コロナ禍での在宅アジャイル開発完遂──相手にとって一番必要なものは何か!
コロナ禍のリモートワークでも、従来以上の生産性と品質で在宅アジャイル開発を成功させ、2020年度年間MVPを受賞した北川 彩織。高難易度プロジェクトを成功へ導く秘訣を語る。【talentbookで読む】
人との関係づくりのためには、信頼とコミュニケーションが第一
システム事業本部コンシューマデバイス事業部で、スマートフォン向けアプリ開発業務のマネジメントを担当している北川。幅広い業務を担い、多くのステークホルダーと関わる北川だが、業務においては一貫して、根本的な課題解決を重んじている。
北川 「常に意識しているのは、課題に隠された真の原因を見つけることです。根本原因が解消されずに表面的な問題解決に留まってしまうと、対処が後手になってしまうので、自分だけでなく社内メンバーにも意識するよう促しています。
また、当たり前にやっていることを見直すという意味で、常に『疑問を持つ』ことを意識して取り組んでいます。いつも通りの仕事でも、本当にそれでいいのか1度立ち止まって検証することで、改善点を見つけることができたり、課題の早期発見やリスクマネジメントにつながる気づきがあったりするからです」
お客様や社内メンバーとの関係づくりで心掛けていることは、「積極的にコミュニケーションをとること」だと北川は語る。
北川 「何気ない会話からお客様やメンバーの新たな一面を知ることができたり、お客様のサポートになる提案につなげたりすることができます。小さな気づきを見逃さないためにも、コミュニケーションを大切にしているんです」
お客様との関係は信頼の上に成り立っている。だからこそ、信頼関係を築くときに大事にしていることがあると北川は言う。
北川 「課題に対して出た意見の中に方向性が違うものがある場合、相手の真意がどこにあるのか、相手の立場になって考えるようにしています。そして、その人自体を否定することがないようリスペクトしつつ、方法や発言に対して意見するようにしています。社会人になって、よりその人のプラスになることは何なのか、深く考えるようになりました」
日々傾聴力を鍛えお客様に寄り添うことで、お客様の創造を超えるシステムを生み出すことができる。
「まずは3年やってみよう」。採用で得たチャンスをかたちにするまで
大学の同級生が富士ソフトの内定をもらったことをきっかけに、北川も富士ソフトの面接を受けた。
北川 「もともと文系出身で、プログラミングの知識もなかったので、富士ソフトのSE職(システムエンジニア)に就けたことにとても驚きました。 正直不安もありましたが、チャンスと捉え自分の中で3年というタイムリミットを決めて、向いているかどうか見定めようと思い入社を決めました」
入社当初は、学生時代には使わないプログラミング言語や専門用語がわからず戸惑ったという北川。
北川 「学生時代にプログラミングを学習してきた同期との差に焦りを感じ、通勤時間に専門書を読んで地道に勉強を重ねました。その結果、任されたプログラミングが自分なりによくできたという喜びや手応え、自分が開発したものが世の中に出ていくことへの達成感が、大きなやりがいにつながっていきました」
さまざまな成功体験を通して着実にSEとしての力をつけていった北川に転機が訪れる。
北川 「入社5年目に、『SEとして今後も続けていけるかな』という気持ちが徐々に確信へと変わり、入社10年目にリーダーへ昇進しました。 昇進できたことは素直にうれしかったのですが、当時担当していたプロジェクトでは頻繁に不具合(バグ)が発生しており、改善に取り組まなければいけないというプレッシャーで自分にリーダーが務まるのか不安でした。
そこで上司へ相談しながら、アドバイスをいただき試行錯誤を経て無事に課題解決をすることができました。初めての修羅場を乗り越えることができ自信につながりました」
着実に一歩一歩、ステップアップを重ねていった北川は今年主任へ昇格した。その裏には挑戦を支える富士ソフトの風土が影響していた。
北川 「富士ソフトは独立系システムインテグレーター(SIer)なので、幅広い業種や多様なお客様に向けたシステム開発が特徴です。それもあってか、さまざまな技術分野の社内公募もあり、自分のやりたいことに挑戦しやすい環境になっています。
私は入社時から、多くの人が利用する機会があるシステムの開発をしたいと思っていました。現在取り組んでいるスマートフォンアプリ開発は、多くの人にとって身近な存在であり、利用する機会があるシステムです。SEになってから描いていた業務に就くことができ、富士ソフトは『やりたいこと』に挑戦できる環境だと実感しました」
世の中で役立つものを作らなければならないという責任感を胸に、北川の快進撃は止まらない。
難易度の高いアジャイル開発を在宅勤務で完遂
これまでに培ったアプリ開発やアジャイル開発の知見を活かし、高難易度の開発を在宅勤務で見事完遂。そのことが社内やお客様先で評価され、富士ソフトの年間MVPを受賞した。
北川 「アジャイル開発では、特にコミュニケーションが重視されます。物理的に離れて開発を行わなければならない在宅勤務において、どのようにコミュニケーションの活性化を図るかが大きな課題でした」
在宅勤務では、個人が何をやっているのか詳細にはわからない。そこで、画面共有を活用したペアプログラミングを導入。個人の生産性を引き上げ、品質管理の維持に取り組んだ。また、お客様の心情に積極的に寄り添い、コミュニケーションを通して不安の払拭を心掛けたという。
北川 「コミュニケーションツールを活用し、お客様も巻き込んで、在宅勤務でもオンサイト同等のコミュニケーションがとれる環境を構築しました。文章だけでなくチャットや音声も含め、積極的に声掛けしやすいルールづくりや、担当者だけで自由に会話できる会議部屋のようなものを設けて、コミュニケーションの活性化を図ったのです」
このような取り組みによって、コロナ禍以前よりも、コミュニケーションの活性化や利便性の向上を図ることができたという。さらに、アプリケーション開発の一部を自動化し、お客様の作業工数を削減し生産性向上にも寄与したのだ。
北川 「社内チームのコミュニケーションは以前から円滑でしたが、お客様とのコミュニケーションは新しいツールの導入で非常に活性化されたと思います。コミュニケーションツールの選定には苦労しましたが、富士ソフトは協力を得やすい環境です。新しいツールの導入や新しい施策には、別プロジェクトのメンバーも協力的に動いてくれて助かりました」
卓越したコミュニケーション能力と提案力でプロジェクトをけん引する北川。その活躍と功績は、お客様先でも話題となり広報誌で紹介された。
北川 「富士ソフトは、業界内やメーカーではある程度認知されています。しかし、一般的にはまだあまり知られていません。今後は、富士ソフトブランドの認知を広げるために、自分にできることがあればどんどん尽力していきます」
富士ソフトの魅力を肌で感じている北川は、さらなる企業成長への一助として技術ブランディングを推進していく。
相手の役に立つことを考え抜いて成功につなげる
在宅アジャイル開発は、お客様との協力関係があってこそ成功につなげられたと語る北川。
北川 「私の業務はお客様ありき。ですから、まずは仕事を通してお客様の役に立つことを第一に考えています。お客様が抱える業務上の悩みや問題が解決して、『助かった!』と言われたときは、大きなやりがいを感じます」
そんな北川の直近の課題は、マネジメントスキルを伸ばすこと。自分がまだ経験したことのないマネジメントも幅広くできるようになることで、さらに多くのビジネスチャンスを逃さずつかんでいけるようになりたい、と語る。
北川 「お客様から富士ソフトを選んでいただくためには、提案力や折衝力を伸ばしていく必要があると考えています。提案ができれば、お客様にとっては選択肢が増えますし、富士ソフトにとっては信頼獲得につながります。今後は部門の垣根を越えて社内で協力しながら、ビジネスチャンスをつかんでいきたいと考えています」
お客様が世に製品を出すことで、結果的に自分の仕事が世の中の技術に貢献できると考えている北川。そしてそれこそが、富士ソフトの成長に大きく還元されると考えている。
SEとして大きな成長を遂げた北川だが、ビジネスパーソンとして感じる富士ソフトの魅力を次のように語る。
北川 「女性も活躍できる会社であることが、富士ソフトの魅力のひとつです。同業他社では男性比率が多いと聞くことも少なくありませんが、富士ソフトは女性の主任やリーダーなど、全社的に女性の役職者がいます。そういう意味でも、男女ともに活躍できる機会がある会社です」
お客様や社内チームと丁寧に向き合い、目の前の課題に真摯に取り組む北川。
一つひとつ学びを増やし、周りからの信頼を得ながらステップアップを続け、今後もさらなる活躍の場を広げていく。