきました。これもまた、急速に発展するベトナムが織りなす特殊な光景の一つかもしれません。
ベトナム版LINEの「Zalo」 仕事関係は「Messenger」で連絡
一方、スマートフォンの中身はというと、日本や近隣諸国とそこまで変わらないかもしれません。数人の若いベトナム人の友人にどんなアプリをダウンロードしていると聞いてみたところ、Youtube、Instagram、TicTokなどの主にメジャーなアプリでを楽しむ人がほとんど。
世界中で使用されているサービスで時間を消費することはごくごく自然のことのようです。逆に言うと、ベトナム独自のローカルサービスがまだ多くは育っていないということも言えるかもしれません。
唯一、メッセージングアプリだけは、ベトナム発の「Zalo」というアプリが根付いていました。日本で言えば、Zaloはベトナム版LINEとも言えそうです。なおFacebbokの「Messenger」も使っており、Zaloは友人との連絡、Messengerは仕事などの連絡用との2つのメッセージングアプリを使い分けているとのこと。
Zaloを運営するVNGグループは、ほかにもゲーム、音楽、メディア、旅行チケットなどの幅広いサービスを作っています。また、Zalo Payなどのモバイル決済サービスもリリース。Zaloを筆頭に同グループが、若者だけではなく、ベトナム中を巻き込んで社会を作っていきそうな予感がしています。