一方で、「自覚しているマイナス面の項目」は、1位が「行動力に乏しい、率先して動くことができない」(38%)、2位が「基本的に周囲の動きを待つ、受け身・受動的」(30%)、3位が「自らの発信が弱い、自身の意見を出せない」(18%)だった。
実際の研修でも、
「講師・事務局からの指示に対し、元気に明るく、言われたとおり行動する」
「空気を読みながら、周囲の様子を伺い行動するが、場を提供すれば活発になる」
といった同調型行動が目立ったという。
全体として高いのが「自己肯定感」「自分視点軸(相手視点の欠如)」だ。研修中に実施された仮想業務でも、「自分基準」を優先した結果、「自分の考える120点の品質を目指し、納期遅れ」ということになり「仕事の目的やゴール」を軽視している傾向が見られた。
伸ばすためには「役割を明確に伝え、自己肯定感を発揮させること」
こうした結果から、新入社員は前向きな気持ちと成長意欲、自信を持ち、「良さを引き出して欲しい」と考えていると言える。調査を実施した同社は、今年の新入社員を伸ばすには「期待役割を明確に伝え、やや難易度の高い目標や役割を与え、自己肯定感を発揮させることが有効」と分析している。
また、内観の手助けを行い、「自分視点」だけでなく「相手視点、全体視点」を意識してもらう指導や、「自己成長」の観点から、「成長を実感できる身近な対象者への価値提供のチャンスを与えることも効果的」と述べている。