思い立ったら即行動。建設の最前線に立つ新人現場監督の挑戦
京王建設株式会社では、建築・土木・鉄道工事と幅広く事業を展開しています。新築マンションの建設現場で現場監督を務めるのが、建築工事第1部に2018年度新卒入社した小山敢太。持ち前のコミュニケーション力を武器に、現場監督として修行の日々を送っています。【talentbookで読む】
心の距離をぐっと縮め、現場での存在感を発揮
「人と一緒にいたら、とにかく喋っていたいんです」
このセリフから連想される人柄を表すのに「コミュニケーション能力が高い」と言うのは簡単かもしれませんが、それだけでは語りきれない人懐っこさや朗らかな魅力が、仕事の場でいかんなく発揮されています──新人現場監督として働いている小山の強みを聞かれたら、そう答えるのが最も適切かもしれません。
小山 「私の仕事は、新築マンションの建設現場において、さまざまな工事の進行を管理する現場監督です。スケジュール管理はもちろん、大勢の職人さんたちと関わり合いながら、基礎工事から内装の仕上げに至るまで現場を統括するのが役割です。
上司にあたる課長や主任から『小山は職人さんとすごく喋ってるな』と言われました。若い社員は、委縮してしまって喋れないことも多いらしいんです。でも私はあまり気負わずにぐいぐい話しかけていくタイプなので、珍しく見えるのかもしれません」
現場監督はあくまでも建設の現場を“監督”する立場。
工事に関する知識はもちろん大切ですが、自ら手を動かして作業を行なうわけではありません。
小山 「皆さん年上の方ばかりですが、臆せずどんどん話しかけていきます。業務上の依頼はもちろん、質問したり相談したりいろいろと。仕事に関すること以外でも日ごろから会話を交わしていると、お願いごとなどもしやすくなりますから」
積極的なコミュニケーションを通じて、相手との距離を縮め、心をつかむこと。
小山のそうした姿勢は、学生のころから既に顕在化していました。
小山 「母校の大学の授業で、学部を超えてミックスさせたクラスをつくり、先生に代わって先輩学生が授業を行なう機会があったんです。 1年生のときにその授業を受けて魅力を感じた僕は、 2年・ 3年になると指導側として後輩たちの前に立っていました」
たとえば、“宇宙から隕石が落ちてきて、トイレにすぽっとハマる確率”は、60億分の1といわれています。
小山 「そんなのありえない確率だって思うでしょう?でも、同じ年に同じ大学に入学して、同じクラスになった初対面の学生と知り合う確率は、地球の人口から算出すると70億分の 1くらいですよね。『こういうおもしろいことを言う先輩の授業を受けられて皆さんよかったですね』と続ければ、そこでドッと笑いが起きる(笑)」
他にも「今からおもしろい話をするよ」と宣言してから、あえて“怖い話”をすることも。
常にコミュニケーションを通じて相手の心をつかみ、意表を突いて驚かせたり喜ばせたりするのが得意だった小山。
その長所を最大限に生かし、配属当初から自らのプレゼンスを高めてきたのです。
あたたかみを感じた京王建設に入社を決意。地元愛も仕事の力に
幼いころからアクティブだった小山。放課後はいつも友だちと外で遊びまわり、中学生になってからは部活動でバスケットボールに打ち込んでいました。
小山 「バスケは一番熱中したスポーツで、今でも社会人チームをつくって大会に出場することもあります。両親が共働きで鍵っ子だったせいか、人と一緒に何かをするのが本当に好きなんですよね。活発というか、動いていないと落ち着かないというか」
地元の友人たちと過ごす時間が楽しい──小山は自分のことを「地元愛が深い」といいます。
小山 「就職活動も、地元で働ける企業を軸に据えて検討していました。建築学部なので業界を絞って活動していましたが、京王建設は主に東京、神奈川を中心に事業展開しているところが魅力でした。
それに、実は子どものころから京王線がとにかく好きで。実家が八王子市にあってなじみ深かったこともありますが、学生時代から『京王線、最強!』って言ってましたね(笑)」
地元が好きだからここにいたい。地元が好きだから、より暮らしやすい土地にしたい──。
言葉にせずとも胸に抱いていた想いが、京王建設との出会いを引き寄せたのかもしれません。
小山 「当社はいわゆる会社説明会のほかに、建築系の学部がある大学に出向いて説明会を行なったり、逆に学生を招いてインターンシップを実施したりしています。僕自身印象に残っているのは、学内の説明会に参加した後日、会社説明会に再度参加したときのこと。人事担当の方に『髪切った?』って声をかけられたんです。
たった一度会って話した学生の、髪型まで覚えているなんて驚いて。『こんなに丁寧に学生のことを見ているんだ!』と感動しました。もちろん嬉しかったし、あたたかみを感じたのがすごく印象的でしたね」
建築学部で学んだことを生かせるのはもちろん、地元に根付いて働けること、それでいて京王線沿線に限らず、東京・神奈川近郊で幅広い仕事に挑戦できること。
ここでなら、自分の描く未来を実現できるかもしれない。
そんな予感を自らの道しるべとして、小山は京王建設への入社を決意したのでした。
初めての物件の現場に立ち、京王建設の絆とプライドを実体験した
京王建設では、学生や内定者、新入社員と“たてよこの結びつき”を大切にしています。
実際に2週間現場に出るインターンシップや、現場見学と組み合わせた内定式、京王グループ全体での新入社員研修など、積極的に学生や若手社員と向き合う機会があります。
小山 「内定式の日には、建築と土木の現場見学会や懇親会があるんです。その懇親会には 1期上の先輩も参加するので、仕事に関する質問などをざっくばらんに聞けます。
建設会社なので、配属後は各現場へ。でも、 1年目は毎月本社で研修がありますし、人事の方からリフレッシュのためにフットサルに誘われることも。ちゃんと見てくれているという安心感は、入社前から変わりませんね」
同期とは、内定者時代から集まることもしばしば。たとえ同じ場所で働いていなくとも、つながっているのが京王建設の良さなのです。
心の結びつきの強さは、上司や職人さんらとの関係でも共通しています。
小山 「実は、私は研修後に配属された物件で、いわゆる建築における “最初から最後 ”までを経験することができました。つまり、マンション建設の現場で更地の基礎工事から始まり、竣工して引き渡しまでのすべてですね。主任や所長、職人の皆さんに一から教えていただきました。
最初は、たとえば油圧ショベルに対してどの位置に立てば安全かさえわからず……職人さんに相当叱られました。現場では新入社員だなんて関係ないですから。でも『これじゃダメだ!』と思い、どんなことでも主任や所長にくらいついて質問をするよう心がけました」
建築工事の現場監督には、安全確保やスムーズな進行管理が求められます。マンションの杭工事などは地下数十メートルまで掘削し、コンクリートを流し込んで固めます。目には見えない場所こそ、安全に、きっちりと工事を進めなくてはなりません。
小山 「たとえば、内装でフローリングの工事をするときは、その下にあるコンクリート部分を一部屋ずつ清掃しました。分譲マンションなので、いずれリフォームをされるかもしれません。そのときに『京王建設はきれいに施工しているな』と思われるためです」
見えない部分まで美しく──。
自ら現場に立ち、学ぶ日々を通して、小山は京王建設のプライドとも呼ぶべき真摯な姿勢を身につけられたのです。
失敗を恐れぬ挑戦が成長の礎に──次なるステージへ歩みだす
初めての担当物件は、2019年9月に引き渡しが完了。
内覧会では入居者の方と直接お会いし、施工に関する説明なども行ないました。
小山 「お客様に『きれい!』と言っていただけた瞬間、自然と『ありがとうございます!』と言っている自分がいました。貴重な経験でしたね。すごくうれしかったです」
実は、小山がひとつの現場にとどまっていたのには、所長の働きかけがあったのだそうです。「せっかく新入社員としてゼロから入った現場なんだから、最後まで見せてあげよう」と。
工事が始まるタイミングで配属されるめずらしいケースではありましたが、ひとつの現場に長くいたからこその経験も。
少しずつ建設が進んでいくなかで、小山自身も少しずつできる領域を増やしていったのです。
小山 「マンションなので、下層から積み上げてつくっていくわけです。最初は先輩のやり方を見せていただき、次は自力で……と進めていきました。マンション建設の工程を、それこそ積み上げながら身につけられたのは非常にありがたかったです」
もちろん、何でもすぐにできるようにはなりません。失敗しつつ、一歩ずつ成長する。その歩みを認め、サポートしてくれる環境が京王建設にはあるのだと、小山は実感しています。
小山 「たとえ失敗しても、主任や所長、それに職人さんも絶対にサポートしてくれる。そんな信頼感を持って働けるありがたさを常々感じています。
決して、甘えるわけじゃない。だけど、挑戦したうえでの失敗はアリなんです。『ちゃんと助けるから、わからないことはすぐに聞いて』という一言が、心の支えでもありました」
事実、失敗によって損害が出ることもありえます。
そんなとき、工期の短縮などで何とか補填するために、所長が試行錯誤してくれた。だから、次は失敗しないように必死に考え、経験からの学びを自分の力にしよう──。
絆を育みながら、初めての現場をやりきったという何物にも代えがたい経験が、ひとりの新入社員に成長の道を開いたのでした。
小山 「新入社員研修最終日の決意表明で『思い立ったら即行動、人生にはない再放送』って言ったんですよ。本気でやりたいことはやらないと後悔するぞ、と。その言葉にしたがってまだまだ突き進んでいきます」
次の現場は所長とふたり。いよいよ現場監督として実務を担っていかねばなりません。
「ここでの学びを生かして、まだまだ挑戦していくのみです!」と意気込む小山の姿には、ひとつの仕事をやりきった事実に裏打ちされた頼もしさがにじんでいました。
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