「やりたい」は、声を出せば叶っていく。たどり着いたのは報道という仕事 | キャリコネニュース - Page 2
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「やりたい」は、声を出せば叶っていく。たどり着いたのは報道という仕事

▲夢を追いかけた若いころ

2005年、朝日放送株式会社にアナウンサーとして入社した高橋 大作。ニュース番組のリポーターとして災害や事件・事故を伝え続けたのち、報道局に異動。報道記者として実績を積んだ高橋は、現在、上海支局長として激動の中国情勢を見つめています。彼が歩んできたこれまでの道のりと、そこに宿る信念とは。【talentbookで読む】

常にやりたいことを探し、いろいろな夢を渡り歩いた学生時代

やりたいことがあるなら、「これがやりたい」と言い続けることが一番大切。

高橋は自らのキャリアを振り返り、そう断言します。「やりたい」と声を上げることで道が開かれていく経験を、何度も繰り返してきたからです。

高橋 「声に出していると、だいたい叶っていくものです。もし叶わなかった場合も、別の形で道が開けていきます。就職活動中の学生さんに将来の相談をされたときは、いつも『声に出すことが大事だ』と話していますよ」

高橋が人生で初めて「やりたい」を声に出したのは、小学6年生のとき。当時の夢は、実家の小さな写真店「高橋カメラ」を日本一の写真店にすることでした。しかし、阪神淡路大震災で店は半壊。再建するも、父親から別の道を歩むよう勧められ、次の夢を探すことになります。

高橋 「次に見つけた夢は、俳優になることでした。ナインティナインの岡村 隆史さんが『めちゃ2イケてるッ!』という番組内で劇団四季の舞台に挑戦する企画を観て、ミュージカルに憧れたのです。

実はオーディションも受けました。練習をしていないので当然落ちてしまったのですが、オーディションで出会った人と話をしたり、舞台を観に行ったりするうちに、次第に俳優ではなく、照明の仕事に目がいくようになりました」

実家が写真店であったため、照明にも馴染みがあったという高橋は、早速照明のアルバイトを始めます。そこで感じた「“やっぱり”テレビ業界の仕事っていいな」という気持ち。

実はそれ以前にテレビ業界への興味を抱いたことがあったのです。

高橋 「アナウンサーを意識するようになった出来事は、今でも覚えています。あれは高校1年生のときのこと。私が通っていた高校が甲子園に出場し、みんなで応援しに行きました。そのちょうど前の試合が、伝説の『PL学園対横浜』の延長17回の試合だったんです。あまりにも盛り上がっていたため、なかなかアルプススタンドに入れてもらえず、私たちは甲子園の周りで列をなして待っていました」

高橋はそのとき、ラジオを持っていました。ラジオから聞こえてくるアナウンサーの熱い実況。高橋は、一緒に並んでいる周囲の人たちに向かって、アナウンサーの実況をさらに実況するという行動に出ました。

高橋 「私の声で、周囲がめちゃくちゃ盛り上がったんです。アナウンサーっていいなと思った瞬間でした。その後、吉本興業が主催している『アナ・トーク学院』というMCや司会者を育てるスクールに、学生兼アルバイトとして通いました。ここの先生に『君は声がいいから、アナウンサーに向いている』といわれたことで、本気でアナウンサー目指そうと思い、就活に至りました」

「自らの手で作り上げること」に見出したやりがい

▲アナウンサーとしてテレビへ

就活の結果、見事アナウンサーという夢を手にした高橋。しかし最初の1年目は、思うようにいかない日々を過ごします。

高橋 「私は、バラエティで活躍するような人気アナウンサーになりたいと思っていました。大学の先輩であった宮根 誠司さんに強く憧れていたのです。それを周囲に話していたので、お笑い番組の前説や、『ABCお笑い新人グランプリ』の予選の司会など何度かチャンスいただけました。

しかし、爪痕を残そうと力んだ結果、空回りしてしまって。もどかしい気持ちを抱えていたあるとき、ニュース番組のプロデューサーから『声がいいからナレーションをやってみたら』と声をかけてもらえたんです」

風向きが変わり、夕方のニュース番組のレギュラーリポーターとして抜擢された高橋。さまざまな現場に足を運びながら、報道アナウンサーとしての礎を築いていきました。

高橋 「朝日放送は、東京のキー局に比べると人数が少ない組織です。アナウンサーであっても企画を出したり、編集をしたりして、自分がやりたいことを実現できる環境がありました。報道の仕事をする中で、難しい側面もたくさん知りましたが、同時に強いやりがいを感じるようになりましたね」

報道という仕事に魅了された高橋は、アナウンサー兼報道記者という形でキャリアを積みます。そして12年目の夏、報道局への異動を決めました。

高橋 「もう一歩踏み込んだ取材をしたいと思うようになり、報道局に軸足を移しました。朝日新聞の記者として出向させていただいたり、短期間でしたが『報道ステーション』に出向したりと、アナウンサーでは踏めなかった現場で経験を積むことが出来ました」

熱のある反応をもらえる喜び

▲支局長として上海の街を取材

2021年10月現在、高橋は上海支局長に赴任し、中国経済や世界最先端のIT事情を取材しています。これも、高橋が「やりたい」と声に出した結果叶ったものです。

高橋 「コロナの影響で、世界がすごく遠くなってきているなという感覚があり、現地からニュースを届けたいという想いがあったんです。現地に行って、自分にしか見えないものを取材して日本に届けたいなと。

中国語を話せるわけではなかったのですが、『やりたい!』という気持ちと運があれば、そんな希望も叶うんです。朝日放送テレビでは海外を拠点とした新しい事業もあり、私のように海外で働く社員も多くいます」

まさに「やりたい」を形にし続けてきた高橋の人生。それを支えたのは朝日放送テレビの環境だと高橋はいいます。

高橋 「『やりたいです』といい続けて、本当にやらせてもらっています。その意味ではすごくいい会社だと思いますね。そのかわり、言ったのならばその分やらなければいけない会社なので、前向きな気持ちを切らさずに走り続けることが大事です」

報道の仕事は、事件・事故、国内外の情勢を扱うものから、地域のほっとする話題を扱うものまで、多岐に渡ります。常に取り上げたいものを探し、「取材したい」と声に出し続ける日々。それは、「やりたい」を探し続けてきた高橋の生き方に通じるものがあります。

高橋 「アンテナを張って新しいことを探したり、既存のものに対して違った角度で考えたり、いつも取材できるものを探しています。ニュースという形にすることで、見てくださった方々からの反応をもらうことができますよね。その声を聞いて、誰かの役に立っていると感じられるのが報道の仕事のやりがいだと思います。

僕は、テレビのほかにも、ラジオ・インターネット放送・YouTubeなど、いろいろやらせてもらっていますが、熱のある反応が直接返ってくる瞬間は、とても嬉しいものです」

強い想いは自身を想像以上の場所へ導く

▲報道記者として前に進んでいく

高橋 「今は、誰もがSNSなどで発信できる時代です。だからこそ、朝日放送テレビが皆で力を合わせて取材し発信していく情報の価値は高まっていると感じています。正確さ、あるいは素早さ、深さなど、質の高い情報を届けられるのが放送局の強みです。プロフェッショナルな仕事の担い手として、責任を果たしていきたいと思っています」

プロとしての責任を胸に、現場に足を運び、自らでカメラも構えるという形で働いてきたという事もあるという高橋。しかし、このコロナ禍で取材活動が制限されたことで、苦労もしました。

高橋 「2020年の1年間、とくに新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しはじめた頃は取材が難しかったです。医療従事者の方に接触することはおろか、電話で話を聞くことすら難しい状況でした。

しかし夏ごろ、医療従事者の方の思いが変わる瞬間があったのです。彼らは、この状況をみんなに知ってほしい、語りたいと思うようになっていました。そこでオンラインで取材をし、ニュースとしてたくさんの情報を世に出すことができました。

私たちは、取材したものを世の中に届けたいという気持ちで仕事をしていますが、世の中には、放送局を通して声を届けたいという人もたくさんいます。その人に会いに行き、その声を拾い上げ、多くの人たちに届けるというのも、私たちの大事な仕事なんです」

やりたいことを声に出し、周囲の導きを受けてここまで歩んできた高橋。気づけば今、思いもよらなかった場所に彼は立っています。

高橋 「自分で想像していたよりも、スケールの大きい仕事をすることができています。そこに対する責任感はもちろん感じていますが、いくつになってもずっとワクワクしている感覚がありますね」

高橋の前には今、想像以上の景色が広がっています。だからこそ、想いを声に出すことが道を開くカギであると語ります。

高橋 「ちょっとおまじないみたいかもしれないですが、やっぱり想いをする言葉にすることが大事なんですよね。言葉にすれば『それはダメじゃないか』『こっちの方がいいんじゃないか』というコミュニケーションが生まれ、結果、何かしらの形で想いは実現していくんです。だから、とにかく想いを言葉にする。1万人に『これやりたいんです』といい続けたら、絶対何か起きると思いますよ」

「やりたい」という言葉の力を信じ、常に前を向いてきた高橋。その一方で、自身に留まらず、多くの出来事や人々の想いを言葉にし、世の中に届けてきました。

これからも高橋は、画面の向こうにいる“あなた”に向けて、言葉を紡ぎ続けます。

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