中学時代に勉強できた子が”偏差値の高い高校”に行って伸び悩む理由 | キャリコネニュース
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中学時代に勉強できた子が”偏差値の高い高校”に行って伸び悩む理由

中学時代に勉強できた子が“偏差値の高い高校”に行って伸び悩む理由

中学時代に勉強できた子が“偏差値の高い高校”に行って伸び悩む理由

中学時代、一生懸命がんばって勉強し、念願の高校に入学したものの、少しずつ笑顔が消えていく。そんな高校生をたくさん見てきました。友達も出来て、部活も入って、学校生活としては楽しいはずなのに…と悩むお母様もたくさんいらっしゃいます。

なぜ中学校から高校生になって、勉強を頑張れなくなる生徒が多いのでしょう。理由は大きく2つあります。(文:個別指導塾「STORY」取締役 妻鹿潤)

「ずっと勉強ができていた」からこそ、成績が上がらなくなるとモチベーションが下がる

1.成績低下により、勉強に対するモチベーションが低下する
勉強についていくことができなくなり、成績が下がり、モチベーションが下がる。この負のスパイラルにはまってしまい、抜け出せず苦しむ子が多いということ。

2.「がんばり続けたら勉強ができるようになる」という期待を持てなくなる
高偏差値の高校は、各中学校のトップ層が集まっているため、勉強してもなかなか差が開きにくい傾向があります。そのため「頑張ったのにたいして点数が取れなかった」「点数はあがったけど順位がそこまで変わらなかった」という経験が多くなるため、「頑張っても報われないんだ」という思いが強くなります。

折れる子どもたちに見られる中学時代の共通点は、

・成績がよく、他の子ども比べると、成績が優位な状態であった
・中学1~2年生の間、比較的に勉強が出来て、成績もよい方だった
・勉強に対して自信があった
・高校をギリギリで合格した

というもの。勉強のモチベーション要素として、「ずっと勉強ができていたし、できる自信がある/できそうと思えるからがんばる」が強い傾向があります。それゆえ、授業についていけない/成績が悪いとなるとモチベーションが下がり、勉強が手につかなくなります。

偏差値の高い高校だと、中学よりも授業のスピードや難易度があがります。中学校では余裕でも、授業についていくことで必死ということもあるでしょう。ギリギリで入学すると成績上位層との差が大きく、追いつける希望を持てずに勉強自体を諦めてしまう子どもいます。

もし、いまから志望校を選ぶのであれば、「この高校に入学したら、だいたいテストで成績が真ん中以上になるな」という学校を選ぶことをおすすめします。ポッキリ折れて勉強に向かうことが出来ない状況になりそうな学校を回避するのが手です。

折れてしまった場合、苦手意識はあるが客観的に伸びそうな1科目でいい点を取る

「なぜ成績が挽回しにくくなるのか?」については、高校と中学の環境の違いを明確にした上で、お答えします。

1.知識の質が深くなる(「be going to=will」など答えが1つではなくなる等)

2.科目増加に伴い、問題の量が増える(数学は数学1とA、国語も現代文と古文と漢文など教科が増える。必要単語数も中学は約1500語から高校は約3000語に増加する」

3.よりハードになる部活も多い(勉強の時間が減る。疲れにより勉強へ向かう気力が減る)

4.通塾時間が増える(勉強の時間が減る)

まとめると、「勉強時間は減る・気力も減る」に関わらず、学習量は倍近く増え、質は深くなるので、中学よりも効率・効果的なやり方で勉強しないとそう簡単に挽回できません。

お母様から「成績やモチベーションが下がってしまった後に、なぜ切り替えて勉強を頑張れないのか?」と質問されることもあります。それはお子様の特性が大きく、「出来なくても頑張り続ければ、最初は無理だと思っていた目標も達成出来るんだ」と思えると自信がついてモチベーションも回復することが多いです。

もし偏差値の高い学校に入って折れてしまったら、1科目でもいいので自信のつく点数を取るようにしてください。それを繰り返して成功体験を積み重ねることで、少しずつ「もう無理だ」という壁を取っ払い「出来るようになるかも」と期待が持てるようになります。

最初に点数向上を狙う科目は、苦手意識はあるものの、お子様本人から見て、まだましな科目で、かつ客観的に見て1番向上しやすそうな科目を選択した方が確実性は上がるのでオススメです。

「この教科は点数が取れるようになった」と思えてきたタイミングで、「全然出来なかった英語が、努力によって出来るようになった」「自分は出来ない状況でも頑張って目標を達成することが出来る人間なんだ」と子ども自身に認識してもらいます。

すると、「英語も出来たし次は数学も頑張ってみようかな」という気持ちを生まれる。このように少しずつ勉強への自信を取り戻していくだけではなく、自分に対しての期待も醸成していくことが重要です。

著者近影

著者近影

【筆者プロフィール】妻鹿 潤(めがじゅん)

株式会社STORY 取締役/SB学び事業部責任者・キャリアコンサルタント

関西学院大学法学部卒。大手学習塾で教室長として、生徒・保護者からの信頼を得る。

1000人近くの小・中・高生と、それ以上の保護者と関わり、培った知識と経験から、その生徒に完全オリジナルのオーダーメイドカリキュラムを確立するに至る。地域で評判となり、10か月で100名以上の生徒が入塾するまでになる。

大手個別指導塾で生徒へ価値提供ことへの限界の痛感や、大学や社会でのミスマッチに絶望する現実を目の当たりにしたことから、理想の教育を形にしているSTORYに参画。現在、SB学び事業部責任者として、子供達に点数アップ・志望校合格に加え「社会で生き抜く力」を提供する。

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