素直さと正直さ。エンジニアとして経験を積んできたCTO加藤 彰宏が大切にする心構え | キャリコネニュース
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素直さと正直さ。エンジニアとして経験を積んできたCTO加藤 彰宏が大切にする心構え

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株式会社キュービックをけん引する「CxO」の3人。そのうちのひとり加藤 彰宏は、同社で初となる業務委託CTOという形で技術部分を支えています。キュービックに来るまでに、色々な会社を渡り歩いてきた彼が大切にしていることは、素直さと正直さでした。「キュービックCxO鼎談」第2弾です。【talentbookで読む】

残業時間月200時間!1年目で先輩を追い越した新卒時代

新卒で入った会社には4年間勤めていました。そこでは、半導体生産制御システムというシステムをずっとつくっていましたね。入社して数日で重要プロジェクトを任されていたのですが、これが結構大変で。

別の会社に出向して進めていたのですが、残業時間が月200時間くらいになっていました。月曜日から土曜日まで、朝9時から夜2時まで働き詰めの毎日でした。

入社してすぐということもあり、とにかく早く学びたかったので、近くにいる優秀な人に声をかけて色々と教えてもらっていました。

自分がステップアップできる環境をつくることは常に意識していましたね。その甲斐あって1年目を終えるころには2年目の先輩を抜かしてこちらが教える立場になりました。

当時ちょうどインターネットの流れが来ていて、周りのエンジニアもWebアプリケーション開発とかに着手していたんです。僕はクライアントのアプリケーション開発を担っていました。

ですが、もっと多くの人に使ってもらえるインターネットのシステムをつくれるようにならないとまずいと思い、転職することにしました。

2社目はWebアプリケーションの会社でした。そこには完全未経験で入ったにも関わらず、当時いたWebアプリケーションのエンジニアが、諸事情で僕が入社する前日に全員辞めてしまっていて。未経験の僕ひとりで開発や保守/運用をしないといけない状況になってしまいました。

言語も違う、データベースも違う、みたいなのを全部ひとりで見ないといけなくて……。

入社して3カ月で10キロ痩せました(笑)。

ですが、改めて振り返るとめちゃくちゃいい経験でしたね。誰も頼る人がいないから自分で調べて、トラブルもひとりで収束しなければならない状況でいろんなことを経験できました。

もう一回同じことやれと言われたら……。全然やれますね。どんと来い! って感じです(笑)。

辞めたくなることは一度もありませんでした。僕、基本的にすごく負けず嫌いなんですよ。だから、追い詰められてピンチになればなるほど「絶対にやってやろう」とパワーがあふれてくるタイプなんです。

つらいことや悔しいことがあっても、それを全部バネにして結果を出してきたという成功体験を若いころに積めたのは、今考えても非常に大きかったですね。

楽天時代。ベンチャーに目を向けたきっかけとは

▲楽天株式会社を退社する時の写真(写真真ん中で花束を持っているのが加藤)

▲楽天株式会社を退社する時の写真(写真真ん中で花束を持っているのが加藤)

2社目の企業でWebアプリケーション開発に関してある程度のことができるようになりました。それで、もっと大規模なシステム開発ができる会社で技術を学びたい、と興味が湧き始めたことが楽天に転職したきっかけでした。

楽天ではまずエンジニアとして楽天市場のWebアプリケーションの開発の仕事をしていました。楽天市場の店舗向けシステムやユーザ向けの購入履歴システムの改善などが主な業務です。

それからも楽天市場のマネージャーを任されるなど、順風満帆でした。そんな中、ベンチャーに興味を持ち始めたんです。そのきっかけは、2010年、楽天で英語が公用語になったこと。

そのころは英語をしっかり学んでディスカッションできるレベルまでならないと、と思っていて。ですが、ふと外の会社を見てみると英語を学ばなくても、色々チャレンジできる会社はまだまだたくさんあることに気付いたんですよ。

初めは軽い気持ちで見ていたけれど、知れば知るほどそこに強い魅力を感じたんです。こっちのほうがパワーをもっと発揮できるんじゃないかなって思いました。

楽天って、エンジニアもデザイナーも中にたくさんいて、優秀な人たちがそろっているんですよ。だから、外の勉強会に行かなくても全部自分たちの技術になっていたんです。

でも、そうじゃない外の世界でも、同じかそれ以上の勉強会が実施されていて。それがすごくおもしろいな、と。可能性を感じたんですよね。

こうしてベンチャーに転職。4年間働きました。CTOとしては社内へのテクノロジーの浸透や、システム開発をするための基礎づくり、エンジニアの重要性の説明から評価/育成のしくみづくり、プロダクトを開発するしくみの導入などを担当。

また、未経験ながら柱となる事業の事業長を経験させてもらうこともありましたね。

そこでは、その他の部署におけるオペレーションのしくみ化を行いました。

それ以外にも取締役としての業務など、さまざまな経験を積んだ、充実した期間でした。

キュービックを選んだ理由は「一番困っていたから」

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僕がキュービックと出会ったのは、2年前でした。色々な人から度々お話を聞かせてもらっていました。正直、これは困っていると思いましたね。当時はキュービック側も僕を活用できるほどの体制が整っていない感じでした。

自分の方でどうしたらキュービックにバリューを発揮できるか色々考えていました。ですが、ただジョインするだけでは力を発揮しきれないなと思い、相談に乗る日が続いていましたね。

そんな中、CDOの篠原さんが仲介役として間に入ってくださって、あれをしたらいいんじゃないかとか話していくうちに腹に落ちたというか。篠原さんがいらっしゃるのであれば自分もバリューを存分に発揮できるし、キュービックをテクノロジーの分野から盛り上げていけると思ったんです。

ディスカッションを重ねるうちに、将来を思い描けたことから「よし!やろう」となりました。

キュービックに来て、まずやろうと思ってたのは「中長期のテクノロジー戦略」を描くところ。ただ実際やり始めてみると、その前にもっと解決すべき課題がたくさん見つかったためそこから着手していくことにしました。

開発チームにおける稼働の見える化や、経営メンバーへの報告の道筋をつくるなど、これまでなかなか手がつけられていなかった部分の改善を進めていきました。

少しずつ改善の成果が見えるようになってきたのは、最近のことです。キュービックで働くエンジニアの業務環境を整えられ、まずは小さな第一歩が踏めた状況です。

キュービックが描く「テクノロジー」の未来として考えているのは、エンジニアだけではなく全社員がテクノロジーを活用することです。そうすることで、今でもパワフルなキュービックをよりパワフルにできると思っています。

そのためにはエンジニアのメンバーが最初にけん引していく必要があります。そして、テクノロジーを他社に勝てるような武器としてどんどん活用してもらえる環境をつくっていきたいですね。

エンジニアはシステムの翻訳者。嘘をつくことは許されない

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僕は「正直さ」を仕事のポリシーとして大事にしているんです。そもそもエンジニアって正直じゃないといけないんですよね。

エンジニアはシステムの翻訳をする役割なので、たとえば何かトラブルが起きたときにもしエンジニアが嘘をついてたら他の人たちは何もわからない世界なので、周りのメンバーはとても困ってしまいます。

だからそのエンジニアのトップであるCTOっていうのは、もっとも正直な人じゃないといけないと思ってます。当然、一緒に働くエンジニアにも「正直さ」はすごく求めていますね。

あわせて求めているのが「素直さ」。

エンジニアってこれからも時代を先取りして、テクノロジーの知識をキャッチアップし続けなければいけない職種です。なので、成長し続けていくためにも吸収力は非常に大切。その吸収力を最大化するのが「素直さ」だと考えています。

うちの会社でいうと、まず社長の世一 英仁がとても素直ですからね。わからないことは迷いなく人にすぐ聞けて、それをちゃんと自分で吸収できているんです。キュービックは比較的素直な人が多いので、これからどんどん成長していけると思うんですよね。

僕もまだまだ素直に色々なことを学び吸収していきたいです。

株式会社キュービック

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