内閣府が作成した“2050年の目標”「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」にネット困惑 | キャリコネニュース
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内閣府が作成した“2050年の目標”「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」にネット困惑

画像は内閣府ホームページのキャプチャ。

画像は内閣府ホームページのキャプチャ。

内閣府が1月下旬に発表した「ムーンショット目標」に突っ込みが相次いでいる。ムーンショットとは、「従来の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発」のことで、関係省庁が協力して研究を推進しようとするもの。発表された目標は以下の6つだ。

目標1:2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
目標2:2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
目標3:2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
目標4:2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
目標5:2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
目標6:2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

ネットでは「目標1はそもそも意味不明」「目標1は無理ゲー過ぎる」などの声が出ている。

攻殻機動隊の世界観? 「何言ってるか全然わからない」という反応も

目標1に混乱する人は特に多く、「何言ってるか全然わからない。電脳化、義体化するって事??」と言った疑問が寄せられている。確かに、人間が肉体の制約から開放されるという点では「攻殻機動隊」の世界観に近いように感じる。

内閣府の資料によると、目標1は「2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築」することを目指しているという。2030年までには

「1 つのタスクに対して、1 人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する」

ことを目標としているようだ。今後、労働人口が減っていく中で社会を維持していくためには生産性を劇的にアップさせる必要があるが、この目標1が実現すればそうした問題が一気に解決しそうではある。しかし、説明が抽象的すぎて、本当に実現する気があるのかと感じる部分もある。

「目標1は正直めっちゃわくわくする」応援の声も

ほかにも、目標2「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」の達成のためには、2030年までに臓器間のネットワークを包括的に解明し、

「2050 年までに、臓器間の包括的ネットワークの統合的解析を通じて疾患予測・ 未病評価システムを確立し、疾患の発症自体の抑制・予防を目指す」
「2050 年までに、人の生涯にわたる個体機能の変化を臓器間の包括的ネットワー クという観点で捉え、疾患として発症する前の『まだ後戻りできる状態』、すなわち 『未病の状態』から健康な状態に引き戻すための方法を確立する」

ことを具体的な目標として掲げていた。

ネットでは、ムーンショットの目標に人文社会学分野のものがないことに注目し、目標自体を「別のところに作らせたほうがよかったのではないか」という指摘もあった。本来であれば人権や教育等に関する項目があってもいいだろう。30年後という長期計画についても、「2050年では遠すぎる。2030年くらいがいいのでは」という声も目立っていた。

とはいえ、ムーンショットはそもそも、実現不可能に見えることを実現させようとする研究計画だ。批判だけでなく、「目標1は正直めっちゃわくわくする」「基礎をしっかりやった上でムーンショットも狙うなら、それもあり」と、計画を応援する声もわずかにあった。また、量子コンピュータに関しては既に研究が進んでいるため、「2050年までかからないと思う」という意見もあった。

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