イタリアンの店に日本酒があってもいい 世界初、日本酒アプリ「SakeWiz」誕生までの軌跡

「日本酒で世界を繋ぐ」をコンセプトに掲げ、和酒バル『Firenze Sake Tokyo』の運営とアプリ『SakeWiz』の開発・運営を行っているSakeWiz株式会社。今回は、その事業を率いる3人にお話を伺う機会をいただきました。

日本酒の本来の魅力について語る熱い言葉、そして「日本酒×イタリアン」「日本酒アプリ」が見せる日本酒の新しい可能性に注目です。

プロフィール

SakeWiz株式会社1

◆代表取締役社長 | 森 学(写真 中央)
…楽天株式会社の役員、楽天リサーチ株式会社の社長を務めた後、日本酒と世界を繋げる事業がしたいと考え、SakeWiz株式会社を起業。

◆副社長 | 熊谷 貢(写真 左)
…日本酒とイタリアンが楽しめるお店『Firenze Sake Tokyo』のコンセプトや運営プロデュース全般を手がけている。森氏と熊谷氏の出会いは、熊谷氏が経営するワインバー。

◆Director | ジェイソン・エバンス(写真 右)
アプリ『SakeWiz』の開発全般を担当している。森氏とエバンス氏との出会いは、唎酒師の資格の勉強会。日本人よりも日本酒に詳しい。

日本酒造りが進化する一方で、落ち込む消費量

―本日は、日本酒で世界を繋げるためにアプリの開発と飲食店の運営を行っているSakeWiz株式会社のお三方にお時間をいただきました。ありがとうございます。

まずは、皆様が事業をおこすほど心動かされた日本酒の魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。

森:シンプルに言うと、日本酒の魅力は純日本製であること、そして雑味がなく繊細な味わいがあることだと思います。ピュアで、日本人の繊細さを反映したお酒とも言えるでしょう。

ジェイソン:私は日本に来てから日本酒を知ったのですが、日本酒は様々な造り方があり、飲み方のバリエーションも豊富。色々な楽しみ方ができる点にとても魅力を感じましたね。

森:今、この日本酒の品質は非常に上がってきていると伺っています。

SakeWiz株式会社2

熊谷:そうですね。特に、ここ10年くらいは日本酒業界に改革が起こっているような印象です。

その背景としては、多くの酒蔵が世代交代を迎えていることがあげられるでしょう。70代の先代から大体30代半ば~40代くらいの社長様に代が引き継がれた後、新しい日本酒づくりを始めるところが増えているのです。

また、最近は「純米酒」が消費者に認められ始めていて、醸造アルコールを入れずに作るのが主流になってきました。醸造アルコールを入れずに純度の高い日本酒ができることも日本酒の品質が上がっている要因の1つです。

―代が変わる中で、日本酒とその造り方は進化しているんですね。

熊谷:その一方で、蔵元さんが原点に立ち返るような動きもあります。

例えば、多くの蔵元さんは原料となる「米」に対してこだわりを持っていて、自分達の県、地域で作られるお米を使った日本酒造りを行っているのをご存知ですか?地元の人の手でお米を作り、そのお米で日本酒を造ろうという動きもあるんですよ。これは、まるでワインでいうところの“ブルゴーニュ”の発想に近いですね。

―私たちが普段飲んでいた日本酒は、そうした蔵元さんたちの取り組みの元で造られていたんですね。こだわりの日本酒造りが進む中、日本酒の消費量はどう変化していますか?

熊谷:残念ながら、日本酒の消費量は落ちています。

SakeWiz株式会社3

酒蔵によっては売上が伸びている場合もありますが、大手飲料メーカーの日本酒が軒並み販売量を落としていて、全体的に見るとやはり落ち込んでいますね。

―日本食が注目される中で、日本酒もまたその注目を受けているのかと思っていました。

熊谷:日本酒は、ワインなんかと比べるとネットで得られる情報も非常に少ないですよね。

実際には、大手以外は家族で経営されていることが多い蔵元さん。なかなか営業に行く時間や情報を発信する時間を作れないということがあると思います。

森:そうですね。

日本酒は世界に誇れるプロダクトであり、世界文化となった「日本食」をより引き立てることができる存在でもあります。しかし、その魅力や歴史がまず日本人に理解されていないというのが現実です。

僕はこうしたところに問題意識を抱き、日本酒の素晴らしさを伝えるために何かできることはないかと考えるようになりました。

互いに求めていたパートナーに出会い、SakeWizを起業