BPO検証委、TBS「消えた天才」早回し加工に放送倫理違反 背景に「CMの間も視聴者をつなぎ止めておきたい」という心理 | キャリコネニュース
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BPO検証委、TBS「消えた天才」早回し加工に放送倫理違反 背景に「CMの間も視聴者をつなぎ止めておきたい」という心理

TBS「消えた天才」映像早回しについて

TBS「消えた天才」映像早回しについて

BPO放送倫理検証委員会は2月13日、TBSのドキュメント番組「消えた天才」の映像早回し加工について「放送倫理違反があった」とする意見を発表した。

TBSは昨年8月11日放送の同番組で、野球のリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した投手の試合映像を使用。その映像を実際より球速が156%速く見えるよう加工していた。

同委員会は早回しについて、NHK・民間放送連盟の番組倫理委員会の提言や、民放連の放送基準に抵触するとし、放送倫理違反があったと判断。「実際の映像」と受け取れる状況での早回し加工は、「事実を曲げる手法は過剰な演出と言われてもやむをえない」としている。

154%の早回しについて検証委「不安が招いた偶然の産物だ」

早回しは、放送中の番組を視聴していたTBSスポーツ局のスタッフが「ボールのスピードが速すぎる」と感じたことりから発覚。同局が内部調査をしたところ、過去に野球、卓球、フィギュアスケート、サッカーの計4件で早回しを行っていたことがわかり、審議の対象となった。

野球以外の3件の早回し加工は115~130%で、「早回ししているとわからないけど、凄くは見える」という倍率だという。そのため件の投球シーンがなければ、「問題はいまだに表面化してなかったかもしれない」という。

この突出した早さについて、同委員会は156%という倍率について「制作者の意図したものではない。不安が招いた偶然の産物だ」とした上で、ディレクターに「CMの間も視聴者をつなぎ止めておきたいという思いから、CM前の一球をもう少し速く見せたくなった」という心理があったと指摘。

聴き取りでは、「1本のVTRとずっと向き合い、修正を何回も繰り返していると、面白いのかどうかわからなくなってくる」という声が出たという。不安や焦りから映像加工に解決策を求めたくなるのも理屈は立つというが、

「技術革新が下げた心理的なハードルは、個々人のモラルによって押し上げ、保たなければならない状況にある」
「そうした時代に番組を作っていることを制作者たちが認識し、最善を尽くすことを願っている」

とコメントしている。

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