26歳→28歳、成長の座標軸。さまざまな「成長痛」を得て、自らがつかんだキャリア
マーケットワン・ジャパンに入社して2年。遠山 絢子はプロジェクトマネージャーのチャレンジ制度を受け、この春からプロジェクトマネージャーへの道を歩み始めました。セールスアナリストで入社した彼女が、どのように経験を積み、実力をつけてきたのか。2年間の成長を振り返ります。【talentbookで読む】
日本の技術を海外に広めたい想い、2年間の成長
学生時代、途上国でのインターンシップの経験から、それらの国の基盤を支える日本の技術を、世界に広める支援をしたいと考えるようになった遠山 絢子。
彼女がファーストキャリアに選んだのは、海外にも拠点を持つBPOの会社でした。しかしコンタクトセンターや本社での営業を経験する中で、自分の未来のビジョンが描けなくなった遠山は、自分が本当にやりたいことを実現できる場を探すため、その会社を退職します。
その後1年間、資格の勉強をしながら将来への自問自答を繰り返す遠山に1通のスカウトメールが届きます。それは、マーケットワン・ジャパン代表 山田 理英子からのものでした。
遠山 「そのメールに書いてあった『マーケティングを通じて“行くべき場所 “へ行く。企業活動を手助けする』という言葉に引かれました。マーケティングは考えたこともなかった仕事でしたが、初めての領域で学びも多い。この会社ならやりたかったことができるのではと思い入社を決めました」
遠山が最初に携わったのは、電話で各社にアプローチするテレマーケティンググループのセールスアナリスト。しかしコールの経験はあったものの、前職は電話を受けるインバウンド業務。マーケティングも初めての経験だったため、当初はさまざまな業界や商材、コールの仕方を学ぶところからのスタートでした。
遠山 「本当に基礎の部分で戸惑いました。IT業界の商材が多いので、その基礎がわかっていないと自信を持って話せませんし、何をポイントにヒアリングすれば良いのかも、ベテランの皆さんのように感覚として持っているわけでもありません。
だから最初は電話をかける前に、自分なりに何を伝えるのか一言一句言葉にし、スクリプトにまとめていました」
ターゲットの企業に電話をかけ、せっかくキーマンにたどり着けても、十分なインタビューを取れずに終わってしまえば、それまでの努力が水の泡。自分がポイントをおさえ、相手に言うべきことを伝えるため、会話の流れをプロジェクトごとに自身でスクリプトに落とし込み、商談に臨んでいたのでした。
遠山 「ただ、その準備にものすごく時間を取られていたんです。また電話での会話も、相手の方から『何か読んでいるの?』と言われるぐらい棒読みになってしまって。最初は本当にカチカチに緊張していました」
自分でスクリプトを何度も書き直すことで、プロジェクトの本質を把握
当初は、事前の準備に時間がかかる中、自分に任せられたプロジェクトのインタビュー数をこなすだけで精一杯だった遠山でしたが、徐々にその勘どころや精度が上がっていきます。
遠山 「準備の時間が短くなり、インタビューも効率的にこなせるようになると、そもそものプロジェクトの目的やクライアントが求めていることなど、プロジェクトの全体像を追いかけられるようになってきたんです。
プロジェクト前のミーティングでも、クライアントにどんどん質問する余裕と自信もでてきて、段階的にですが成長しているのを実感しました」
彼女が成長したのは、もちろんコールの経験を重ねたこともありますが、それだけではありません。ひとつのプロジェクトのスクリプトを何度も書き直し、課題やニーズを捉えられる会話ができているか、言うべきサービスを訴求できているかを自分なりに何度も振り返り。
周囲から聞こえてくるコールの声や、先輩方の資料などを参考にしながら、日々スクリプトをバージョンアップする作業も、彼女の自信にもつながっていったのでした。
遠山 「そのころから、最初は指示を受けていただけの社内のミーティングでも、自分から積極的に発言できるようになりました。ただ一方で、経験を積んで質が担保されれば、次は仕事の効率性も求められるようになります。
私自身、用意周到にしないと不安なタイプで、スクリプトの作成などは考え込むと平気で1時間ぐらいかかってしまいます。9時から18時までの限られた時間の中で、うまく時間をやり繰りして業務を回していくのは、本当に大変でした」
丁寧に準備をするほど、考える時間は長くなり、コールの時間は削られてしまいます。実際に当時の遠山の1日のコール数は、他のセールスアナリストに比べかなり少なく、彼女自身もそれに負い目を感じていました。
遠山 「コール数が伸びないのは、正直苦しかったですね。時間が足りず、1日があっという間に終わってしまう毎日でした。ただ、どうしてもプロジェクトマネージャー(PM)のステップに進みたかったので、そのための準備として、今は頑張らなくちゃいけないときなんだという思いで日々過ごしていました」
どん底からの復活を支えたプロジェクトマネージャーへの想い
PMを目指して日々奮闘していた遠山ですが、入社して1年が過ぎたころ、周囲から「辞めてしまうかもしれない」と心配されるほど、落ち込んだ時期がありました。
遠山 「そのときは、本当にどん底でした。仕事の質を上げるための業務は好きだったし、実際にできている実感もあったのですが、どうしても効率的に仕事ができなかったんです。
マーケットワンはクライアントの期待に応えるために、仕事の質とともに期日も求められるので、効率よく仕事を進めなければならないことはわかっているのですが、自分の限界が来てしまって。
このまま続けていて、いつPMになれるんだろうという迷いが出てきたんです。夏なのにインフルエンザにかかってしまい、体調もボロボロでした」
準備に時間がかかりすぎて、コールの時間をつくらなければならないのはわかる。でもその準備は、自分が成長する上で必要な時間でもある。高い質と効率性のジレンマの中で、自分自身を見失いかけたと言います。
遠山 「でも、この会社で本当にやりたかったPMにもなっていないのに、これで断念して本当に後悔しないの?苦しいけど、いつPMになれるのかもわからないけど、それはきっと良くない。
今はPMになるための試練の時期だと冷静に考えられるようになったんです。そこからは、もう気力だけ(笑)。準備は十分にできているのだから、とにかく電話をかけてしまえ!という感じでした」
相手のキーマンの情報が十分に取れていなくても、対等に話せるスキルはあるはず。会話の流れもイメージきている。あとは勢いだけだと自分に言い聞かせ、ひたすらコールを続けたのでした。すると、それまで頼っていたスクリプトを見なくても十分にやり取りができ、会話によりテンポが生まれたのです。
遠山 「自分なりの知識やトークのスキルが、いつの間にか身についていたんだと思います。そこからは、スクリプトの文字量も大幅に減って。ちょうどそのころ、チームのトレーニング担当が『絢子さんは、コールにあった話し方ができているね。
スクリプトを読んでいる感じがなく、スムーズに自然体で話せている』と言ってくれたんです。第三者が聞いても、スムーズに話せるようになったんだと、うれしかったですね。そこから、より自分のテンポや流れで話せるようになりました」
目の前に靄がかかりPMというゴールが見えない中、動いても動いても状況が好転せず、「なんのためにコールしてるんだっけ」と疑心暗鬼になっていた遠山。ただその靄が晴れたとき、彼女はそのゴールのすぐ近くまで来ていたのでした。
プロフェッショナルとして一人前になるため、学べることはすべて学ぶ
自分がPMという目標の間近まで来ていると気付いたそのころ、社内でPMの公募がありました。遠山は迷うことなくそれに立候補。4月からのPMのチャレンジ制度経て、この6月から晴れてPMとして、テレマーケティングのプロジェクトに携わっています。
遠山 「PMになって、仕事の視点はかなり増えました。これまではプロジェクトの成果だけを考えれば良かったのですが、PMはその成果を導き出すために、セールスアナリストや営業が動きやすいよう、社内の体制を整えなければなりません。
またその成果が、クライアントの期待に応えているものなのかどうかを見極めながら、プロジェクトを成功に導くとともに、次につながる提言もしなければなりません。その上で、先のリスクも見据えて行動する責任もある。今までとは違う頭の使い方に、脳が筋肉痛を起こしています(笑)」
マーケティングのプロとしてクライアントに意見を述べる以上は、プロジェクトのゴールが正しいかどうか、将来につながる仕様になっているかどうかを、常に適切に判断しなければなりません。遠山はそれができるようクライアントと認識を擦り合わせながら、一方で、頭の中に常に疑念を持ち、フラットな判断ができるように心がけています。
遠山 「まだまだ先輩の知恵を借りながらなので学ぶことが多くて大変ですが、今、自分が納得できるまで突き詰めておかないと、この先きっと後悔すると思うんです。教えてもらえる今の時期に、学べることはすべて学ぼうと思いながら、日々過ごしています」
新たな領域に踏み込んだ分、新しい苦労はありますが、それは未来へ向かうための「成長痛」だと笑って語る遠山。PMというひとつの目標にたどりついた今、彼女は次のステップに向け準備を始めています。
遠山 「この会社に入った一番の目的は、学生時代に思い描いていた、日本企業の海外進出をサポートすることです。今、国内で飽和状態になっている市場の海外での開拓も含め、グローバルに役に立ちたいという想いは変わっていません。
今のマーケットワンのサービスを活用してそれを実現できるよう、自分自身もさらに知識や経験を積んでいこうと思っています」
悩み、もがきながらも、さまざまな苦労を次に進むための大切な時間と考え、一歩ずつゴールへ向かう遠山。今、感じている「成長痛」が消えるころには、PMとして第一線で活躍する彼女の姿に出会えることでしょう。
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