女性役員の割合が増えずに悩むインド財界 さらに女性比率が低いニッポン

国際協力団体オックスファムによる2014年夏の調査によると、インドにおける女性の労働力への参加は、G20グループ中サウジアラビアに次いで2番目に低いと報告されています。つい最近も国際通貨基金(IMF)から、

「経済成長が滞っているのは、女性が労働人口に占める割合が低いからだ」

と指摘されたばかりですが、国としても改善に取り掛かってはいるようです。3月18日のQuartz Indiaで、ムドフラ・カルニクが現状をレポートしています。(文:夢野響子)

家族の女性を役員にして「駆け込み達成」

日本では同じ手法を取れない?

日本では同じ手法を取れない?

インドはこれまでも、労働力への女性の参加不足を批判されてきました。昨年7月の時点でインド企業の役員会に占める女性の割合は、わずか6%でした。

インド政府は2013年に新しい条例を出し、証券取引委員会(SEBI)に登録されている全企業に、少なくとも1人の女性役員を置くことを義務付けました。これらの企業は2015年4月1日までに、このルールに従わなければなりません。

当初の期限は、2014年10月1日。ここから半年延長されたにもかかわらず、いまだにほとんどの企業は女性役員を任命することができないでいます。ナショナル証券取引所(NSE)の上場企業1479社のうち、3分の1に当たる451社が3月15日現在、まだそれを厳守していないのです。

企業がこれを遵守しなかった場合、何が起こるかについては確認できていないのですが、ジャヤント・シンハ金融担当大臣は、女性役員を任命しない企業に対しては「必要な処置を取る」と明言しています。

そこで、未対応の多くの企業は、新たなルールに対応する簡単な方法を見つけ出しました。それは、家族の女性を役員に任命することです。

インドの9.5%を下回る世界最低は、日本の3.1%

すでに新ルールに対応済の580社は、605のポストに529人の女性役員を任命しており、このうち少なくとも83のポストが創業者と姻戚関係のある女性に与えられているそうです。

たとえばインドの長者番付2位のムケシュ・アムバニ氏は、妻のネータをインド最大のコングロマリットであるリライアンス・インダストリーズの役員にしました。中には、1人で7社の役員会のメンバーになっている女性もいます。

女性役員の数が最も多い企業はアポロホスピタルエンタープライズなど4社で、それぞれ4人の女性役員がいます。記事にはこういった女性たちに期待するコメントもあります。

「これらの女性たちは創業者と同じ発言権を持って、男女の差を取り除いていくだろう」

ただし、これだけ問題視されているインドと比べても、日本企業における女性の位置は非常に低いままに抑えられています。

ボンベイ証券取引所(BSE)に登録されている上位200社だけを調べた統計では、役員会に占める女性の割合は9.5%と低いのですが、同じ統計で世界最低なのは日本の3.1%でした。

先進諸国が一様に役員会に女性を送り込んでいるのに対し、これは驚くべき数字ではないでしょうか。ちなみに役員会での男女差が最も少ないノルウェーでは、企業役員の3人に1人が女性だということです。

(参照)Indian boardrooms are the best at keeping women out /
451 Indian companies have two weeks to find women directors-or face the music (QUARTZ India)

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