「ITで子どもたちに希望を与えたい」“改善”を続ける最年少執行役員の想い | キャリコネニュース
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「ITで子どもたちに希望を与えたい」“改善”を続ける最年少執行役員の想い

▲学生時代の清水

▲学生時代の清水

26歳の若さにしてクルイトの執行役員を務める清水勇希。頭の回転の早さと不屈の精神を持ち、組織をけん引する彼だが、学生時代までは「僕には明るい未来なんてないかもしれない」と半ば諦めた気持ちで過ごしていたと言う。ITの力に勇気をもらい、踏み出した清水が今も突き進む理由と、「教育」にかける強い想いとは。【talentbookで読む】

「何もない」自分。踏み出すきっかけはネットの中に

清水 「僕の人生は、この先つらいのかもしれないと思っていました」

没頭できることはなく、友達との付き合いや集団行動も苦手。勉強に力を入れるわけでもなく、かといって部活やサークルに明け暮れるなんて青春の過ごし方もせず……。ただなんとなく生きていた清水は誇れるものが何もないまま、大学を卒業した後の自分の未来を憂いていたと言う。

清水 「あのころ、社会に出ることは僕にとって全然楽しみじゃなかったです。正直生きる意味もよくわからなかったし、成し遂げたいこととかやってみたい仕事なんて全くなかったと思います」

そんな清水に衝撃を与えたのは、学校でもバイトでもなく、ネットサーフィンをする中で見つけたある動画だった。映っていたのはあるイベントでの講演の様子。

語り手の背面スクリーンに大きく映し出されたスライド。そしてその前で行われる堂々たる演説は、聴衆の心をわしづかみにする──。

それは、あらゆる分野の最先端の人々によって行われる世界的な講演会『TED』の動画だった。

“There is nothing good or bad. But thinking makes it so”「物事の善し悪しは存在しない。思考がそのように見せるだけだ。」

シェイクスピアのこの言葉をはじめとして、さまざまな研究や歴史を例に「幸せ」というものについて考察したダン・ギルバード博士の講演に、清水は目を奪われる。

清水 「自分の人生にどんな大変なことが起こったとしても、自分がどう捉えるかで幸せにだってなれる。そのことを知って、とても救われたんです。僕に変わろうと思わせてくれた TEDのような教育が広まれば、幸福度や考え方が変わるかもしれない。僕も、幸せな人を増やすため、そして世界を良くするために働きたいと思いました」

自分に何もないことを憂いていないで、変わるために今動いてみよう。TEDに背中を押された清水は、自分を追い込みゼロから成長するために、ベンチャー企業でのインターンを決意。そんなとき、ある企業のHPを見て手が止まった。

「IT✕教育で、世界の社会問題を解決する──」

清水は当時のことをこう振り返る。

「まさに僕のやりたいことだ、って思いました(笑)。ITの力を使って世の中の情報格差をなくし、5教科を超えた教育を届け、社会を良くしていく。僕が目指したいことと同じだったんです」

求人媒体からも公式サイトからも、何度も応募のメッセージを送った。

その結果、熱意を買われ、クルイトでのインターンが始まった。

成長するために「昨日までの自分を否定し続ける」

▲インターン時代、当時のメンバーと

▲インターン時代、当時のメンバーと

インターンを始めて3カ月が経ったころ、メンバーとともに清水は「改善会議(その日に行った業務改善を発表し合う会議)」を日課にするようにした。

清水 「『昨日よりも今日、今日よりも明日』という標語のもと、 1日 3つの改善を実行まで落とし込むまで家に帰らないということをひたすら続けました。これが結構大変で、 2カ月くらい続けると自分の知識や業務範囲では改善できることに限りが出てくるんです。

なので、どんな業務でも何か改善できないかって必死に向き合うし、空いた時間や休日はインプットをして、日常のどこかに改善のヒントがないかってアンテナを張って過ごすようになりました。毎日帰りはかなり遅く、さらに出勤時間の 2時間前にはすでに会社でインプットするって生活でしたね」

だけど、と清水は続ける。

清水 「大変だという気持ち以上に、自分や会社の成長を感じることがすごく楽しかったですね」

インターンとして会社に入り、改善会議を続けた清水には、大きな変化があったのだ。

清水 「ただ楽しかった。会社としてお金もない、ユーザーもいない、制度も整っていない、そんな状態でした。だから常に考えて考えて、頭を絞って新しい何かをつくり出していくことが、そしてもっと良いものを考えることが、本当に楽しかったです。

僕の中で改善することが習慣化したのは、改善会議を続けたというあの経験があったからこそだと思います。あのころから大切にしている、 『昨日までの自分を否定し続ける』というポリシーは今も変わりません」

常に成長を追い求める──。そんなクリエイティブな営みを清水は楽しみながらやっていたのだ。

その後、社員として新卒入社した清水は知識量と仕事に向き合う姿勢を認められ、たった1年で新規事業の責任者に任命された。

しかし、その事業はうまくいかず、撤退を余儀なくされることに。

清水 「僕の戦闘能力の低さを思い知らされました。ビジネスモデルは甘すぎたし、 SEOも思ったより上がらなかったです。そして、何よりも当時のチームとの関わり方が足りなかったです。事業を成功させるために、全部僕が進めちゃっていたんです。ひとりで考えて、みんなには決定事項を伝えて動いてもらって……。

でもそれは、それまで自分の成長のためにひたすら前進しようとしてきた僕にとって、周りに目を向ける大きなきっかけとなった出来事でした。人のモチベーションや考え方の違いを考慮して事業を進めていくことが必要なんだと強く感じたのを覚えています」

失敗を糧に。その後、会社全体の事業の進め方も安定してくるのと合わせて、清水自身もリーダー、マネージャー、部長とポジションが変わっていった。

「周りに目を向ける」という感覚は、いつの間にか「人の人生にコミットする」感覚に。

清水 「この会社で働くメンバーにも、それぞれの価値観があり、それぞれの目標がある。その人がこうありたい、こういうことを達成したいということをかなえるために、会社としてできることはないか考えるようになりました。

クルイトに関わったメンバーの幸せを心の底から想っていますし、クルイトで働けて良かったと思えるような会社にしていきたいです」

最年少執行役員になっても「変わらないもの」と、なって得た「新たな視点」

▲25歳にして執行役員に

▲25歳にして執行役員に

ポジションや視点が変わる中、あることだけは変わらなかったと清水は語る。そして、そのことが彼を支えるものとなった。

清水 「ウェブ事業の責任者をしても、アプリ事業の責任者をしても、営業をしても、採用活動をしても、すべての仕事の根本は何やっても変わらないなって気づいたんです。とにかく理想と現状のギャップを把握して、今できることを考える。
『改善』がすべてで、それが一番大切なことだと改めて感じたんです。たぶん、これからもそれは変わらない。経営者だろうが、大企業だろうが、とにかく改善し続ける──。改善することを続ければ結果につながる──ならば、『やろうと思えばできる』と思うようになったんです。

僕は学生時代、将来への不安がずっとありました。しかしこのことに気づけた今、将来に対しての不安はなくなりました。うまくいかないことがあったとき、それを失敗と捉えるか、改善点と捉えるかで、全然違うんですよね。もう人生不幸になりようがないなって思いました」

“幸せは捉え方次第”という言葉に救われた清水は、4年間を通してそれを体現するようになっていた。そして、クルイトの一員となって4年目。25歳にして、清水は執行役員に選ばれた。

クルイトグループ最年少で執行役員となった清水だが、それでもおごることはない。胸にあるのは「常に自分は未熟なのだと自覚し続けること」。未熟であるという自覚があるからこそ、これからも改善を続けていくのだと言う。

インタビュー中、清水は何度も「でも、こんなこと(これまでの頑張り)は大したことじゃないんですけどね」という言葉を口にした。

清水 「だって僕、頑張ったと思ってないですもん。組織を強くするためには僕自身がもっともっと成長する必要があるし、本気で世の中を良くしていくためには、まだまだ数え切れないほどやるべきことがたくさんあるんです。僕は、この会社を伸ばすためにここにいると思っています」

しかし会社を動かす立場になり、課題に対するアプローチには変化が生まれた。

清水 「執行役員になって、教育業界を良くしたい、社会課題を解決したいという想いはより強くなりました。入ったばかりのころはぼんやりと考えていたその気持ちが、今はクルイトとして、『うちの会社なら何ができるだろう』という視点で考えるようにもなりました」

また、メンバーとの接し方においても、1年目とは大きく変わったと言う。

清水 「ポジションは関係ないと思います。第一の目的は、会社をのばすことなので。僕が指示をだすのではなくて、メンバーと一緒に良い方法を考える。その方がより良い策を打ち出すことができますし、考え切れるんです。

僕の役割は、僕が良いと思うことを進めるのではなく、事業を伸ばすことを誰よりも考えることです」

「自分の可能性や未来を信じてほしい」揺るがぬ想いと覚悟

▲「まだまだここから」と語る

▲「まだまだここから」と語る

「自分には何もない」と思っていたあのときに踏み出した一歩がここまでの道を拓いた。

「IT×教育で社会問題を解決する」というビジョンを追ってきた清水は、前を向き進み続けることができるようになった今、改めて子どもたちに伝えたい想いがあると言う。

それは、「何もない」と思っていた清水だからこその想いであった。

清水 「僕は、 TEDの動画を見たというちょっとしたきっかけで変わることができました。得意なことや好きなものがなく、自分には何もないと思っている子どもたちに、そうしたきっかけを与えることや、今見えている世界より広い世界を見せてあげられるのが、教育だと僕は思っています」

5教科を超えた、生き方や考え方と向き合うことのできる教育を届けたい。インターンとしてクルイトに入ったときから、清水のその考え方は変わっておらず、むしろ強くなっている。

そして、「自分には何もない」と思いながら過ごしていた憂鬱な日々から足を踏み出し、今に至る経験をしてきた清水だからこそ、子どもの“可能性の大きさ“を声を大にして伝えたいと言う。

清水 「中高生や大学生で、社会人ってつまらなそうだなあとか、やりたいことなんてないっていう子は多いと思います。自分って何もできなんだろうなあ、死んじゃいたいなぁとまで思っている子もいるかもしれない。

そういう子たちに、可能性を伝えられるようにしたいんです。技術が進歩した今、 ITの力を借りてそれを届けることができるかもしれない。未来を信じてみてもいいかなって思ってもらえるかもしれない。 ITで子どもたちに希望を与える──大それた野望かもしれませんが、そういう役目を担っていけたらな、と」

執行役員として活躍する今、教育を通して、自分と同じように路頭に迷っている子どもたちの背中を押してあげられる人物になることを清水は目指している。

清水 「こういうポジションをもらってはいるけど、実際大したことはないし、何かを成し遂げたわけではないし、人に誇れることなんてまだひとつもないです。でも TEDにもらった勇気や幸せを、恩返しじゃなくて、次の世代に恩送りすることが使命なんじゃないかと思っているし、僕は今、それが楽しいです」

「僕の人生って、この先つらいかもしれないと思っていました」

そのころから、大きく前進した清水。

想いと覚悟を胸に。未来を目指して会社とともに清水はこれからも成長し続ける。

株式会社クルイト

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