異なる環境で新たな視点を身につけろ!若手社員2人のトレーニー奮闘記 | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで6周年 メルマガ読者数
65万人以上!

異なる環境で新たな視点を身につけろ!若手社員2人のトレーニー奮闘記

Hondaには、将来活躍する人材を育てるためのトレーニー制度があります。北本 貴大は海外トレーニーを、石前 亜希は国内トレーニーを経験し、それぞれの成長につなげてきました。海外営業のキャリアを積み重ねている最中のふたりが、どのような経験を積み、何を学んだのかを語ります。【talentbookで読む】

パワープロダクツ製品を国内外に届けるため、営業に携わる若手社員たち

入社以来、ライフクリエーション事業本部パワープロダクツ事業部営業課で仕事をしている北本は、海外営業担当として受注と生産に関する調整役を務めています。

北本 「海外の現地法人やディストリビューター(代理店)からオーダーを受け取り、生産・出荷計画を調整していくのが主な仕事です。お客様からリクエストのあった台数を生産できるのか、販売計画が成立するのかなどを考え、在庫数のアドバイスをしながら調整を進めています。

お客様が欲しいと思うタイミングで製品をお届けできるよう、生産部門や物流部門、現地のディストリビューターと日々やり取りをしています」

さまざまな制約によってお客様のニーズがあっても生産できない状況が続くなか、生産側の事情と販売側の要望をすり合わせ、どうすれば最適な供給ができるのかを検討する。そんな海外営業には、現地のビジネスに影響を与えないように最適な供給を担保すべく、適切なタイミングで正確に情報を伝達することが求められます。

北本 「販売現場が計画を立てやすくなるような情報は、早めに伝えるようにしているんです。『可能性が低いけれどこういうリスクもある』など、計画を立てる上での判断材料となるように、こちらの考えがきちんと相手に伝わるように心がけていますね。メールだけではなく電話で直接話す時間を作るなど、私が伝えたいと思ったとおりに相手に受け取ってもらえているかを常に確認するようにしています」

一方、入社後の研修を終えてからパワープロダクツ事業部営業課に配属され、北本の後輩として働いていた石前は、2021年4月からホンダパワープロダクツジャパン*にトレーニーとして派遣されました。

石前 「パワープロダクツ製品の国内の商流は農機店とホームセンター、商社の3つに分けられますが、私は町の農機店への営業を担当しています。フィールド営業の現場に出て、千葉と神奈川、山梨にある30店舗ほどの農機店を回り、販売を促進するための活動をしているんです。

毎月の計画達成に向けて、自分で考え行動しなければなりません。たとえばパワープロダクツ製品を紹介して販売する展示会に参加し、どうすれば自分の売りたい製品への導線が作れるかを考えてアプローチをしたこともあります。最終的な目的は、日本でパワープロダクツ製品を使う人をひとりでも増やすこと。そのために販売店をサポートしている形ですね」

*本田技研工業株式会社100%出資の企業。全国の農業機械販売店やホームセンターを顧客として、ホンダパワープロダクツ製品の販売を手掛ける。

事業が縮小する危機に直面し、戦略の焼き直しに奮闘した海外トレーニー

▲パキスタンの販売店オーナー(中央)と営業担当(右)と(2019年7月撮影)

北本は、小学校から高校までずっとサッカーをしていました。勝利を目指してチームで努力を重ねたり個人の技量を磨いたりすることで、できなかったことができるようになるのが楽しいと感じていたのです。

その後大学に進学してからは、バックパッカーとして10数カ国を訪れました。知らない世界を知ることが楽しく、就職を考える際には、自分が知らない世界に踏み出すための良いきっかけを見つけられる会社で働きたいと考えていました。そして入社を決めたのが、Hondaだったのです。

北本 「就職説明会では商社を中心に見ていてメーカーはほぼ見ていなかったんですが、たまたま日程が合ってHondaの説明会を聞きに行きました。そこで二輪の海外営業に携わる方から“自分が思い描く形で仕事を進めて成果が出るのが楽しい”というエピソードを聞いたんです。Hondaという会社に、知らない世界を見ることができる可能性を感じて入社を決めました」

入社直後の販売店実習で、ライフクリエーション事業は他事業と比較すると事業規模がコンパクトで人数が少ないこともあり、一人ひとりの裁量が大きく、学ぶ領域も業務の幅も広いと聞いた北本。そこでパワープロダクツの海外営業を希望し、海外営業を担当することになったのです。

それからずっと海外営業を担当していますが、2019年4月から9月まではパキスタンで海外トレーニーを経験しました。

北本 「パキスタンには、45万台ほどのパワープロダクツ市場があります。人口2億人なので、結構大きな市場なんですよね。そこで発電機を主力に販売していたんですが、不景気や物価の上昇によって市場が急激に縮小したことでどんどん販売台数が減り、私が現地に行ったときには過去最低の売り上げ規模になっていました。

主力である発電機の市場回復も見込めないため、エンジンや農機などの商品を売って会社を保とうと計画を立てていましたが、4?6月はずっと計画未達でした。そこで、急遽販売戦略の焼き直しをすることが私の役割となったのです」

販売店を回ってどのようなお客様がHondaの製品を使ってくださっているのか知り、どのような販売方法が有効かを再整理して戦略を作り直していきました。その結果、Hondaの製品は他社製品に比べて高価で、価格を重要視する一般ユーザーには選ばれにくいとわかったのです。そこで、法人顧客をメインターゲットに設定した戦略を立てました。

北本 「情勢が厳しい中でも、電気がなくなったら困るテレビ局では質の高い発電機を使う、ゴルフ場ではグリーンをいつでも整備できるように信頼性のあるエンジンを使うなど、Honda製品を必要とするお客様はたくさんいます。そういったお客様をターゲットとし、限られたリソースで最大の効果を発揮できるような戦略を立てました」

北本は6カ月間のトレーニー経験で、経営視点の重要性を痛感しました。

北本 「日々会社の手元の現金が減っていくという危機を体感し、ビジネスでは日々変わっていく経済等の外部環境の中で、自分たちの財務体質や事業特性を理解した上で、進むべき方向性を考え続けなければいけないのだと学びました」

パキスタンでの経験から、お客様と売る側、作る側をつなぐことが営業の使命だと身をもって感じることができました。売るものがなければ当然商売になりませんが、在庫を持ちすぎても会社の財務体質を悪化させてしまう。そういった事態に直面したことで、本社の営業が携わっているモノを届ける仕事の重要性を理解することができたのです。

北本 「営業として適切に商品を供給することが、各地域で販売に携わる人と生産に携わる人の仕事をつなげている。そうしてはじめて企業の存在価値のひとつである雇用が生み出されているとマインドセットできたんです」

現場の最前線でお客様のリアルな声を聞くことができる国内トレーニー

▲ホームセンターでの展示会に臨む石前

石前は幼少期から海外に馴染みがあり、大学では外国語に特化した学科に進学してベトナム語を学びました。実際にベトナムに留学し、海外の人と接する経験をたくさんしていたのです。そしてベトナムに1年間滞在したことが、Hondaへの入社につながります。

石前 「ベトナムではバイクが人々の生活を支えていて、Hondaに入ればベトナムの人たちの生活を支えられると思いました。そして就職活動で会社説明会に参加し、自由で挑戦的な雰囲気に惹かれ、Hondaに入社しようと決めたんです。

入社のきっかけはバイクでしたが、『とにかくベトナムに近いところで海外営業をしたい』と考えており、製品にはこだわっていませんでした。結果的に、働く人だけでなく一般の方の生活も支えられるパワープロダクツで海外営業をすることになったので、私にとって1番良いところに配属されたと感じています」

パワープロダクツ事業部で、石前は南米の海外営業を担当。チリで動力噴霧器が新型コロナウイルス感染症対策として消毒の散布用に使われるなど、パワープロダクツ製品がいろいろなところで人の役に立っていると実感しながら仕事をしていました。そんななか、2021年4月にホンダパワープロダクツジャパンに国内トレーニーとして派遣され、仕事の視点が大きく変わったのです。

石前 「本社で南米の海外営業をしていたときは、机上で仕事をしていました。現在は現場で営業としてエンドユーザーや販売店の困りごとや悩みを近くで感じることができます。

たとえば今は除雪機の在庫が十分ではないですが、販売店としては収益性の高い製品であり、お客様にとってもないと命に関わる製品なので、困っているという声が多く寄せられます。最適な生産計画や販売計画を立てるというのが、どれほど営業の方々やエンドユーザーにとって大事なのか、まさに実感しているところです」

大変な状況が続くなかでも、本社で身につけた社会人としての基礎力は仕事に活きています。

石前 「回答をすぐ出せなくても、進捗をこまめに共有するという仕事の進め方はすごく活きていますね。たとえば『除雪機の供給を何とかしてほしい』という問い合わせがあっても、1?2時間ではなかなか調整ができません。それでも1時間以内に現状を共有する電話を入れるようにすることで、少しでも安心してもらうようにしています」

国内トレーニー期間は2年間の予定のため、石前にはあと1年半の時間があります。そのなかで、いろいろなことを経験するとともに現場の共有をしたいと石前は考えています。

石前 「トレーニー開始から5カ月間は準備期間としていろいろやらせていただき、最近ようやく担当を持ちました。何を考えてどう行動すれば販売店の販売が進んで結果的にHondaの販売も進むのかがまだわからず、計画達成が難しい状況です。

だからこそ、とにかくいろいろなことを試して、結果的につながったか否かというデータを蓄積していきたいと思います。そして営業の現場で行っていることを報告書にまとめて、現場の営業が何をしているか見えにくい海外営業の方に少しでも知ってもらいたいと考えています」

それぞれの場所でやりがいを感じながら、目標に向かって歩み続ける

北本と石前は、それぞれ仕事のやりがいやおもしろさを感じています。

北本 「仕事を通じて新しいスキルを身につけていけるのが、1番楽しいです。変化の多い世の中ですから、数十年後にHondaがあるかどうかは誰にもわかりません。まずは、自分自身がしっかりと生き抜いていく力を身につけなければならないと考えています。この業務をどう意識したらスキルが身につくかを考えながら経験を積み上げる。それがやりがいでありおもしろさでもありますね」

石前 「今の仕事でやりがいを感じるのは、直接感謝の言葉を聞けることです。たとえば展示会で、製品を実際に走らせたりのぼりを高々と掲げたりと、今まで実施していなかったことに挑戦した結果、販売店の方から『Hondaさんの展示はすごく評判良かったよ、ありがとう』と言ってもらえました。現場だからこそ直接感謝の言葉をいただける。それが一番やりがいを感じられますね」

別々の場所でパワープロダクツの営業に取り組んでいるふたりは、それぞれの経験のなかでHondaらしさを感じる瞬間があります。

北本 「パキスタンでトレーニーをしていたとき、立場や地位に関係なく自分で方向性を示したければ示すことができ、それを聞いてくれる人が周りにいて、やる気を見せればサポートもしてくれる環境でした。それがHondaらしさなのかなと思いますね。

現場に身を置く経験を通じて感じたHondaらしさを、今度は自分が体現していかなきゃいけないと思いますね」

石前 「Hondaらしさを1番感じるのは、販売店の方と話しているときです。この製品はどんな人が購入しているのかという話をよくするんですが、『Hondaというブランドだから買った』というエンドユーザーさんが多くを占めています。Hondaが今まで築いてきたブランドを信頼してくれる人がたくさんいて、その強いブランド力がHondaらしさだと思います」

海外と国内でトレーニーの経験を積んだふたりは、目標を見据えて行動している真っ最中です。

北本 「短期的には駐在に出て、会社を発展させるための戦略を描いて実行する、といった経営に近い仕事に携わりたいです。最終的には現地法人の社長といった経営者を目指してキャリアを積んでいきたいです」

石前 「最も短期の目標は、毎月の計画達成です。計画達成に向けて何をするかというのを積み上げた先にトレーニーの成功があると思うので、まずは現場で何をしたら結果がこうなったというデータを少しでも蓄積して、本社に持って帰りたいと思います。

キャリアとしての長期的な目標は、チームを育てる管理職として活躍することです。女性は子どもを持とうとすると、どうしても産前産後休暇や育児休職等で物理的に働くことができない期間が発生するのは仕方のないことです。それでも、努力し、能力を高めればキャリアアップをしていくことはできると信じています。会社の制度をうまく活用しつつ、家族を大事にしながら働いていきたいですね。

また、管理職になったら、現在トレーニーで学んでいる現場感もチームのメンバーに伝えていきたいです」

海外と国内それぞれの現場経験から学び、目標に向かって突き進んでいる若手社員のふたり。

未来を生き抜き新しい道を作るため、これからも成長を続けます。

本田技研工業株式会社

この会社にアクションする

アーカイブ