強いチームをつくりたい──社会人になって初めて知った協働の喜び
2020年1月現在、新卒採用とインターナルコミュニケーションを担当する川尻 真由香。人とのコミュニケーションを仕事としますが、会社に入るまでは、誰かと共に同じゴールに向かって物事を推進することが苦手でした。そんな彼女が「強いチームをつくりたい」と思うようになるまでの気持ちの移り変わりをご紹介します。【talentbookで読む】
ピアノに明け暮れた学生時代
幼いころの川尻には、ピアノがおもちゃ代わりでした。母親が自宅でピアノを教えていたこともあり、物心ついたときにはピアノがありました。
川尻 「気づいたら触っていたという感じです。うまく弾ければ母親の気を引ける、褒めてもらえると思ったんですね(笑)。幼稚園にもピアノがあったんですが、いつも好き勝手に弾いていました」
大学まで受験することなく伸び伸びと過ごせるようにと、短大まである学校の附属幼稚園に入学しました。そして、小学校の高学年のときに、自身の中では分岐点となる出会いが訪れます。
川尻 「知人の紹介で出会ったピアノの先生。たくさんのことを教えてくださいました。その先生に出会ったおかげで、ピアノと音楽がもっと好きになりました」
その出会いがきっかけで、さらにピアノにのめり込むようになり、中学生のころには、音楽から離れる自分が想像できなくなりました。高校進学のときにも、大学まで約束されていたレールから外れて、音楽を学べる高校に行こうと決意します。
高校は音楽大学の附属高校を受験し、見事合格。そのまま大学にも進みピアノを専攻。音楽漬けの日々を過ごしました。そんな大好きな音楽、ピアノに明け暮れる毎日を過ごす中で漠然と将来を考え始めるようになったのです。
川尻 「ピアノをやっていると、演奏会の本番前の独特な緊張感、終わった後の疲労感がいつもあって。それを仕事としてコンスタントにやっていくことを想像すると、演奏家としての将来を描くことは考えにくくなりました。
長年やると自分の限界点も感じるようになったし、自分よりはるかに優秀な人も間近で見るようになる。自分が進むのは、そっちの道じゃないと思いました」
大学に入学した当時は漠然と音楽に関わる仕事に就くのだろうなと思っていたと言う川尻。音楽に向き合う中で、違う道に進みたいと考え始めました。
新しい世界を見てみたい
演奏者としての道ではなく、違う道を模索する中で、川尻は中学・高校の音楽の教職免許を取ることにしました。それは、幼いころに見ていた、母親が子どもたちと関わっている姿を思い出したこと。また、大学生活を送る中で、人とコミュニケーションをとることの楽しさを知ったからでした。
その後、無事に免許を取得。自分が音楽を奏でる立場から、教える立場にと、将来の姿をぼんやり考え始めるようになります。しかし具体的に就職となると、すぐに前に進めない自分がいました。
川尻 「それまでずっとピアノしかやってこなかったので、先生をやるとなると、限られた世界で生きていた自分が、生徒さんのいろいろな悩みに対応できるんだろうか?引き出しが本当にあるんだろうか?と考えるようになりました。自分には圧倒的に経験値が足りないし、関わってきた人も足りないと思ったんです」
また、先生というと、限られた学校の組織の中で仕事をすることになり、それは音楽という限られた世界の中で生きてきた今までの自分と大きく変わらないのではないか?それならば、「新しい世界を見てみたい」という想いが徐々に膨れ上がっていきました。
そんなことを考えながら就職活動も始めたとき、学校の就職課からサイバードを紹介されました。他にも音楽関連の会社をいくつか受けていましたが、サイバードだけは毛色の違う会社でした。
川尻 「最初に紹介を受けたときは、サイバードのことを知らなくて(笑)。扱っているライセンスの色が強いこともあって、興味を持てませんでしたし、自分が仕事にやりがいを持って取り組めるのか不安でした」
しかし、せっかくいただいたご縁から、まずは一回会ってみようと、面談を受けることに。
川尻 「サイバードの人たちとの面接を重ねる中で、こういう人たちと働けたら新しい世界が見られそうだし、ワクワクしそう。この人たちに認められたら、そのとき、自分は成長しているんだろうなと思えるようになりました」
会う前は興味がないと感じていたが、面談を通して考えが変わっていったと言います。
川尻 「何をするかでなく、誰とやるかが大事だと思いました。関わる人が違うだけで圧倒的に経験の質が変わるだろうなと」
そんな想いを携え、2012年にサイバードへの入社を決めました。
新しい世界で人と交わり、協働することの喜びを知った
入社時の配属希望では広報を希望していましたが、配属されたのは、プラットフォームに向き合う企画営業の部署でした。
川尻 「最初に配属先を聞いたときには、『何するところ?』って思いました。プラットフォーム営業の存在や、その人たちがどうやって仕事を進めているのかもわからなかったし、正直ポカーンとなりました(笑)」
初めてのことばかりで、最初は自分のミッションもつかめず、自分がどう成長するのかのイメージも持てませんでしたが、入社2年目の秋に、OJTの先輩が産休に入ることになり、自身に劇的な変化が起こりました。
川尻 「先輩が産休に入ると聞いて、いきなり背水の陣になりました(笑)。先輩と同じようにはできないけど、できる限りのことをやらなくちゃいけないと思いました。このとき、初めて本当の意味で仕事への責任感を持てた気がします」
プラットフォーム営業の仕事はとても細かく、プラットフォーマーはなんでこうしているんだ?という裏側を想像し、自分たちはどうすればいいのか?どうやればうまくできるか?を常に考え、社内外の人とコミュニケーションしていくことが必要でした。そんな中で、人と共に仕事をすることを学んでいったのです。
川尻 「人としてどう動くか?ということが大事なんだなと学びました。それが社内であっても、社外であっても、真摯に接することで人って変わるし、動いてくれると思いました。自分が一生懸命考えて動くと、自然と周りの人も動いてくれる、助けてくれるんですよね」
こう考えられるようになったのも、当時のプラットフォーム営業チームがあったからでした。
川尻 「強いチームでした。チーム全員がお互いを信頼し、同じ想いを持って一丸でやっていました。わたしの “協働 ”の原点ですね。今はみんなそれぞれ別の部署になってしまいましたが、今でも気持ちは ONE TEAMです!(笑)」
その後、プラットフォーム営業として数年を過ごした後、人事へ異動。新卒採用を担当することになりました。前任者が不在となり、初めてのことばかりの中、すべてをひとりでまわさなくてはいけない過酷な環境でしたが、自分がやらないといけないという想いで、がむしゃらにやりました。
川尻 「 異動後の 1年目は本当に大変でした。きつかったです(笑)。それでも仕事をしっかりできたのは、自分も新卒で入っているからこそわかる新卒で入る人への想いと、サイバードで一緒に働いてきた人たちへの想いがあったからです。
向き合っている学生さんに対していい加減なことをしちゃいけないと思ったし、サイバードのみんなを助けてくれる人を入れるんだ!という想いを持ってやっていました」
強い想いがある人と働きたい──それが仕事の源泉になる
2020年1月現在、川尻は新卒採用責任者という責任ある立場に。会社の顔として多くの学生の方々と接しています。
川尻 「サイバードは、新卒社員が注目されやすい会社だと感じます。そんな社風もあって、新卒社員が社内の人からいいなと思われることが、会社のプラスになる。『頑張っているいいやつだから、育てたい』という想いが、組織をひとつにするし、みんなの想いが同じ方向を向く。だから、サイバードのみんながそう感じてくれる人たちとひとりでも多く出会っていきたいです」
入社したころと比べると、事業環境の変化などもあり、会社としての一体感が薄れていると感じることもあると言う川尻。サイバードの強さと感じる一体感を復活させようと意気込んでいます。そんな川尻がこの先目指したいのは、強いチームを自らがつくることです。
川尻 「ピアノをやっていたころは、自分ひとりの想いを表現することが評価されていたけど、会社に入って、チームとしての喜び、強さを知りました。ひとりよりもチームの方が、形にしようとしているものがより良くなります。同じ想いを持った仲間とならなおのこと。かつて感じたことを、次は自分が伝えていきたいんです」
時に、こだわりが強い、頑固と自身を評する川尻ですが、それは自分自身の“想い”が強いからなのでしょう。
川尻 「想いがある人は強いです。何か実現したいという想いがある人、こういう人になりたいでもいいです。強い想いがある人と働きたいです。想いがないと、どこかで折れるし負ける。逆に、そういう強い想いを持っている人、持てる人は、その想いが周りを動かすし、助けてくれる。きっといい未来がつくれると思います」
川尻はこれからも想いをひとつにできるチームづくり、会社づくりを通じて、みんなで喜びを分かち合う瞬間を追い求めていきます。