KDDIグループのeコマース事業領域の中核を担うauコマース&ライフ(東京・渋谷)。大手通信キャリアグループが推進する通信サービスや金融、エンターテインメントなどの「ライフデザインサービス」のひとつとして、成長フェーズにあります。
会社設立5年目を迎える現在、会社はどのようなことに取り組んでおり、どのような人材のキャリア採用に注力しているのか。同社人事総務部 副部長の森島隆史さんに話を聞きました。(文・構成:水野香央里)
ローソンのグループ入りで会員基盤拡充
――御社はどのようなサービスを提供していますか。
当社は、KDDIグループのeコマース事業領域の中核を担うことを目的に、2019年に設立された会社です。「暮らしが満たされるお買い物体験を。」をブランドプロミスに掲げ、「au PAY マーケット」と「au PAY ふるさと納税」の企画・運営を行なっています。
au PAY マーケットは、日用品やグルメ、ファッション、インテリアなどを販売する総合ショッピングサイトです。2021年3月からは商品の魅力を生放送で詳しく紹介しながら販売するライブコマースサービス「ライブTV」を開始し、利便性だけではない、お客さまが毎日訪れたくなるようなお買い物体験を提供しております。
auのお客様でなくても利用できるオープンなサービスですが、auやUQ mobileのお客様をはじめとする「au経済圏」のECサイトとして、「Pontaポイント」やKDDIの有料優待サービス「auスマートパスプレミアム」、通信と金融のセットサービス「auマネ活プラン」などと連携し、利用促進や継続利用の強化を図っています。
au PAY ふるさと納税は、1,600を超える自治体の返礼品を掲載し、支払いにPontaポイントやauかんたん決済を利用できます。au PAY マーケット限定で利用できるポイント還元を行い、au PAY マーケットの利用促進にもつなげています。
――他のショッピングサイトの運営とどこが一番大きく違いますか。
KDDIグループのアセットを前提として、事業戦略を立案したり業務を進めたりすることができるのは大きな強みです。2020年5月にKDDIがポイントサービスを共通ポイント「Pontaポイント」に変更したことで、Pontaポイントを中心に1億人以上の会員基盤を持つこととなりました。
2024年秋ごろには「auスマートパスプレミアム」の「Pontaパス」へリブランドを予定しており、さらなる会員数の拡大を目指しています。
経験より重視したい「ビジネス面の推進力やマインド」
――現在どのような職種のキャリア採用に注力していますか。
幅広いポジションで採用募集を行なっていますが、特にサイトの企画運営にダイレクトに関わるサービス企画やマーケティング、開発領域の採用に力を入れています。
プロジェクトマネージャーは、KDDIをはじめとする関係会社や社内の他部署との連携が必要な案件のプロジェクトマネジメントで新しい取り組みを形にし、お客様やビジネスにインパクトを与えることが期待されています。
マーケティング担当は、マーケティング戦略の立案と実行を行い、購買行動を分析し、お客様の育成や定着を図るポジションです。
エンジニアでは、クラウドの設計構築、運用改善などを行なうインフラエンジニアと、事業側からの開発ニーズのとりまとめや開発・運用保守などを行うサーバーサイドエンジニア、サービスの設計開発や改善施策などを行うアプリエンジニアを募集しています。
――前職の経験などの要件はありますか。
ECの経験があればベストですが、必須条件ではありません。流通や小売、サービスやメーカーなど異業種からキャリアチェンジして入社した人も多くいます。経験以上に重視しているのがビジネス面の推進力やマインドで、これまでないものを新しく企画したり、既存の事業や施策を飛躍的にグロースさせたりした経験がある人を求めています。
エンジニアについても、EC以外の事業会社からの転職者や、SIerからの転職者もおり、それぞれ活躍してくれています。
――成長中のサービスであるというところが特徴になりますね。
そうですね。当社はEC業界の中でも後発で、ここからさらに成長させていこうという「発展途上」のフェーズにあります。お客様へのバリューを高めるために、多くの施策や企画を考えているところです。
いくつものプロジェクトが同時に動いていて、既存の推進メンバーだけでは力が足りない、人手が足りないという状況です。社内のメンバーとともに、外部から推進力を持った方に入ってもらうことで、プロジェクトを引き上げていきたいと考えています。
KDDIのストックオプションも利用可能
――御社はKDDIグループの一員ですが、企業サイトなどを見ると御社独自のミッション「暮らしのカタチをつくる」や、ビジョン「新しいコマース体験の追求」を掲げており、独立した会社という印象も受けます。
KDDIのグループ会社として、グループのアセットを利用した事業戦略や業務を行うことができると同時に、あくまで親会社とは離れた1つの会社として動いているため、自社で育まれた仕事の進め方や裁量の大きさ、カルチャーがあります。
従業員数は約400人と、KDDIと比べるとかなり小規模なので、プロジェクトチームは少数精鋭で動きますし、自分の責任や影響度を分かりやすく実感できます。メンバーと社長の距離が近く、直接コミュニケーションを取れる機会も少なくありません。
そういった「手触り感」を感じながら、スキルアップ、キャリアアップを実現できる環境が当社にはありますし、今はまさにそのタイミングとなっています。
――グループ内で人的交流はあるのでしょうか。
プロジェクトマネージャーの仕事で説明した通り、KDDIをはじめとする関係会社との連携が必要な案件がありますので、そこでの交流があります。また、グループ内にはエンジニアのコミュニティが運営されており、最新の技術情報やナレッジの共有を行っていますので、レベルの高い環境でキャリアを積みたい人にとっては魅力になると思います。
――福利厚生などはKDDIグループで共通する部分がありますか。
共通する部分もありますし、当社が独自に行なっている部分もあります。共通する部分としては、KDDIグループ各社が提供するサービスや施設などを安く利用できたり、グループ内の「じぶん銀行」や保険会社の商品を特典として使うことができたりするほか、親会社KDDIのストックオプションも利用できます。
子育て世代が多く「看護休暇」などへの理解も
――御社独自のカルチャーとしてはどのようなものがありますか。
トップダウンとボトムアップの混合が、当社のカルチャーの特徴です。会社全体の大きな方針や会社全体で目指す目標値はトップダウンで、経営層や本部長から示されますが、それを具体的にどう進めるかについては、積極的に現場の部署やメンバーに裁量を持たせて任せるボトムアップの形を採っているところが特徴です。
――働き方についてどのような取り組みを行なっていますか。
社員間のコミュニケーションや生産性の向上を目的に、出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を実施しています。管理職以外は週1日以上の出社を基本に、それ以外は業務内容や個人ワークかチームワークかなどに合わせて、出社とリモートワークを使い分けることが可能です。
また、今年6月には新宿南口近くに本社オフィスを移転しましたが、これは特に20代、30代の若手から、コロナ禍でリモートワークが多くなったことでコミュニケーションが希薄になり、何かあったときにすぐに相談できないという悩みを聞くことが増えたためです。
新オフィスではコミュニケーションエリアを広げ、社員同士でより活発にリアルの対話をしながら働けるよう環境の整備を進めているところです。
また、コアタイムありの「フレックスタイム制」を導入しています。社内には家庭を持っている世代が多いので、子育てと両立しながら働ける仕組みを整えており、例えば朝と夕方の送り迎えなどで仕事を中抜けして、その後もう一度仕事に戻ることもできます。
子どもが急に体調を崩した場合は看護休暇として特別休暇扱いにするなど柔軟に対応していますし、子どもの学校行事なども休みが取りづらいという空気はなく、上司であれ部下であれ同僚であれ、周りの社員の理解を得られる雰囲気があります。そういったところも含めてワークライフバランスは取りやすいと思っています。
キャリア採用の場で大事にしている「共感」
――キャリア採用の選考の場では、どのようなコミュニケーションを重視していますか。
選考を通じて、お互いに共感を得ることを第一に考えています。そのためにも、転職活動の中で描いているスキルアップやキャリアアップの「ウィル(意思)」と、当社が提供できる環境を確認し合い、候補者に納得してもらうことを大切にしています。
20代、30代の若い候補者と話していると、次のフィールドを考えるときには「より裁量を持って仕事ができるのか」「よりスキルアップ、キャリアアップできるのか」ということを大切にされている方が多いように感じます。
これに応えるべく、当社の戦略や解決したい課題、取り組んでもらいたいミッションについては、必要に応じて現場で共に働くメンバーの口から「この領域で力を貸してほしい。一緒に課題を解決していきたい」と直接伝えてもらっています。
ECの領域で、新しいものを作っていく、今あるものを大きくしていく、変えていく挑戦したい方、その中でスキルアップ、キャリアアップしていきたい方には、ぜひ当社のメンバーになって、一緒に会社や事業・サービスを大きくしていくことができれば嬉しいです。
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