日本のキャッシュレス市場を盛り上げたい! デジタル時代の決済サービス創造へ挑む | キャリコネニュース
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日本のキャッシュレス市場を盛り上げたい! デジタル時代の決済サービス創造へ挑む

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 薄井勇輝

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 薄井勇輝

薄井勇輝はNTTデータが提供する決済サービス「CAFIS」の営業・企画として直近10年間、日本のキャッシュレス決済の現場に貢献してきました。彼は、今お客様が求めているのは、決済の「手段」ではなく新たな「購買体験」を提供しうるサービスだと言います。キャッシュレス市場の発展を願う、薄井の想いに迫ります。【talentbookで読む】

「多くの人の暮らしを豊かにする」大きなしくみに携わる仕事に憧れて

薄井勇輝は、2010年入社のNTTデータの社員です。

薄井の大学生活は、3年生のころまで、友人と一緒に立ち上げたスノーボードサークルの活動がメインでした。折りしも、就職氷河期。早くから就職活動を開始し、他大学の有志と共に就活セミナーのコンテンツを企画するプロジェクトにも参加します。

薄井 「サークルも就活中の取り組みも、仲間と意見を交わしながら何かしらのアウトプットをすることにやりがいを感じていました。最終的に就職先として NTTデータを選んだのは、『大きなしくみに携わることで多くの人の暮らしを豊かにできるはず』という想いからです。大規模システムを数多く手掛けている NTTデータなら、この希望をかなえられるはずだと考えました」

内定が出てからは、先輩社員の話を聞くうちに、人々の生活に密着した「金融系のしくみ」に興味を抱くように。そして自らの意向を人事担当者にも伝えていました。

その願いがかない、入社後の本配属では、NTTデータの提供する決済サービス「CAFIS」関連のソリューションを扱う事業部に配属。ECサイト上の決済や、毎月の口座引き落とし処理を必要とする事業者向けのクレジットサービスの営業として、キャリアをスタートさせます。

既存のお客様を担当しながら、新規の案件獲得のために奮闘する日々。同時並行で多くのお客様との接点を持つ中で、知らず知らずのうちに「案件規模の大きなお客様」の対応を優先させることが多くなっていきました。

そんなある日、薄井は案件規模が比較的小さいがために、対応がつい後手に回っていたお客様からお叱りを受ける事態を招いてしまいます。これが、営業としての薄井の転機になりました。

薄井 「上司から『もっとお客様のことをちゃんと見ろ』と厳しく注意されたんです。案件規模の大小に関わらず、担当のお客様一人ひとりに向き合うことの大切さに気付くきっかけになりました」

それ以降、お客様の発言の背景にある事柄や、担当者がお客様社内で置かれている立場など、とことん考えるようになりました。そして、お客様の“言葉”をそのまま受け取るだけではうかがい知れないところにまで、想いを巡らせるようになったと言います。

薄井 「お客様の言葉に表れているのは、あくまで表面的な部分だと思っています。だからこそ深く考える必要がある。そうすることで、用意する資料も通り一遍のものではなくなりますし、対面時にもここは後で疑問を持たれそうだから説明を厚くしよう、というような想像が働くようになっていきました」

「お客様のことを考える」。その意味を真に理解した入社4年目の営業活動

2年目になると、「CAFIS」関連のすべてのサブシステムを、幅広い業界のお客様に対して営業するミッションが与えられます。

1年目と同様、十数社から多いときには数十社もの既存のお客様を担当しつつ、新規の顧客開拓に挑む日々。

薄井 「 CAFISは、全国の加盟店とカード会社や金融機関をオンラインで結ぶ日本最大級の総合決済ネットワークです。信頼性が高いしくみで、認知度も高いためさまざまな業界のお客様から引き合いがあり、新規開拓の際のアプローチで苦労することはほとんどありませんでした。そういう意味では、営業しやすい環境だったと思います」

そう語る薄井ですが、入社4年目の時に初めて受注したお客様との、そこに至るまでのやりとりは強く印象に残っていると言います。

薄井 「当時、そのお客様は厳しい逆境下にあって、社内変革のために専任の部署を新設して取り組もうとされていました。その一環で、従来導入していたクレジット決済のしくみの見直しも検討されていたんです」

お客様の担当者が抱く、自社の「変革」にかける強い使命感に薄井も共感。「サービスの提案」という範疇にとどまらないアプローチを続けました。

薄井 「『会社を変えなければ』という担当者の強い想いに私自身も感化されて、問い合わせがあれば、担当外のサービスのことでも調べて情報を提供したり、それでも足りなければ社内の有識者を紹介したりもしました」

そうしたやりとりを約1年にわたり続け、ついに、クレジットサービスの受注にこぎ着けたのです。

薄井 「本来、お客様の信頼を勝ち得るのは難しいことです。でも、 1年間お客様と密にやりとりをしたこの一件で、『やればやっただけ返ってくる』手ごたえを感じることができました。

ソリューション営業なので、『ソリューションを売る』ことに終始してしまいがちですが、一歩踏み込んで、お客様のことをとことん考えた上で提案することの大切さを、深く認識するきっかけにもなりました」

同時に、お客様と密に関わり合うことができる「営業」の仕事の楽しさを改めて実感した出来事として、薄井の中に刻まれることになったのです。

初めての企画職。海外ベンダーとパートナーシップを育みながら調整に奔走

▲台湾出張にてPJメンバーと。現地のベンダーとのコミュニケーションを大切にしている

▲台湾出張にてPJメンバーと。現地のベンダーとのコミュニケーションを大切にしている

丸5年間、営業を経験した薄井は、2015年にクラウド型キャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS Arch®」のチームに加わります。CAFIS Arch®は、クレジットカードやスマートフォンなどあらゆる決済手段に対応可能なプラットフォームで、さまざまな決済シーンを想定した端末の豊富なラインナップが特徴です。

薄井の担当は、決済端末の企画。それまで営業一本だった薄井にとって、新しい業務領域でした。

薄井 「わからないことが多くて、まずは端末を学ぶところからのスタートでした。しかし、最も難しさを感じたのが、仕事の進め方の違いです。営業の場合は、目の前のお客様の要望に応えることである程度仕事が成立します。しかし企画の場合は、まだ見ぬお客様を想定し、推察したり想像したりしながらアウトプットすることが求められます。しかも、実際にお客様に使っていただいてからでないと、答え合わせもできませんからね」

そう振り返る薄井ですが、2019年10月現在は台湾ベンダー製の端末の企画を担当し、多くの導入実績につなげています。

企画担当者のミッションは、標準規格の端末に対し、日本で求められる使い勝手に沿うように改善の要望をまとめてベンダーと調整を図ること。そうしてできた企画商品に対するお客様のさらなる要望を適宜切り分け、共通化できそうな点を取り込んでいくのも企画担当の大切な仕事です。

台湾のベンダーとは、中国語と英語、日本語をとりまぜながらコミュニケーションをとっています。

薄井 「タイトなスケジュールの中で進行しているので、コミュニケーションのエラーによる手戻りが致命傷になりかねません。私は中国語も英語も滑らかではないので、言葉が話せるメンバーをチームにアサインしてもらっています」

しかし、そうした「言葉の壁」以上に、薄井が感じているのは「文化の違い」だと言います。日本国内でなら通用する「きっとこうなるはず」という“読み”はあまり通用しないからこそ、現地のメンバーの助言を仰ぎつつ、伝え方を工夫してコミュニケーションをとるようにしているのです。

その上で、台湾のベンダーとの関係を薄井は次のように表現します。

薄井 「単なる『端末の仕入先』ではなく、協力しながら日本のキャッシュレス市場を一緒に盛り上げていく『パートナー』だと思って接しています。お客様からの要望をそのまま伝えて “直させる ”ようなやりとりではなくて、 win-winな結論を導き出せるように、悩みながらも互いに譲れるところを探るようにしています」

決済の「手段」ではなく、新たな「購買体験」に資するサービスを目指して

▲関わるメンバーが一体となりプロジェクトを前進させる

▲関わるメンバーが一体となりプロジェクトを前進させる

薄井が企画を手がける端末は、2018年以来、カード会社や小売業などのお客様に多数納入されて確かな実績を上げています。

かつては、「信頼性の高い決済サービス」としてお客様からの期待を集め、引く手数多だったCAFIS。今、CAFISを取り巻いているのはそれとは少々異なる環境だと薄井は言います。

薄井 「『決済サービス』に対するお客様からの期待は、数年前と比べて明らかに高度になっています。ただし、まだあまり具体化はされていない。そういった中で、私たちに求められるのは『決済の手段をご提供します』ではなくて、『 CAFIS Arch®を軸に新たな購買体験を一緒に生み出していきましょう』という、お客様に寄り添い、時にはリードするアプローチです。実際、それがうまくはまったお客様に CAFIS Arch®を採用いただいているような状況です」

たとえば、グローバルに拠点を持つ小売業のお客様の、POSの刷新と連動した決済端末の切り替えに際してCAFIS Arch®が採用され、薄井が企画した台湾ベンダー製の端末が導入されました。その数、全国に数千台。店舗に足を運び、薄井が感じるのは、セルフレジに切り替わった新たな「購買体験」を自ら体感できる喜びです。

薄井 「お客様のビジネス変革に貢献できている、と感じられるのはやはり嬉しいですね。入社前に抱いていた『暮らしに身近で多くの人の役に立つしくみに携わりたい』という想いも実現できています。やりがいは非常に大きいです」

その一方で、営業を5年、企画も既に5年目となった今、担当する業務への充実感とは別にこんなことも思っていると言います。

薄井 「最近は経験値も増えた分、仕事をしていて悩んで手が止まるような場面はほとんどありません。気持ちいいくらいです。でも、お客様にデジタル変革の重要性を説く一方で、自分自身は変革できているのか? と、ふと考えることがあります。

成長のためには、もっと自分にプレッシャーを与えながらいろんなことを考えたいし、学びたいなと思っているところです」

そんな薄井が見据えているのは、日本におけるキャッシュレス決済のさらなる浸透です。他社とのアライアンスも視野に「プレーヤー皆で盛り上げていきたい」と、展望を語ります。

薄井 「決済サービスのユーザーは、店舗のスタッフや買い物をされるお客様です。どうすれば、従業員体験や購買体験をより良いものに変えていくことができるのか。それを考え続けながら、新たなサービスを生み出していきたいと思っています」

現状に甘んじることを良しとしない薄井。キャッシュレス決済がまだまだ普及の途上にあるここ日本で、その挑戦の日々は続きます。

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