マツコ・デラックスさんが11月11日放送の「5時に夢中!」に出演し、非行少年たちの認知能力についての話題にコメントした。番組では、宮口幸治著『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮社)について書かれた読売新聞の記事を紹介した。
記事では、多くの人が”当たり前”と思うことを正確に認知できない「境界知能」とされる人の割合を「(学校で例えると)クラスの下から5人の子どもたち」としており、「彼らが周囲の理解を得られない時、授業や対人関係はしんどく、自己評価が削られ続けるだろう」と綴っている。(文:okei)
「なんでもかんでも選別し過ぎると逆に苦しくなるパターンもある」
株式トレーダーの若林史江さんは「こうした『認知のゆがみ』のある子たちを救えるのは身近にいる大人。最初のケアが出来ていれば、人を傷つけるほど世の中を恨むことはなかったのでは」と語る。一方、いま発達障害が話題となり、医師に病名を付けられて楽になる子どもたちもいるが、安易に病名を付けられてしまったことで病気を一生背負っていかなきゃいけない人もいる問題にも言及した。
これについて、マツコさんは「昔ってさ、たぶんもっと辛い差別的なことをされた人たちもいた反面、もっと大らかに見てた部分もあったと思うのね」と話し、
「だから何でもかんでも全部選別してしまって、それに見合ったことをしなければならないとか、今のやり方は間違ってるというのを、あまりキッチリやり過ぎてしまうと、逆に苦しくなってしまうパターンってあると思うんだよね」
と指摘した。また、
「いわゆる普通では怖くて外せないルールとかレールの中で生きてると、なかなか開花できないものってあるじゃん。例えば、芸術ってそういう人が多いじゃない?それがなかなか、ちゃんと育むことができない教育制度っていうこともあると思うんだよね。日本って」
と日本の教育制度に対する苦言も。決められたルールの中では生きられないようなタイプだからこそ、優れた芸術家になるということがある。「普通」から外れた者を疎外するような環境では、生きづらさが増してしまうということだろう。
「すごい頭いい学者さんだって、半分くらい社会不適合者みたいな人たちだし」
マツコさんは、「ここにいる人たちだって、だいぶ外れてる人たちだよ」とテレビ局内を指し、
「外れた中でも多少こういう、いい加減な世界とはやっていける社会性があったから、今こうやって、やっていけてるけど。すごい頭いい学者さんだって、半分くらい社会不適合者みたいな人たちだしさ」
と冗談交じり。
「犯罪までいかなくても、もしかしたら社会でうまく生活出来ていない可能性って、みんなにあると思うんだよね」
と真剣な表情でまとめた。
発達障害は、早期発見と支援を目的とした「発達障害者支援法」が2016年に改正されたことで注目を集めた。発達障害と認定することは、当事者を理解する助けになる一方、レッテルを貼られかねない恐れもある。レッテルを貼ることで、差別を助長しては本末転倒だ。マツコさんのように、まずは”おおらかに”理解しようとする姿勢が一助となるのだろう。