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全社員がモチベーション高く、活躍できる職場を目指して――イーソルの「経営戦略」

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組込みソフト開発のプロフェッショナル、イーソル株式会社が「ホワイト企業認定」を取得した(ホワイト財団/一般財団法人日本次世代企業普及機構 主催)。

同社は3年連続でホワイト企業アワードを受賞しているが、なかでも「人材育成」や「柔軟な働き方」などの項目で評価が高い。

「多種多様な社員がイキイキとモチベーション高く、活躍し続けられる社内風土の実現」を掲げ、社内のホワイト化に取り組み続けているイーソル。今回はその具体的な内容についてお話を聞いた。

‟残業の制限”だけでは意味がない!イーソルが注力した「本質的な働き方改革」

――ホワイト企業認定の取得に至った具体的な取り組み内容についても教えてください。

イーソルでは、経営戦略として、年齢や性別を問わず、多種多様な全ての社員が、いきいきと・元気で・モチベーション高く活躍し続けられる社内風土・職場環境の実現に取り組んでいます。

1) 働き方見直しの全社プロジェクト「楽しい”働き方”チャレンジプロジェクト」(THC)
意識改革のためのセミナーを経て、チーム単位で、業務やコミュニケーションの改善を通して生産性・付加価値を向上する取り組みを進め、経過や成果を全社に共有する1年単位のプロジェクトを2012年~2015年の4期にわたって実施しました。残業制限や時間外労働の目標値設定はあえて行わず、本質的な働き方の見直しに注力しました。

2) THCパッケージ(THC=楽しい”働き方”チャレンジ)
「楽しい”働き方”チャレンジプロジェクト」等の取組みを経て変化してきた社内の働き方や風土・文化を、一過性のものにしないよう、変化に合わせて社内の制度を地道に拡充し、パッケージとしてまとめたものです。土台として働き方改革・人事考課の枠組みがあり、その上に多様な働き方・休み方のための諸制度、さらに上にこれからの働き方をサポートする諸制度がある、という構成になっています。(下図参照)

3) 人材育成
リーマンショックを経て、景気に左右されない世界レベルで勝負できる企業としての体制を整える必要性を再認識したことを機に、2009年より社内の人材育成・人材開発の体制整備を本格化・加速させました。 “「楽しいチャレンジ」を生きる”人材を育成するために、学ぶ道筋・学ぶ機会・学ぶ意欲・学ぶ土壌をつくる取り組みを推進しています。

従業員の定着率UP、社員満足度の平均値も毎年最高値を更新!

――こうした取り組みを行ったことで、実際にどのような影響があったのでしょうか。

取り組みの効果として、生産性の向上と、社員満足度の向上、定着率の向上が実現できています。具体的には、2012年と2018年の比較で、以下のような変化が見られました。

・売上高:+80%、有休取得率:+4.8%、平均勤続年数:+1.8年
・2012年以降、年1回の全社サーベイで、社員満足度の平均値が毎年最高値を更新

取り組みを続けてきたことで、グッドキャリア企業アワード、ホワイト企業アワードの受賞や、「プラチナくるみん」「えるぼし」の認定取得等、外部からのご評価がいただけたことも、成果の一部です。

インタビュー

――これまでの取り組みのなかで、苦労した部分もあったのでしょうか。

以下のような取り組みを地道に積み重ねることで、ホワイト化施策が形骸化せず、持続・浸透し、成果につなげられたと考えています。

・短期間で分かりやすい成果が出なくても、正しいことを正しく続けていけば、中長期で必ずよい影響・変化が起きるという信念を持って継続してきたこと。

・土台となる働き方の見直しにおいて、「人材価値・社員満足度の向上」を目的として掲げ、残業削減などの数値目標ありきではなく、業務やコミュニケーションの改善を通して本質的な改革に取り組むことができたこと。

・取り組みを続ける上で、飽きずに参加でき、効果が実感できるよう工夫をしてきたこと。例えば、楽しい”働き方”チャレンジプロジェクトでは、キックオフを居酒屋の座敷で実施したり、報告会では、パネルディスカッションを取り入れたり、効果を示すデータを紹介したり、ライブハウスで実施したりと、都度新鮮さが感じられるよう工夫を凝らしたこと。

・全社プロジェクトの出口戦略として、過度な負担感なく持続できる取組み(全社に取り組みを拡大し、その内容・成果を共有する機会としての、全社プレゼン大会の立ち上げと継続)につなげたこと。

・一過性の取組み、一時的な変化に留まらないように、変化の状況を踏まえてタイムリーかつ無理のないペースで、多様な働き方・休み方のための制度や、生産性を高い人材を評価する評価制度の導入など、制度の見直し・拡充を行ってきたこと。

「働きやすさ」だけでなく、「働きがい」のある会社を目指して

――ホワイト企業認定されたことで、メリットに感じていることはありますか。

社内では、時間内で成果を出す、という意識が、以前と比べて目に見えて高まっていると感じます。また、採用の場面では、事業内容や会社の将来性に加え、社風や働きやすさに着目して、応募や入社の意思決定をしていただけるケースが増えていると感じます。

――今後の課題と感じている部分や、目標を教えてください。

直近のホワイト企業の認定の審査にて明確となった課題への対策を進めるとともに、社員の働きやすさの実現に留まらず、働きがいのさらなる向上を実現し、一人ひとりの社員の自律的な成長と活躍を後押しし、組織・企業としても成長し、社会により一層貢献していきたいと考えています。

※本記事は、認定当時のインタビューをもとに作成しています
 ホワイト財団のインタビューページ

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