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音声認識「アミボイス」のアドバンスト・メディア 新規サービスを企画する若手社員の挑戦を後押し

アドバンスト・メディア 平澤元宗さん

アドバンスト・メディア 平澤元宗さん

国内初の音声認識専業ベンダーとして国内シェアNo.1(合同会社ecarlate「音声認識市場動向2024」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場による)を誇るアドバンスト・メディア。2005年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場後は右肩上がりに業績を伸ばし、2027年3月期までに売上高100億円などを目指す中期経営計画を推進中です。

仕事に声を使うことが当たり前となる「新たな日常」の社会浸透を目指す同社は、現在どのようなポジションで、どのようなキャリア採用に注力しているのか。同社人事総務部 人事グループの平澤元宗さんに話を聞きました。(構成・文:水野香央里)

「領域特化」と「膨大な音声データ」が強み

アドバンスト・メディア 人事総務部 人事グループ 平澤元宗:2009年にアウトソーサーに入社し、管理部門で人事を経験。2019年にアドバンスト・メディア入社、人事総務部人事グループに配属され採用を担当。現在に至る。

アドバンスト・メディア 人事総務部 人事グループ 平澤元宗:2009年にアウトソーサーに入社し、管理部門で人事を経験。2019年にアドバンスト・メディア入社、人事総務部人事グループに配属され採用を担当。現在に至る。

――御社はどのような事業をおこなっているのですか。

当社は1997年に現・代表取締役会長兼社長の鈴木清幸が設立し、翌年に米Interactive Systems社と日本語音声認識システム「AmiVoice(アミボイス)」の共同開発を開始しました。

AmiVoiceのAI音声認識技術を中核に、クラウドサービスとしての提供や、AmiVoiceを組み込んだアプリケーションのライセンス販売、音声認識ソリューションの企画・設計・開発などを行っています。

当社のビジネスの特徴は「領域特化」で、「コンタクトセンター向け」や「議事録作成支援」をはじめとして、「医療分野」「製造・物流・金融・製薬等の民間企業向け」「建設・不動産業向け」「営業支援」「開発者向け」といった7つの領域に特化したソリューションにより、各業界のニーズに合わせた音声認識技術の応用を実現しています。

この7領域を機能面から見ると、人と人との会話に介在することでコミュニケーションを効率化する「コミュニケーション領域」、声を使って文字や数字などのデータ入力ができる「データエントリー領域」、音声認識エンジンを音声認識開発キットなどの形で提供する「API・SDK領域」の3つに分けることができます。

アドバンスト・メディアの音声認識市場(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

アドバンスト・メディアの音声認識市場(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

――AI音声認識技術については、米国の先進的なテック企業が矢継ぎ早にサービスを出して注目されています。そのような中でも競争力を維持していけるのでしょうか。

当社は今後も十分に競争力を維持できると考えています。理由の1つ目は、当社には25年以上にわたって音声認識技術に特化して事業を展開してきた、長年の実績と専門性があるからです。長期間にわたって音声データを集め、エンジンに学習させ続けてきたことは、他社が簡単には真似することのできない当社の武器だと考えています。

2つ目は、当社には「領域特化エンジン」があることです。医療・製造・物流・金融・製薬・建設・不動産など、さまざまなビジネス領域に特化したデータを長年蓄積しており、各業界の専門用語に基づく高精度な音声認識が可能です。

3つ目は、継続的な技術革新を行っていることです。近年注目されている生成AI技術を各種ソリューションに積極的に取り入れているほか、2022年にはお客様対応を24時間365日、無人で行うAI音声対話アバター「AI Avatar AOI(アオイ)」をリリースするなど、新しい技術トレンドにも迅速に対応しています。

研究組織の規模は、音声認識とそのほかのAI大規模言語モデルの研究を含めると約50人で、大きな規模と整った環境のもとで研究開発が行われています。2025年4月には独自のデータセンターを開設し、これまで収集してきた膨大な音声データや言語データを蓄積します。

これらのデータは当社の強みの中核であり、非常に資産価値の高いものです。蓄積されたデータを安全に運用しながら、研究をより一層加速させていきたいと考えていますが、働く人たちにとっても、このようなトレンド技術に取り組めることも魅力に感じていただけると考えています。

「自社サービスに関わりたい」エンジニアの応募が増えた

中期目標(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

中期目標(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

――現在はどのようなキャリア採用に注力していますか。

当社は2026年度に売上高100億円、営業利益25億円の達成を目指しています。このために重要なのが人材採用です。具体的な職種では、ビジネスサイドではセールスやカスタマーサポート、エンジニアではプログラマーや導入SEを中心に募集を行っています。

特に強化していきたいのが、エンジニアの採用です。顧客の要望を受けて機能を追加することにとどまらず、新しい取り組みが次々に生まれてきています。当社の製品の力を強化する技術を持ったエンジニアの採用には、特に力を入れています。

――どのような経験を持っている方を求めていますか。

IT業界、さらにいえばAI業界での経験がある方が、最も理想とする人材です。実際にキャリア採用で入社した社員の多くが、ITソリューションの営業経験や開発、導入経験を持っています。

エンジニアの場合、SESや派遣、受託開発で仕事をしてきた方が「自社サービスを提供する会社で長く働きたい」と考えたことが応募や入社の決め手となることが多い印象です。営業職では「新しいソリューションを使って顧客の課題を解決したい」「新しい価値を社会や顧客にもたらしたい」と考えて入社し、活躍してくれている人が多いですね。

ただし、特定の専門技術だけを求めているわけではなく、さまざまな経験を持った人に活躍してもらうことが、会社にとって一番いいと考えています。AI分野は日進月歩で、ものすごいスピードで変化しています。開発やSEの経験者を広く募集し、入社後にその人の能力や経験に合わせて、部署や業務の割り当てを行うようにしています。

たとえば、当社の特化領域であるコールセンターやメーカー、医療などそれぞれの業界で培った経験や知見も十分に生かせると考えています。特に若手社会人については、経験とともにポテンシャルも見ながら採用を行っていますので、本人の志向性やマインド、私たちのビジョンにマッチする方と一緒に、事業に取り組んでいきたいと考えています。

年次に関係なく「新たな挑戦」を後押しする社風

「CEATEC 2024」にも出展したAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」(プレスリリースより)

「CEATEC 2024」にも出展したAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」(プレスリリースより)

――御社が求めている人物像とはどんなものでしょうか。

1つ目は、顧客志向です。当社の事業は、音声認識を使ってさまざまな分野のビジネスを効率化し顧客の課題を解決することですが、「音声認識」という言葉を聞いて、自社でどう活用できるのかをパッと思いつける方は、そう多くはありません。

したがって、私たちの方から顧客課題に合わせた製品やサービスを提供していくことが必要です。現状の業務上の問題点や課題のヒアリングを行い、「それならこういう方法はどうですか?」「こういう製品を試してみましょうか?」と提案を行います。

導入後も、顧客に伴走しながらよりよい解決方法を探していくので、「とにかくモノを売ればいい。開発すればいい」ではなく、顧客の課題解決を念頭に置けること、顧客志向であることが大切だと考えています。

2つ目は、チャレンジ精神です。私たちは新しい音声認識の分野で事業を行っていますので、新しいことに対して挑戦する精神を持っている方や、自分から主体的に動ける方を求めています。

会社としても、チャレンジを後押しする社風があります。「こういう研究がしたい」「こういうプロジェクトを推進したい」「こういう製品を作りたい」といった新しいことに挑戦することがやりやすい会社で、希望に応じて年次や役職に関係なく、チャレンジを後押ししています。

――最近新しいチャレンジで生まれたものはありますか。

先ほど少し紹介したAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」は、入社3年目の若手社員が中心となって「こういうものがあったらいんじゃないか」「こういうこともできるんじゃないか」という発想から生まれ、事業化したサービスです。

「AI Avatar AOI」はメタバース空間やさまざまなデバイス上で利用できるAI音声対話アバターで、独自のAIシステムを使った自然な対話で顧客対応ができます。これにより、無人での顧客対応にとどまらず、例えば会社のマスコットキャラクターの話し方や性格を設定し、新しい顧客体験を生むことも可能になります。

当社は「人とキカイとの自然なコミュニケーションを実現し、豊かな未来を創造する」をビジョンに掲げ、音声認識の市場を開拓してきました。今あるものだけでなく、まだ世の中にないものを作り出しながら、音声認識を使って顧客や社会によりよい未来を提供していきたいと考えています。

独自制度「1日の所定勤務時間は7時間」

アドバンスト・メディアのオフィス

アドバンスト・メディアのオフィス

――専門性の高い会社ですので、キャリア入社の人たちはうまく会社に馴染めるか、活躍できるか不安な部分もあるかと思います。

当社の研修は会社全体のメニューに加え、配属部署ごとにOJTを含めた研修をじっくり行っているのが特徴です。キャリア入社の方には即戦力を期待する部分もありますが、まずは当社の社風や音声認識ビジネスに慣れてもらい、半年から1年かけて学習してから独り立ちできればいいと考えています。

社員間のコミュニケーションの活性化としては、四半期に一度開催される社内交流会で、直近の大きな取り組みや技術的な情報を共有するほか、社員同士で趣味を共有するようなラフなテーマを設定することもあります。

年に1回、社員表彰では、数字的な成績だけではなく、定性的な評価も含めて各部署からの推薦をもとに優秀社員の表彰を行っています。最近では、新卒で入社して3年前後の社員が上位の表彰を受けました。

また、社内報の製作に力を入れていて、紙とWebの両方で発行しています。会社の規模が大きくなるほど部署間のへだたりが生まれてしまうので、部署をまたいだコミュニケーションの活性化を目指しています。

――働き方について特徴的な施策はありますか。

1日の所定勤務時間は7時間で、一般的な企業に比べて短くなっています。午前7時から11時の間で勤務開始時間を自由に変えられる時差勤務制度を取り入れているほか、育児の時短勤務の対象を、小学4年生未満のお子さんに拡充するなど、働きやすい環境の整備を進めています。

リモートワークについては、月4日以上の出社を基本ルールとしています。エンジニアは毎週1日出社する社員が多く、約8割がリモートで働いています。営業職は週2、3日リモートで働く社員が多いです。

当社の社員はさまざまなバックグラウンドを持ち、考え方も働きやすいと感じる環境も異なります。画一的なルールを守ってもらうより、いくつかの選択肢の中から自分にとって一番パフォーマンスを出しやすい働き方を選んでもらいたいと考えています。

未来のキャリアプランやビジョンを聞かせて

アミボイスのブランドメッセージ(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

アミボイスのブランドメッセージ(「2024年3月期決算説明資料」2024年5月15日より)

――さまざまな経歴を持つ方が働ける環境といえますね。

よく候補者から「音声認識の技術を知らないとダメですか?」「AIの知識がないといけないですか?」と聞かれますが、本当に広くいろいろな経験をしてきた方に、当社に入社して活躍してもらいたいと考えています。

特に20代、30代であれば、スキルの高さや過去の成果の大きさだけでは採用の判断をしていません。会社としても社員一人ひとりの成長を非常に重要視していますし、入社後は本人の志向性や武器となるところを生かして配置を決めていきます。

当社の創業者で代表の鈴木清幸は、採用について「私たちは未来づくりの旅をしていて、その仲間を集めていくんだ」とよく話しています。過去の経験や現状のスキルにとらわれず、「こういうキャリアを築きたい」「こういうふうに成長していきたい」という未来のキャリアプランやビジョンを、ぜひ面接の場で私たちにぶつけてもらえたら嬉しいです。

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