呼吸器系、肺の専門家らでつくる国際組織「国際結核肺疾患連合」が4月6日、新型コロナウイルスの感染リスク低減のため、たばこ会社に対して製品の製造と販売停止を呼びかけた。報道を受け、ネット上では賛否両論の声が挙がっている。
同連合のガン・カン医師によると、たばこの生産や販売を止めることが、新型コロナウイルスに対抗する最善策だという。
「3カートン買いました」と買い溜めに走る愛煙家も
ツイッター上では多くの反応が寄せられ、トレンド入りする事態に発展した。中でも”生産停止”の文字に危機感を覚えたのが愛煙家たちだろう。「こんだけ場所も制限されて価格も税率も高いのになんでこんな扱いされるの?」「生きがいが……」といった悲鳴が寄せられた。
今月施行された改正健康増進法で、喫煙者には「屋内の原則禁煙」などが義務付けられたばかり。価格についても税金の占める割合が大きく、消費税と合わせた1箱あたりの税負担は6割を超える。さらに、2020年秋、21年秋には18年に続く増税が予定されている。
販売停止となると、たばこ税分が減収になるため、「実際にはないだろうな」と考えた人が大半だったようだ。しかし、中には「万が一があるかもなので確保しといた方がいいかも。3カートン買いました」などと既に買い占めに走っている人もみられた。
一方、支持者からは「タバコ生産停止は嬉しいっちゃ嬉しい。喘息悪化したのもタバコの副流煙吸ったせいだし」などと歓迎する声が挙がった。禁煙経験者の中には「禁煙したくてもできなかった人が禁煙する一助になるかも」と望みを託す人もいた。
「本来ならば厚労省からもっと早く言ってほしかった」
しかし、日本禁煙学会はキャリコネニュースの取材に「呼びかけはあまりにも遅すぎる」と見解を示した。同会は1月下旬、厚生労働省に喫煙が新型コロナウイルスの感染リスクを高めることなどをアピール。「本来ならば厚労省からもっと早く言ってほしかった」と本音を明かした。
同会によると、中国の死者データから「喫煙がコロナウイルス重症化の引き金になることは分かっていた」という。さらに、元ヘビースモーカーの志村けんさんが3月下旬に亡くなったことを挙げ、
「感染が発覚して、間もなくの訃報だったので大変ショックを受けた。元喫煙者の肺でも、これだけ短い期間で悪化するということが如実に現れたと思う」
と述べた上で「喫煙者であれば、より気を付けなければいけない」とした。