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「好きなゲームを仕事にできる環境を作る」 タイムチケットがesports業界に参入する理由

タイムチケットCEO・各務正人氏

タイムチケットCEO・各務正人氏

グローバル金融機関や外資系企業を渡り歩き、現在数々のIT事業会社を取り仕切る各務氏だが、実はバリバリの体育会系出身とのことで起業家としては少し変わった経歴も持っている。

「小4から高校まで、プロ野球選手を目指して本気で野球をやっていました。野球の特待生で高校に進み、3年間、寮生活で全てを練習に捧げていましたが、超高校級の選手に歴然とした差を見せつけられる場面があって挫折しました。大学はなんとなく野球の推薦で体育系学部に進学したんですけど、野球にも全く打ち込めず、遊んでいても楽しくない。結局、独学で勉強をやり直して、米国へ留学することにしました」

白球を追うことに捧げた高校時代から一転、ワシントン大学(シアトル)で情報システム、インターネット、プログラミングについて学んだ各務氏は、日本に帰国後、ITで働く人を豊かにする事業を、との思いから2004年に株式会社グローバルウェイを設立した。

「初めて見た東京の満員電車の光景がやはり象徴的で、『日本人は元気がない』と思いましたね。そこで、日本で働く人たちを取り巻く問題について調べるようになりました。うつ病、自殺、無縁死などが社会問題になっており、出る杭は打たれる閉塞感のある社会に対して課題を持ちました。米国もいろんな面がありますが、決してお金持ちではなくても人生を謳歌している人は多かったし、実績さえあれば、認めてくれるというカルチャーがあり、日本とは対照的でした。また、90年代後半の日本企業は『海外の大学は大学じゃない』といった時代遅れの日本企業も多かった。多様性がない社会の中でチャンスをつぶされている人が多くいることに強い違和感を抱いたことが、事業を興した根底にありました」

グローバルウェイが運営する『キャリコネ』は、企業と個人の情報格差を口コミという、一般の個人ユーザーの横の繋がりによって解消するためのプラットフォーム。年間5000万人が利用している。

また、2016年には個人の時間を売買できるシェアリングエコノミーのプラットフォーム『タイムチケット』事業を買収。個人のスキルや経験を可視化して、実績などに応じた取引ができる仕組みを構築し、働くことの概念を刷新した。

プロゲーマー支援がチャレンジのしやすい社会の実現につながる

0730ipo4今回、新たに『いぽすた』でeSportsに乗り出す背景にもチャレンジのしやすい社会の実現したい、という各務氏の熱い思いがあるようだ。

「私のプロ野球選手の夢は高校で破れましたが、プロを目指して大学野球、社会人野球と進み、惜しくもプロになれず、普通の仕事に就いた友人の姿も見てきました。他のアスリート同様、プロゲーマーも10代から一日の大半を練習に費やさなければなりませんが、特にeSportsで大きな賞金が出る大会は氷山の一角。eSportsを盛り上げるためには、そこのパイを増やす方向も大切ですが、選手やファンが主導してマーケットプレイスをつくり、夢に向かって挑戦しやすい環境や経験を活かしながら収入を得られる環境を実現する。これが『いぽすた』の考えです」

プロゲーマーや配信者は、「いぽすた」上でトーナメントの開催やレッスンなどを、自ら企画してチケットを販売することで、ゲームのトレーニングをしながら副収入を得られる。また、ファンやプロゲーマーを目指す人は、憧れの選手とのプレイを通して活動を直接サポートできる。腕前が認められればプロチームにスカウトされることもあるだろう。

eSportStarsに参画するJapan Killer AngelのSuzuさん(左)、Nemumiさん(中央)、YUUUUUUUKAさん(右)

eSportStarsに参画するJapan Killer AngelのSuzuさん(左)、Nemumiさん(中央)、YUUUUUUUKAさん(右)

「一般ユーザー同士で裾野の広い取引ができる『タイムチケット』に比べ、プロゲーマーとプロゲーマーを目指す人の課題解決を目指す『いぽすた』は、”一対多”の取引に重点を置いています。

ただ、理念や仕組みでは共通する部分も多いので相乗効果に期待していますね。お金や時間の関係で自力でのステップアップが難しいなど、プロゲーマーと似たような課題を持っているフリーランスの方も多いと思います。運営者としては、今後もサロンのような高付加価値コンテンツを充実させ、プロ育成と利用者をうまく循環させていくことが重要なポイントだと思っています」

日本初の女子プロesportsチーム『Killer Angels』や、『スマブラ』シリーズを主戦場とするザクレイ氏、『フォートナイト』のネフライト氏などが所属するGameWithといったプロチームが、すでに『いぽすた』への参画を表明している。今後のeSports業界で『いぽすた』は不可欠な存在となりそうだ。

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