受託開発のレヴェル エンジニアが幅広い仕事に携われる「いいとこ取り」の働き方 | キャリコネニュース
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受託開発のレヴェル エンジニアが幅広い仕事に携われる「いいとこ取り」の働き方

東京・日本橋に本社を置く株式会社レヴェルは、高品質の受託システム開発を行う会社として知られる。東日本大震災の後には復興支援を兼ねて宮城・仙台に支店を設置し、社員の提案を踏まえ社内教育も充実させた。同社代表取締役の夏栗修一社長と、東北支店マネージャーの多田敬一郎氏、教育研修担当の梅木貴寛氏に話を聞いた。

「品質特別賞」のトロフィーを前に。(左から)株式会社レヴェル代表取締役の夏栗修一社長、教育研修担当の梅木貴寛氏

「品質特別賞」のトロフィーを前に。(左から)株式会社レヴェル代表取締役の夏栗修一社長、教育研修担当の梅木貴寛氏

――御社は現在、どのような事業を行っているのでしょうか。

夏栗 設備建設業、物流運輸業などのシステムの受託開発が主な事業で、大手企業のシステム開発を上流工程から一括で請け負っています。

富士通コアパートナー認定を初期のころから継続的に受けており、「富士通グループコアパートナーフォーラム2016」で「品質特別賞」の表彰をいただいたこともあります。

――社員研修に力を入れているのだそうですね。

夏栗 業界には、社員に教育をきちんと施さないまま現場に投入してしまう会社もあります。しかし、それでは業務の品質を確保することはできませんし、仕事のパフォーマンスも上がりません。

当社では、新入社員に少なくとも4か月、場合によってはそれ以上の時間をかけて研修を受けてもらい、プログラミングの経験がまったくない新人でもエンジニアに育てあげる体制を作っています。研修を充実させたことで、業務に入ってから戦力になる社員が増え、定着率も高まりました。

社員の習熟度に応じて研修をカスタマイズ

――研修メニューは自社で考えているのですか。

梅木 はい。テキストを社内で作成し、社員ごとにカスタマイズもしています。私は入社後すぐに新人研修として2か月間、外部機関の研修に参加させてもらったのですが、実習はあるものの大人数で受講する学校形式なのでどうしても一般的な内容となり、業務に入ってからのギャップが大きいと感じました。

入社2年目になり後輩が入社してきたころから、当社の業務に合った教育が必要なのではないか、と考えるようになりました。そこで社内で新人研修を実施させてほしいと社長に直談判したところ「ぜひやろう」と快諾してもらいました。

計画やテキスト作成など準備には時間がかかりましたが、2015年度から社内講師を担っています。いまでは社員一人ひとりの能力や習熟度、適性などに合わせ、説明の仕方を変えたり、出題する問題を変えたりしています。

研修の範囲は、パソコンのしくみから、業務で使うプログラミングについて、基本的な知識をひととおり学んだ後、業務で実際に行うのと同じ流れで簡単なシステムを作るところまでやります。

教育研修を担当する梅木氏「社長に直談判したところ、快諾してもらいました」

教育研修を担当する梅木氏「社長に直談判したところ、快諾してもらいました」

――研修はどのような点に注意して行っているのですか。

梅木 研修後に現場の業務についたときに、ソースコードの品質が担保できるように、きちんとした力をつけることが大事だと思っています。そのことで自信を持つことができ、仕事を好きになることにつながります。

研修のやり方としては、文字だけでなく図解を入れた教材を準備するなど、コンピューターやシステム、プログラムの基礎知識がない人にも興味を持ってもらいながら、楽しく理解できるよう工夫も行っています。

私個人としてはずっとプログラミングをしていたいタイプなのですが(笑)、その一方で、一人ひとりの仲間の力がついていかないと、会社の底力もついていかない。そういう思いで、業務でつまずきそうな部分について重点的に勉強してもらうような取り組みもしているところです。

社内研修の良いところは、個人の理解度に合わせて進められますし、業務が変化していっても当社の業務に沿った教育ができることだと思います。

東日本大震災後に生まれた「想い」

――御社には東京本社のほか、仙台に支店がありますね。

夏栗 はい。震災の年、2011年11月1日に開設しました。

――なぜその年に、なぜ仙台だったのですか。

夏栗 私がまだエンジニアとしてシステムに関わっていたころのことですが、仙台の企業のシステム構築に携わる機会がありました。誠実に対応して下さるクライアントと接する中で、仙台という土地が好きになっていき、支店を出すなら仙台かな、と漠然と考えていました。

ちょうど社内ニアショアの拠点展開を考え始めたころ、東日本大震災が起こりました。その後、2011年7月に復興支援の一環で実施された仙台での転職セミナーに参加する機会があり、様々な方とお会いしました。

東北にシステムの仕事がなく、就職できない方ややむを得ず大切な人と離れて暮らしている方の生の声を聞き、私の事業で何か貢献できないかという想いが心の中に生まれました。その時に応募してきてくれたうちのひとりが、現在のマネージャーの多田です。

東北支店マネージャーの多田敬一郎氏「震災後に地元で働きたいと考えていた」

東北支店マネージャーの多田敬一郎氏「震災後に地元で働きたいと考えていた」

多田 当時、私は東京の会社で働いていましたが、私も妻も東北出身ということで家族を案ずる毎日を送っていました。これまでの経験を活かしつつ東北で働ける機会があればと思っていたところ、転職サイトの小さな募集欄でレヴェルに出会いました。

現サブリーダーの三浦も、その小さな募集欄で当社を見つけた一人です。彼は仙台の会社に就職したものの、家族と離れ東京の事務所に出向中でした。奥さんと小さなお子さんを仙台に残しての単身赴任はとても心配だったと思います。

レヴェルならではの「仙台で働くメリット」

夏栗 東北で仕事をしたい優秀な人材がいるが、働く場所がない、仕事がない。そんな状況の中で、多田、三浦との出会いと社内ニアショアの拠点展開がリンクし、今こそ仙台に支店を立ち上げるべきだ、と決断しました。

決断から4か月、異例のスピードで東北支店の開設が実現しました。事務所を探してたくさんのビルを回りましたが、亀裂が入っていたりタイルが剥がれていたりと被害を目の当たりにし、ほんの少しでも復興の力になりたい、と強く思いました。あの夏もとても暑かったことを覚えています。

開設から7年が経とうとしていますが、中途入社の仲間が2人、2017年には待望の新卒社員1人が入社し、5人となりました。現在はパートナーさんも含め8人体制で仕事をしています。

社名のレヴェル(Rever Aile)は「想像の翼」を意味するフランス語

社名のレヴェル(Rever Aile)は「想像の翼」を意味するフランス語

――仙台ではどのような仕事をしているのですか。

多田 開設当初は東京本社で受託した仕事の一部を、いわゆるニアショアとして携わることから始めたのですが、いまでは業務量の約6割が東北の地場のユーザー企業の仕事です。 おかげさまでそちらの仕事も増えていますが、会社としてニアショアの役割も重要ですので、バランスを取りながら仕事を進めています。

――御社の東北支店で仕事をするメリットは感じていますか。

多田 受託の窓口が東京にあることで、拠点が東北だけの会社よりも幅広い仕事に携われますし、いわゆる常駐型ではないので様々なスキルをつけることができる機会があるのでエンジニアのキャリアを考えるうえでメリットがあります。東北支店の新入社員も、東京本社で同じカリキュラムの社内研修を受けられるのも魅力です。いわば「いいとこどり」ですね。

また、私たちのように東北出身で、地元で働きたい、地元に貢献したいと考えている人は、仙台で仕事ができること自体が大きなメリットになります。支店メンバーの内、私を含めて3人は当社に入ってからマイホームを買いました。文字通り地に足をつけて充実した日々を送っています。

私は何度か転職を経験してきましたが、レヴェルは社員の裁量にまかせてもらえる範囲が広く、さまざまな工程の仕事に携わることができます。とてもやりがいがあり、成長できる環境が当社にはあると実感しています。

仕事に対する「真摯な責任」を大事にしたい

――会社として、今後の新しい取り組み構想はありますか。

夏栗 基本的に受託開発をしっかりやっていきます。そのうえで、これまでのノウハウを活かした、他にない当社独自の製品やサービスを作り上げることも、これからやっていかなければ、と考えています。

新しい技術を使い、基幹システムにつなげるツールなどを開発し展開していきたいですね。そのような展開をするためには、製品のデリバリーをするスタッフや、サービスを運用するSEが必要になり、新しい適性やノウハウを持った人材の採用も進めていきたいです。

代表取締役の夏栗社長「望ましい人材像は、好奇心や探究心が強く、自分の意見がきちんと言える人」

代表取締役の夏栗社長「望ましい人材像は、好奇心や探究心が強く、自分の意見がきちんと言える人」

――御社は現在、新卒および中途採用を募集しているそうですが、どのような人物像を望ましいとされているのでしょうか。

夏栗 文系理系問わず、ITで企業に貢献するしくみを作り上げる仕事に興味があり、好奇心や探究心が強く、自分の意見がきちんと言える学生が望ましいですね。そして、仕事に対し真摯な姿勢を持って欲しいと思っています。

当社は「信頼を得るために協調・責任・挑戦を習慣化します」という行動指針を掲げています。受託開発が主な事業ですので、約束を守り、掲げた目標を達成し、やるべきことを完結させる「責任」がとても大事です。

そして、「責任」を果たすために、相手を思いやり、理解し合うコミュニケーションを取れる協調性や、常に前向きに肯定的に考え、あきらめずに改善するチャレンジ精神も大切です。この3つを理解し、行動に移せる人は歓迎したいです。

――東北支店のマネージャーから付け加えていただくことはありますか。

多田 私たちの仕事であるシステム開発は、チームで行う仕事なので、協調性のある方と一緒に働きたいですね。また、仕事に対する真摯さはもちろん必要ですが、メリハリをつけて働けるということも大事だと思います。

当社では6月に年1回、保養施設である会員制リゾートホテルを会場とした1泊2日の社員総会を開いています。そこでは経営の数字の共有や各グループの発表が行われます。オープンにされるので自分の貢献や責任がとてもよくわかり、働き甲斐があります。

その後、食事会で楽しく過ごしたあとは、カラオケ、マージャン、ゲームなど気の合う仲間たちと楽しみ、次の日は観光やテニス、ゴルフなどでリフレッシュをしています。オンとオフの切り替えを大事にする当社ならではのイベントだと思いますね。

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