失敗を成長の糧に──自分のために学ぶ「キミノスクール」 | キャリコネニュース
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失敗を成長の糧に──自分のために学ぶ「キミノスクール」

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完全個別指導塾「キミノスクール」を運営する株式会社クルイト。従来の塾のあり方にとらわれない新しい教育を模索し、独自の授業スタイルを確立しました。生徒がどうすれば、失敗を臆さず成長の糧と考えてチャレンジできるのか、キミノスクールが目指す教育像を事業部長の高木 俊輔が語ります。【talentbookで読む】

生徒の主体性を育てる教育事業が必要な時代

「キミノスクール」は中高生向けの完全個別指導の塾です。

「無理という思い込みをなくす」「自分にとっての学ぶ意味を見つける」「学ぶ力をつけること」という3つのバリューを掲げて運営。日々の勉強を振り返るリフレクション、生徒が講師に授業をする『反転授業』、思考力や表現力を鍛えるアクティブラーニング『キミノタイム』など、“生徒の主体性を育てること”に重きを置いた独自の学習システムを提供しています。

“外からの評価のため”ではなく、”教育を受ける人それぞれの可能性のため”の教育を届けたいという考えに至ったのは「教育とは正解を教えることではない」という高木の想いがあったからでした。

高木 「私たちがこれから生きていくのは、『こうすればうまくいく』といったシンプルな解答が存在しない時代だと思っています。そもそも、誰にでも共通する良い人生の型や幸せの形はないですし、社会がそれを示してくれることもありません。

だからこそ、何かを教わろうとする受け身の姿勢ではなく、『自分がなぜ学ぶのか』『どんな人生を送りたいのか』といったテーマを自分で考える機会を与えて、自分で考え選択し、自分で自分の道を決める力をつけることが教育に必要だと考えています」

現代はインターネットが発展して以降、良質な授業が安価もしくは無料で手に入るようになっています。また、さまざまなYouTubeチャンネルやスマートフォンの教育系アプリがそろっていて、簡単に学べる環境が整っているとも言えますが、学力が上がらず塾を求める子ども、保護者の数は減っていません。

教えることの質を上げることより前に解決すべき根本的な問題がそこにはあり、急速な変化、多様化の進む社会においてそれが顕在化してきたのではないでしょうか。

学ぶ意味は教えてもらうのではなく、自分で見つけるもの──キミノスクールの根底の価値観はどのような過程をへて生まれたのでしょうか。

生徒が主体的に学びに取り組むためのシステムができるまで

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キミノスクールの原型がスタートしたのは、2019年3月。

当初は教育を変えたいという強い思いを持ちながらも、形は一般的な塾と同じようなものになっていました。しかし、市川校に加えて、津田沼校をオープンするタイミングで自主性を育てる塾への道を歩み出します。

きっかけは、高木が日々生徒と向き合う中で「テストという外からの評価のために勉強をやらされ、主体的に勉強ができていない」「やる前から諦めるか、失敗を恐れてできそうなことにしか取り組まない」生徒が多いと実感したことでした。

高木 「そこで、テストという短期的な結果に対するアプローチではなく、生徒自身が失敗を恐れずに学習に挑戦したくなるように『生徒のマインドセットをつくる』という理念に改め、長期的、根本的な視点で生徒の変化を促すことを目指しました」

そして、「キミノスクール」へ改称して以降、生徒はどうすれば自主的に勉強をするのか試験運用を重ねました。その中で得たヒントが「ゲーム」でした。

高木 「ゲームには失敗して学ぶしくみが組み込まれているんです。そして、失敗をクリアすることが楽しみのひとつになっていく。『失敗から学ぶ、言われなくても自らの意志でやる、人からの評価ではなく自分の成長に没頭できる』など教育で解決するべき課題がすべてゲームに詰まっていると感じました」

生徒にとって少しだけ難しい課題を出し続けることで、失敗を通して学び、クリアできるようになる──その過程を楽しみながらできる学習システムを設計していきました。

さらに、生徒のマインドセットを変えて自立を支援するために、生徒の自発的な行動を引き出すことが重要でした。従来の塾で行われる知識の伝達を目的としたティーチングスタイルの指導では生徒の自立を促すことは難しいと考え、生徒の中から引き出すコーチングを取り入れました。ゲームとは異なり、勉強で点数が取れない原因は複雑です。その複雑さと向き合い、生徒自身が課題をクリアしていくために一緒に考えてあげる役割を講師が担うことに決めたのです。

高木 「講師陣には『教育業界の常識にとらわれず、本質を追い求めよう』と伝えました。生徒に向き合って、将来どんな人になってほしいのか、そのためのコーチングを実践するようにしていこうと。しかし、授業を受けるというしくみの中では、生徒はどうしても受け身の姿勢になりやすく、講師も教えなければならないという気持ちが抜け切れないように感じました」

そこで、全生徒が同じように自主性を持って取り組めるようにと取り入れたのが、生徒自身が講師に向けて授業をする『反転授業』や、アクティブラーニングの『キミノタイム』でした。

塾は授業を受ける場所という固定観念を打ち壊し、あえてアウトプットする場を中心にすることで、生徒の自発的な学習意欲の向上や知識の定着につなげることを狙いました。

成績を上げるだけの塾を脱却した試行錯誤

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こうして、より生徒の主体性を引き出す学習システムの提供に踏み切ったキミノスクールでしたが、新しい試みであった分、生徒の保護者からすぐには受け入れられませんでした。

高木 「理念を伝えて、なんとなくは理解してもらえるんです。ただ、じっくり講義形式で教えてもらった方が手厚いサービスなんじゃないかと思われることもありました。保護者の方だけでなく、私が受けてきた教育もそういったものでしたからね」

しかし、高木はこれまでの原体験から、自ら学ぼうと思う姿勢、自分にはできると思うことが大前提だと確信していたため、主体性を大事にするというスタンスを貫きました。

高木 「これまで教育事業に長く携わる中、数多くの生徒と出会ってきました。中でも印象に残っている生徒がいて、その生徒は好きなモデルさんが短大入学後に編入で四年制大学に入ったことに憧れ、その短大に行きたいと相談に来ました。その子は当時の自分の学力から考えて、自分の頭で大学に行くのは無理だと諦めていました。実際、中学生の英語や基本的な日本語の文法からやり直すレベルだったのですが」

その生徒に対して高木が伝えたのは「今はまだできないだけで、能力は誰でも開発できるから、行きたいならその大学を直接目指せばいいよ。誰にでも与えられた権利だし、失敗して得るものはあっても失うものはないよ」という言葉でした。

その後、その生徒は保護者に「別人になったようです」と言われるほど勉強するようになり、物事に向き合う姿勢も変わっていき、入塾当初では考えられないほどの力をつけて卒業しました。

高木 「『人は皆成長しようとする生き物であり、その成長を阻害する固定観念、無力感を取り除いてあげれば誰でも成長できる。そして、他人や世間が決めた意味ではなく、自分にとって勉強する意味を見つけ、自分の意思で選択することが重要である』。その考えにもとづき、反転授業やキミノタイムといった生徒の自発的な学びを促す教育を提供し続けました」

そうしていくうちに、キミノスクールの生徒たちには目に見えた変化が生まれていきます。

「勉強が楽しい!」生徒の気持ちが将来を明るくする

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こうして主体的な学習システムをつくり上げたキミノスクールには、通っている生徒や保護者からさまざまな形で嬉しい声が届いています。

志望校に合格した中学3年の生徒は、自分自身を「自分の意見を言わずに人に流されるタイプ」だったと話していましたが、『哲学対話』でのディスカッションを通して、自分の意見を持つだけでなく他人の意見との違いを理解できるようになりました。そして、推薦入試でのグループワークでその力が発揮され、合格につながったと実感しています。

高木 「ほかにも、今通っている生徒の中には入塾から1カ月ぐらいで勉強に向き合う姿勢が激変した子もいますね。今では『キミノスクールに通うのが毎週楽しみ!』と言ってくれていてとても嬉しいです」

生徒だけでなく、保護者からも「学校の担任の先生から『授業の受け方が積極的に変わった』と面談で褒められた」「苦手だった授業も抵抗なく勉強するようになった」など、子どもの変化にポジティブな声が上がっています。

学校での成績につながる学習以外にも、キミノスクールによって社会を知るきっかけづくりは好評を得ています。

「政治家をつくろう」という課題を掲げた『キミノタイム』では、立候補者を擁立する過程から選挙ポスターをアウトプットするまでを疑似体験し、選挙について主体的に学ぶことができます。

高木 「成人を迎えるまでに直接関わることのない物事は、子どもにとってたくさんあります。それらをテストのために覚える知識ではなく、実際自分たちの生きる社会で起きていることという実感を持ってもらい、普段学んでいることと自分の生きる世界のつながりをつくっています。それが『自分にとっての学ぶ価値を見つける』につながると思っているからです」

そして、全国どこにいてもキミノスクールに通えるようにすること。それが今後の目標だと高木は話します。

高木 「『義務教育だけでは幸せな人生が歩めないからお金を出して塾に行く』、その常識がなくなると良いと思っています。学習塾に通うというのは本来オプションのひとつに過ぎないと思うので。家庭、民間、学校それぞれが責任転嫁するのではなく、子どもが自分の人生に責任を持てることを一丸となって目指していければ良いと思います。

子どもたちが『やればできる』と信じ、自分の人生を自分で選択しているという実感を持てるよう、これからもサポートしていきたいと思っています」

教育が子どもを育て、社会を明るく変えていく。未来に希望を携えて、キミノスクールの新しい教育は続いていきます。

株式会社クルイト

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