「観察が信頼関係への第一歩」派遣から正社員採用に繋がったコミュニケーションの秘訣 | キャリコネニュース
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「観察が信頼関係への第一歩」派遣から正社員採用に繋がったコミュニケーションの秘訣

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旭化成アミダスに派遣スタッフとして入社後、未経験だった医療用部品の製造現場に勤めはじめた足立 卓拓。自身の努力、そして職場や派遣元である旭化成アミダスのサポートもあり、1年半後に念願の正社員となることが決まりました。その合格の知らせは人生の節目とも重なって──足立のこれまでのキャリアを振り返ります。【talentbookで読む】

周囲の人が導いてくれたキャリア、そして旭化成アミダスとの出会い

大学を卒業後、趣味が高じて中古車販売の営業を経験。その後、福祉業界で働いていた母からの勧めもあり福祉業界へと足を踏み入れました。

そして、その後に入社することになる旭化成アミダスとの出会いは、友人との会話がきっかけでした。

足立 「新卒で中古車販売の仕事に就きましたが、家庭の都合で地元に戻り、大学で学んでいた福祉業界に就職することになりました。パートから始めて、正社員を目指して資格も取っていたのですが、正社員登用への道が閉ざされてしまい、どうしようかと迷っていました。

そんなときに美容師をしている友人のところに散髪に行くと、たまたま彼も転職を考えていて、そこで旭化成アミダスについて教えてもらいました」

それ以前も、進路や仕事選びで周囲に導かれることの多かった足立ですが、裏返せば、それは足立自身が人との関わりを大切にしてきた証拠でもあります。

その原点となっているのは学生時代。さまざまな性格やタイプの学生が交じりあう学校環境の中で、同級生のみならず先輩たちとも接するうちに、自然と身についていったものでした。

足立 「出身の中学校や高校は結構なマンモス校で、いろんな先輩と仲良くなりたいと思って自分から積極的に交流していました。そこで、人とうまく付き合うことの大事さを学びましたね。

さまざまなタイプや立場の人がいるので、いろいろな立ち回り方が必要になります。それらを経験してきた結果、コミュニケーション力を培うことができました」

友人の影響で旭化成アミダスを知った足立でしたが、実は旭化成は足立の地元である宮崎県延岡市が創業地。足立自身にとっても、縁のある会社でした。

足立 「もともと祖父が旭化成に勤めていて、幼い頃からよく話に聞いていました。母や祖母から『じいちゃんは仕事を頑張っていた』と言われていたので、憧れもあり、地元に帰ったときに旭化成の求人を探したりもしていました。ただ、なかなか募集も多くない上に、大企業だからと一度は諦めていました」

友人のおかげもあり、念願の旭化成グループである旭化成アミダスとの縁が繋がった足立。その先には、未体験の世界が待ち受けていました。

入社にあたっての覚悟と未経験の仕事

旭化成アミダスでは、一定期間の派遣雇用の後、派遣先企業に直接雇用を依頼する取り組みをしています。派遣スタッフと派遣先企業の合意があった際には、面接や試験を経て、派遣先企業がスタッフを直接雇用する道があるのです。

足立は派遣先での正社員雇用の道を目指して、旭化成アミダスへの入社を決意します。

そして入社後、足立は医療関係の部品を製造する企業へ派遣されました。

足立 「仕事の内容は、人工透析の治療に使う医療用の部品の製造や生産管理です。2つの製造機械を3人で扱いますが、基本は製造ということもあって、業務の中で人と話す機会が少ないんです。

ただ、勤務形態が3交代制なので、前後の入れ替わりの短い時間で重要な伝達事項を伝え合う必要があります。そういったコミュニケーションをとる上でのオンとオフの切り替えが、はじめはなかなか上手くつかめずに苦労しました。これまで基本的に人と話す接客業だったこともあって、そこのギャップは大きかったように思います」

言葉が通じない機械を前に、はじめは戸惑うことも多かったと足立。仕事上のトラブルも、対人と対機械では大きな違いを感じたと当時を振り返ります。

足立 「たとえば、介護の現場で利用者さんが倒れたら、その事象だけに対応をすれば良いです。しかも言葉が通じるので、コミュニケーションの中ではニュアンスが伝われば解決できることもあるわけですが、対機械だとそうはいきません。

製造のラインが繋がっているので1カ所だけの対応では済みませんし、問題を解決するためには、直すための正確な手順を覚える必要があります。これまで会話やニュアンスで補ってきたことが通じないところに、難しさを感じました」

訪れた正社員登用のチャンス

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見るもの、聞くもの初めてづくしの職場でしたが、一人前に成長できたのは、足立を取り巻く周囲の人の存在のおかげでした。

足立 「一緒に作業する先輩はその日その日で替わるので、わからないことがある時に『初めてです』と言っては、何回も違う先輩に教えてもらいました(笑)。1人目の先輩に聞いて、わからないと思ったら別の先輩にまた聞いて、それでもまだわからなければ3人目の先輩に聞き、徐々に仕事を身につけていきましたね」

わからないことは何度でも尋ね、体に覚え込ませていく。そうやって周囲を大いに頼っているうちに仲の良い先輩も増えて、関係性が築けていったと言います。

先輩社員の力を借りて仕事も覚え、会社にも馴染んで、入社から1年が経った頃、正社員採用のチャンスが巡ってきます。

足立 「1年経ったので正社員採用の試験を受けられるということで、職場から『どうされますか』と声を掛けてもらったんです。ちょうどその頃はプライベートで結婚して、妻は妊娠もしているタイミングでしたし、自分の中でも『この仕事をやっていこう』と決め、試験を受けることにしました」

こうしてチャンスをつかんだ足立ですが、そこにたどり着けたのは足立が1年間で築いてきた社内での信頼関係があったからです。周りと協調した実直な足立の働きぶりは、上司からも高く評価されていました。

足立 「相手のことをよく見て、仕事のことや他愛のない話ではない、その人に合わせた会話を心がけています。ただ『今日は天気がいいですね』と言うのではなく、その人が野球の話をしていたなと覚えておいて、次に顔を合わせた時、そういった話を振るんです」

ささいでも、日々、相手に寄り添ったコミュニケーションを心掛けることが、仕事を円滑に進める上でも役立っているのです。

正社員として、父として、次のステージへ

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採用試験の結果は見事に合格。しかも、その合格の連絡を受け取ったのは、第一子誕生の知らせの直後でした。

足立 「試験合格の連絡が来た翌日が妻と子どもの退院日で、子どもには初めて会えるタイミングだったので、せっかくならとそこで直接伝えました。妻は泣いて喜んでくれましたね。コロナ禍で出産には立ち会えず、面会もできなかったので、妻も不安で寂しい想いをしていたのかなと思います」

不安定な社会情勢のなか、出産と正社員試験という一大事を乗り越えたことは、家族にとって大きな糧となりました。派遣社員として働いていた時からそばにいてくれた妻の姿に接して、足立は自分のためだけではなく家族のために仕事をしたいという気持ちを再確認したと言います。

こうしておめでたいことが重なり、公私ともにまさに順風満帆ですが、足立は次の目標もしっかりと見定めていました。

足立 「これからは業務の幅も広がり、薬品を扱う工程にも関わることになります。新しく担当する仕事の内容をしっかりと覚えたいと思います」

その上で、と足立は次のように続けます。

足立 「旭化成アミダス時代に先輩方からたくさん教えていただいたので、今度は自分が新しく入ってくる後輩たちの教育ができるようになりたいと思っています。わからないことは何度でも教えてあげて、ほめて伸ばす、そういう自分なりの理想の教育ができたらいいかなと。

プライベートでは、3交代勤務という働き方をうまく活かして、育児に取り組みたいですね。24時に帰宅する日もあるので、日中は育児の時間が取れなくても、夜間のミルクやオムツ替えなどを手伝って妻の睡眠時間を確保するなど、二人で協力してやっていきたいと思います」

一人の父親として、そして、職場で「教わる」側から「育てる」側へ──家族や職場の仲間とともに、新しいステージでの挑戦が始まろうとしています。

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