【シリーズ東大式エゴグラム 第一話】新規事業を立ち上げ営業部長に(CP優位)
2019年12月2日。エスプールグループに新たな子会社「株式会社エスプールリンク」が誕生した。同社で執行役員兼営業部長を務めるのは原 慎之介。東大式エゴグラムでCP(Critical Parent)優位という結果が出ている彼の異例の昇進の軌跡を追った。【talentbookで読む】
強いリーダーシップと責任感。事業成功にかける思い
【東大式エゴグラムとは】
自己分析手法の一つ。50の質問に答えることで、5つの自我状態を可視化したグラフを得ることができる。5つの自我状態であるCP(責任感が強く厳格)・NP(思いやりがあり受容的)・A(現実的で理想的)・FC(明朗快活で創造的)・AC(感情を隠し遠慮がち)のバランスから性格を割り出す。
株式会社エスプールリンクは、地方にコールセンターを設置して企業の採用支援を行う、いわば「地方創生×採用支援」の二軸を価値としている会社である。提供しているサービス「OMUSUBI」では、企業の採用業務を一手に引き受けることで顧客企業は本業に専念することができる。
この会社の立ち上げ時から3年半にわたり関わっている男が、現在執行役員と営業部長を兼任している原 慎之介だ。
原 「私の仕事は、企業様に対して自社サービスのご提案をすることです」
彼が取引するのは、様々な業種の会社の人事担当だ。その中には、広く名前が知られているような大手企業も含まれる。
原 「この仕事をしていなければ決してお会いできなかったような企業の人事部長の方にご提案することもあります。契約が増えるたびに、自社HPに提携企業様のロゴが増えていくのをみるとやりがいを感じますね」
営業部で20人の部下を抱える原は、東大式エゴグラムでCP優位という結果を出している。CP優位の人間は理想を追求し、強いリーダーシップをとるという傾向があるといわれているが、まさに彼はそれを体現したような人物であるといえるだろう。
原 「今まで引き抜きの話が来たこともあります。転職しようか考えた時期もありました。しかし、今は私を信じてエスプールリンクに入ってきてくれた部下がいるので、責任をもって事業を成功させたいと考えています」
いったい彼は、エスプールでどんな道のりを経てこのポジションにたどり着いたのだろうか。彼のキャリアや想いから、原の上昇志向と責任感が明らかになってきた。
密度の濃い大学生活──二度の就職活動で気がついた「働く意味」
原 「大学時代しかできないことを全部やりきりました」
大学生になって石川県から上京してきた原は、東京での生活を満喫した。複数のサークルを掛け持ちし、長期で旅行に行き、よく遊んだ。
ここまでは一般的な大学生と差は無いように思えるかもしれない。ただ、原の特筆すべき点は大学時代からすでに事業を手掛けるという経験を積んでいたことだ。
原 「大学が支援してくれる環境があったので、周りにも起業する人が多かったですね」
留学生の多い大学で最初に手掛けた事業は、外国人に日本でのアルバイト先を紹介するという内容だった。マネタイズは大学の助成金で行い、留学生にも紹介先の企業にも負担がかからないものであった。
彼が携わった事業はもう一つある。それは、現在も大学生の間で広く認知されている時間割アプリの事業だった。
原 「このアプリでは、時間割をクラウドで共有することができます。今では大手就職活動会社が運営していますよ」
そんな原は、3年生の秋ごろに大手志向の就職活動を始めた。
原 「僕のような地方出身者は、特に大手志向が強いように感じます。友達との間でも、名前の知っている企業に入ってなんぼ、という空気がありました」
友人と競いながらさまざまな企業のインターンや選考に参加し、難なく大手の内定を掴みとった原だったが、単位が足りず大学を留年することになった。そこで翌年改めて就職活動をするにあたって、ある考えが心に浮かんだという。
原 「ちょうど大手企業の倒産や不祥事が続いたこともあって、自分の就職活動について考え直したんです。仮に大手企業に入社したとしても、その会社が10年後に倒産している可能性だってある。そうなった場合、自分には流れ作業のスキルしか身についていないと想像がつきました」
それなら若いうちから自分自身のスキルを磨けるベンチャー企業のほうが合っていると感じた原。こうして彼は、方針を大きく転換してベンチャー気質の強いエスプールに入社することを決めた。
エスプールでのキャリア。異例の昇進とそれに伴った苦悩
学生時代に起業を経験していた原は、社会人になっても大きなギャップは感じなかった。
原 「今までと違って感じたのは時間が制約されることと、朝しっかりと起きなければならないことくらいでした」
そんな彼にとっても新入社員という立場は大変なことが多かったが、上昇志向の強い原は忙しさも楽しむ日々を送った。
原 「新しい環境というものは大変だと割り切っていたので、とにかくがむしゃらに頑張りました。研修からとことん数字の結果を出すことにこだわりましたね。今振り返ってみると、大変だったけど最初から楽しめていたと思います」
努力の甲斐もあって研修で優秀な結果を残した原は、新事業部に配属された。
ここで、原はすぐに結果を出して昇進することになる。しかし、早い昇進は彼の悩みの種となった。
原 「私がその部署に配属されたときには先輩や上司が10人以上はいました。しかし、昇進とともに今まで自分の上司だった人や、年上の方が私の下で働くことになったんです。特に同期が部下になったときには、伝え方などが難しくとても悩みました」
そんなときに発揮されたのが、彼の持ち前の責任感の強さだった。
原 「昇進は、私のことを信じてその役職に任命してくれている上司がいて実現します。上司の期待に応えるためにも、その役職で頑張ろうと思えました。私自身の『偉くなりたい』という野望に近づくことにもつながりますしね」
こうして自分なりに心の整理をつけた原は、営業としての業績を上げていく。
原 「モチベーションが上がるのはやはり新規の受注をいただいたときですね。とくに、事業が始まったばかりのとき受注した一社は本当に重みがありました。事業として結果を出さなければならない部分は大変ですが、やりがいがそれを上回っています」
今のところ、原は仕事上で壁を感じたことはないという。
原 「まだまだ自分が未熟だからだと思います。これから壁にぶつかることもあると思いますが、乗り越えて一段階成長したいですね」
やりがいは「感謝」。次なる目標に向かってひた走る
冒頭でも述べたように、原の所属する事業では「地方創生×採用支援」を軸としている。
原 「地方では仕事が中々見つからないという問題があります。働くために都会に出向くと、さらに過疎化が進んでしまうという悪循環ができてしまいます」
この問題を解決するために、エスプールリンクでは地方にコールセンターを設置することでその地域での雇用を生み出している。そして、その雇用を生み出すためにはコールセンターに採用業務を委託する企業が必要となるのだ。原は、自分の営業の仕事が回りまわって地方での雇用につながっていることに大きなやりがいを感じている。
原 「今でも地方で働く方とお会いするために2、3カ月に一度は地方に出向いています。そこで、自分の営業がきっかけで仕事が出来た方から感謝されることがあります。他の人の生活を支えるためにも、よりいっそう営業の仕事を頑張ろうと身が引き締まる思いになりますね」
彼が生き生きと仕事をする環境は、エスプールの柔軟な社風によって支えられている。
原 「組織の仕組みを時代に合わせて変え続けるためには、現場の意見を聞くことが必要です。この会社は、管理部が一方的に指導するのではなく現場を大切にしてくれているなと感じます」
原は、そんなエスプールで二つの目標を掲げている。
原 「一つ目の目標はエスプールリンクを、私が採用に関わった人や一緒に働いている人が入社して良かったと思える会社にすることです。そして、もう一つの目標は、エスプールリンクをエスプールグループで一番大きな会社にすることです。せっかく立ち上げから携わっているので、そこまではやり遂げたいですね」
今後、エスプールリンクはどのような発展を遂げるのだろうか。原の活躍から目が離せない。