働いていて2人以上に褒められた点があれば、客観的な長所として確証が持てるだろう。しかし、意見を求められたマツコさんは賛同しなかった。
「この方の場合は、質問をして返ってきた答えをちゃんと分析できるだけの賢い方だったから、そのあと配置が云々できるんだろうけど」として、
「世の面接をしている人が、果たしてこの質問をして返ってきた答えで、どれほどその人のスキルや本質を見抜けるかって言うと、相当無理だと思う」
とキッパリ。このオーナーだからこその成果であって、一般的な面接者はそんなに鋭くない。この手法では成功しないのではといった懐疑的な姿勢だ。「あと(面接では)嘘言えるしね」とも付け加えた。
株式トレーダーの若林史江さんは、「でも人事は嘘も見抜くんじゃないの?」と突っ込んだが、マツコさんはこれも否定する。
「嘘も見抜いたって(つもりで)入ってきたヤツろくなヤツいないでしょ。優秀なヤツ見たことないわよ本当に」
と吐き捨てた。
確かに今は面接マニュアルなどゴマンとあり、どういう受け答えが最適解なのか、ある程度予測して練習できる。ほんの十数分、仮面をかぶることが容易い人もいる。でなければ、入って3日で辞める新入社員や、口が上手いだけで仕事ができないコミュニケーション強者など採用されないだろう。
ちなみに筆者は、面接を受けに電車で往復2時間近くかけて行き、30分も話して面接は通ったものの、その後自宅でネットの適性検査を受け落とされた経験がある。最初からネット検査をやったほうがお互いのためではなかろうか。
星回りと干支で判断、もはやオカルト面接
また、若林さんは、株式業界に入るきっかけとなった会社の面接を受けたとき、社長から、「『天秤座、巳年、最高!採用!』って言われたんですよ」と明かした。人柄や長所などは関係なく、星回りや干支で決めたのだ。
もちろん珍しい決め方だろうが、採用なんて意外と、社長の気まぐれや人事の好みだけで決められることがある。マツコさんは「だからオカルトだったんだろうね」と感想を漏らした。