国税庁の調査によると、2017年の20代前半の平均年収は262万円。ただ、実際それ以上の年代でも年収200万円台という人もいる。1か月あたりの給与は20万円程度で、そこから税金や保険などが引かれるのだから、手元に残る金額はさらに少なくなる。
デフレが進み、10月には消費税増税を控えている今の日本において、年収200万円台で生活するのは決して簡単とはいえないだろう。キャリコネニュースに寄せられたアンケートから「年収200万円台」の人の声を紹介する。
「年収270万円、貯金5円。結婚も家も諦めて2000万円貯めなければ」
目標貯金額を聞くと、政府が発表した「老後に2000万円必要」(現在は撤回済み)を意識して、目標貯蓄額を「2000万円」と設定する回答が見られた。50代の女性は将来への不安をこう嘆く。
「不満というよりは不安。安定した老後の生活を送るには程遠い」(福岡県/50代女性/年収290万円/現在の貯蓄額150万円/目標貯蓄額2000万円)
老後を心配しているのは若い世代も変わらない。青森県に住む20代の男性は、
「奨学金も返済しなければならず、結婚もマイホームも何もかも諦めて、老後の2000万円を貯めなければいけない」(技術職/独身/年収270万円/現在の貯蓄額5円/目標貯蓄額100万円)
と将来を悲観する。この男性は「生きるために生きるという感じが嫌」と、自分自身の生き方に対する不満も語った。少しでも諦めることが減るよう願うばかりだ。
年収200万円、貯金額400万円「病気などになればあっという間に消える額」
ほかにも、現在の貯蓄額と貯金に対して、50代技術職の男性から
「もともと貯金に回せるお金がない」(大阪府/独身/280万円/現在の貯蓄額0円/目標貯蓄額ナシ)
といった声が寄せられている。いろいろ切り詰めても貯金を試みるも、最終的に切り詰めすぎて体を壊したそうだ。堅実に貯金をしながらも、将来の不安がぬぐえないという意見も見られた。年収200万円で現在400万円を貯金している20代女性は
「足りているとは思っていない。病気などになればあっという間に消える額だと思っている」(京都府/独身/年収200万円/目標貯蓄額1000万円)
と、万が一のときの不安を語った。ほかにも
「家賃の更新や突発的な支払いなどですべてなくなるところ」(東京都/20代女性/技術職/独身/年収250万円/現在の貯蓄額0円/目標貯蓄額100万円)
と、毎月の生活費以外の出費について不安がある声もあった。国税庁の同調査によると、年収200万円台という人は15.8%いる。年収いくらになれば将来の不安は消えるのだろうか。