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「大手かベンチャーか」という議論は不毛! 自分に向いている企業探しのポイント

答えは「人それぞれ」?

答えは「人それぞれ」?

毎年、就職活動の支援を行っていると絶対に聞かれる質問があります。私自身が新卒でリクルート(現リクルートジョブズ)に入社し、その後30人規模のベンチャー企業を経て、現在ベンチャー企業の取締役やCHROを務めている経歴上なのか、

「大手とベンチャー、どっちの方が成長出来ますか?」
「大手からベンチャーだと転職しやすいがその逆は難しいと聞くので、やっぱり1社目は大手の方が良いですか?」
「独立する力をつけたいと思ったら、大手よりベンチャーの方がいいですか?」

といったもの。あまりにこの手の質問が多いのですが、これらの質問に対する回答はいつも決まっています。

「個人によって違うのと、そもそも前提が間違っているので答えようがないです」

とはいえ実際に就職活動を行う際どちらが自分に向いているのか、その選び方のポイントを今回はお伝えしていきます。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)

そもそも「大手」と「ベンチャー」の違いって?

1.「大手」「ベンチャー」の基準を主観で考える人が多い

この手の質問をする学生に逆に問いかけるのは、「DeNA、リクルート、サイバーエージェントはベンチャーですか? 電通は? 博報堂は? アトラエは? 北の達人は?」という質問です。

人によって大手かベンチャーかの基準は様々です。例えば、アトラエや北の達人をベンチャーと答えた人に「ベンチャーと大手の違いって何ですか?」と聞くと、「東証一部上場企業かどうかです」と返ってくるケースが多々あります。

しかし、アトラエや北の達人は東証一部上場企業。そうと伝えると、問いに窮する学生が数多くいます。

他にも、サイバーエージェントをベンチャーと答え、博報堂を大手と答えた学生に理由を聞くと「規模です」という答えがありました。「時価総額で言うと、サイバーエージェントって博報堂より大きいですよ」と言うと、学生は同じく答えに窮します。

決して質問をしている学生さんをイジメているわけではないのですが、こういった質問から、自分自身の認識がいかに主観的なもので構成されているかを認識して貰いたいと思っています。

本来、ベンチャー企業とは「ベンチャースピリッツ」を持ち、革新的なアイデアや技術をもとにして、新しいサービスやビジネスを展開する企業を指します。そのため、大手の中にもベンチャー企業は存在します。DeNAは「永久ベンチャー」を掲げていますしね。

つまり、そもそも大手とベンチャーは二極対立しないのに、「どちらを選ぶべきか」というのが間違えているのです。

2.大手・ベンチャーのメリット・デメリットは人、会社によって違う

「大手は○○」「ベンチャーは○○」など一般的にメリットとして言われていることがありますが、それは会社によって全く違います。例えば、

・ベンチャーは成長出来る→成長の種類が会社によって全く違う。
・大手は安定している→ガンガン早期退職募っている会社もある。
・ベンチャーの方が若い人が多い→数年すれば勝手に平均年齢はあがる。平均年齢が高いベンチャーもある。
・大手の方が給料・福利厚生が良い→会社や業界による。
・ベンチャーの方が独立する力が身に着く→人による

という風に、「~だから大手/ベンチャーの方が良いかと思っています」という“~”という前提に当たる部分が、前提から主観的に判断し、そうじゃないケースもあることが見えていない人も多いです。

まずは自分の経験から、自分自身が頑張れる環境を探すこと

「じゃあ結局自分は大手とベンチャーどっちに行くべき?」 これ対しては、まず大前提として、大手かベンチャーか、という質問をしている時点で、

・仕事で成長したい
・将来独立したい
・自らのキャリアを望む形で築いていきたい

など、仕事を懸命に頑張りたいと思っている学生がこういった質問をしているはず。なので、個人の偏った主観やおおざっぱな判断基準で企業を見るのではなく、企業自体をしっかりと見て、自分自身が頑張れる環境かどうかを見極めてほしいです。

そのためには、まず「過去の自分自身の経験」を振り返ってください。「頑張るための環境を選択した理由」や「厳しい環境でも辞めずに頑張ってきた理由」など、環境選択の要因やモチベーションの源泉を探って、どういう環境なら自分は頑張れるのかを言語化することをおすすめしています。

そうすると、「ベンチャー志望だったけど、このAという大企業なら頑張れそうだ」「大手志向だけど、Bというベンチャー企業にすごく行きたくなった」といったケースが生まれてきます。

新型コロナウイルスにより社会自体が大きく変わってきています。本質的な視点に立って、自分自身が頑張れる環境・会社を見つけて、社会で活躍していってほしいと思います。

著者近影

著者近影

【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント

同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなう

STORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。

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