海外研修を経て躍進する若手社員。農林中央金庫のキャリアパスの多様化に貢献したい | キャリコネニュース
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海外研修を経て躍進する若手社員。農林中央金庫のキャリアパスの多様化に貢献したい

金融という業界に強いこだわりをもつことなく、農林中央金庫に入庫を決めた前田 ひかり。社会人として働く中で、いまひとつ明確なビジョンが見えずに模索していた前田を変えたのは、海外支店でのトレーニー制度でした。英語という武器、そして海外勤務の経験を糧に、新たな挑戦を続ける前田の姿をお届けします。【talentbookで読む】

さまざまな可能性を視野に入れた結果、たどり着いた金融業界

英語教育に力を入れている中高一貫校に通い、帰国子女の友人をはじめ、英語を日常的に話せる人たちに囲まれた毎日を送っていた前田。中学3年のとき、学校のプログラムでオーストラリアに2週間ホームステイした経験もあり、漠然と「自分も英語が話せたほうがいいだろう」とは感じていました。

前田 「ただ、これといった決め手も無かったことから、学生時代に本格的な留学をするという選択にはいたりませんでした。その後、大学では、社会の仕組みを理解するのに不可欠で、汎用性の高い学問だという点に興味を持ったので経済学部に進みました。

ビジネスエコノミクスを専門に勉強していたのですが、金融業界を目指す友人が多い環境だったことは、今の会社に入るきっかけのひとつでしたね。とはいえ、はじめから金融業界を志望していたわけではなく、さまざまな分野の企業へOB訪問をして、どの業界が自分に合うのかと最後まで迷っていたのが正直なところです。

金融以外にも、運輸系やインフラ系、エネルギー系を視野に入れて、公共性の高い職種をメインに就職活動をしていました」

各ジャンルの業界の話を聞き、それぞれで興味を持った会社を受けた中で、前田が最終的に農林中央金庫を選んだ理由。それは、若手でも成長機会が与えられる、フラットな社風に魅力を感じたからです。

前田 「大学4年のときに、10年後の自分を想像する機会があったんですが、そのときは健康面やプライベート面含め、自分がどんな状態でいるのかという明確なビジョンが持てなかったんです。ただ、将来自分の置かれる環境がはっきりと分からない分、若いうちにやりたいことを叶えやすい環境にいたいと感じました。もちろん、常にやりたいことを実行できるような環境にいられることがベストです。

とはいえ、たとえば10年後20年後に『海外に長期間行きたい』と考えても、いろいろと難しい場合があると思うんですね。だからこそ、何か『やりたい!』と思い立ったそのときに、フットワーク軽く動ける環境にいたいなと。そういった点も、いまの会社を希望した理由のひとつです」

入庫3年目、思い切って応募した社内制度

▲市場業務マネジメント部のメンバーと。 同じく海外トレーニーにチャレンジする同期たちに刺激をもらいながら、トレーニー期間を乗り切りました

入庫後、市場業務マネジメント部に配属となった前田。各事業部のメンバーが業務の中で扱う、社内システムの開発チームに所属します。

前田 「1年目は先輩のサポートとして、各システムの導入フローをはじめから終わりまで間近で見ながら勉強させてもらいました。そのときに指導係としてついてくれたのが、海外支店トレーニー制度(以下、トレーニー制度)によるニューヨーク支店赴任を控えた方だったんです」

トレーニー制度とは、若手職員が海外勤務を通じて語学力や国際感覚を養うことを目的とした人事制度で、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールの3つの支店で働くことができます。派遣期間は1年程度で、資金業務や融資業務、リスク管理業務などを現地で担当します。

前田 「海外店のリスク管理、システム、貸し出し、証券事務という班があるのですが、それぞれの班に3年目~5年目の若手職員が一年間行けるということでした。私もぜひ応募したいと思って、3年目になる頃に『リスク管理のコース』に手を挙げました。

配属先でリスク管理部門のスタッフが使用するシステムの案件を担当していたことから、このコースを選んだのですが、トレーニー制度自体は、経験や配属先を問わず、すべてのコースに応募できるようになっています。やる気があれば誰でもチャレンジしていいという制度だったので、応募しやすかったですね」

しかしながら、学生時代は留学を選択しなかった前田は、どうして海外に行こうと決意したのでしょうか。

前田 「他社の話を聞いていると、3年目という早い段階で海外勤務のチャンスがある会社はあまりないのだということがわかってきて。せっかく制度があるのだから、チャレンジしてみようと思ったんです。ニューヨーク支店に行くことが決まったときは、嬉しかったですね。渡米する前は、リスク管理部門が実施してくれる研修に参加し、英会話レッスンもみっちり行いました」

こうして、前田のニューヨーク勤務はスタートしたのです。

未経験の業務を英語でこなす日々。現地スタッフのおかげで乗り切れた一年間

前田 「ニューヨークに行ってからは、リスク管理チームにて、リスク管理の定例的なモニタリングをしたり、当局の方との面談に同席させてもらったりと、いろいろな経験を積むことができました。ただ、未経験の業務をさらに英語で行うということで、向こうでも英会話スクールに通って、必死で勉強しましたね。

幸い、ローカル職員の方々は長く働かれている経験豊富な方が多く、私の英語力をくみ取ってサポートしながら対応してくださったので、本当に助けられました」

具体的には、社内向けと当局向けに、リスクを分析した数値をレポートしていたという前田。

前田 「3つのリスク、具体的には『市場リスク』『信用リスク』『流動性リスク』に関する指標をデータ化していました。どんな取引があって、どのような市況で、マーケットの環境はどうだったかを読み取り理解したうえで報告する必要があったため、苦労した点も多々ありました。

ただ、終えてみた感想としては、大変だったことよりも学びの方が大きく、振り返ってみれば楽しかった、と言えそうです。手厚いサポートのおかげで難しい業務もこなすことができましたし、日本とは働く文化を含めてさまざまな点で違いがあり、ぐっと視野が広がったと思います。新しいこともたっぷり吸収できました。

また、私が帰国する直前から新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたのですが、迅速なマネジメントの甲斐あってか、短期間でフルリモートの業務体制が整ったんです。有事のときのマネジメント能力やコミュニケーションの大切さを肌で感じることができたことも、大きな学びでした」

帰国後は、こうした経験を活かしたいと考え、自ら志願して総合リスク管理部へ加入しました。

2021年現在、前田は「流動性リスク」に関する業務を担当しています。新しい規制が導入される際や、新しいビジネスを始める際、農林中央金庫のリスクプロファイルにどのような影響があるのか、あるべきリスク管理態勢はどのようなものかといったことを検討し、対策を練る。ここで、ニューヨーク支店での学びが活きています。

前田 「主に、資金繰りのリスクを見る仕事なのですが、外貨の資金繰りに関しては海外店がメインで対応しているため、海外店スタッフとのコミュニケーションが多いんです。

向こうで一年間経験したからこそ、海外ならではの仕事の進め方や業務内容がある程度把握できているので、円滑にコミュニケーションを取ることができます。英語のレポートも抵抗なく読み込む事ができているのは、トレーニー制度のおかげですね」

海外勤務の経験を経て、新たなステージへ

海外での経験を大きな糧にし、再び日本で働きはじめた前田。仕事に対する意識は確実に変わっていました。

前田 「これまでは、部内でも一番の新人でした。海外に行ったときも勉強させてもらっているという立場だったのですが、今のチームでは、マネージャーの次のポジションが私。『若手だから』ということを言い訳にできない環境にいます。自分よりも年上の方や管理職の方と、対等に仕事をするマインドが求められているため、自分の意見をハッキリ伝えるように意識しています。

たとえば、相手が作成した資料を見て、こんなデータがあったらよりわかりやすいのでは?とか、もっとこんな見せ方はどうでしょうか?といった提案ですね。以前だったら、自分より経験豊富な方に意見をしてもいいのだろうかと躊躇してしまうことがありましたが、上司の助言もあり、積極的に自分の考えを伝えるようになりました」

まさに、大きく成長を遂げている前田。今後、会社の中で目指す姿がふたつあります。

前田 「ひとつは、もう一度海外に行きたいということ。農林中央金庫には、トレーニー制度のほかにMBA(Master of Business Administration:経営学修士)取得の制度などもあるので、チャレンジしてみたいと考えています。もうひとつは、女性職員のキャリアパスの多様化に貢献したいということ。

これから10年後もこの会社で働くことを考えたとき、女性職員としてどんなルートがあるのか、どんな選択肢があるのか、今後入社してくる女性職員のためにも、できることには果敢にチャレンジして、多様な道を切り開いていきたい。そんなふうに思っています」

海外勤務を経て、一回りも二周りもたくましくなった前田。農林中央金庫の新たな未来を築いてくれることでしょう。

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